データで勝つ三人麻雀~レビュー

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三鳳卓を実際に打つのと同じ効果が得られる

「データで勝つ三人麻雀」を読みました。
本書に関わっているのはみーにん、福地誠、abantes三麻天鳳位の三人です。
データを採っているのはみーにんさん。
そのデータを元に三麻戦術を組み立てる構成になっています。
そのデータというのは全部天鳳の三麻鳳凰卓から採っているようです。
私が何千戦打った分も当然入ってるわけですよね。
三鳳は打ってる人数自体は少ないですからきっと入ってると思います。

本書は三鳳打ってる僕からすると割と当たり前のことが書かれています。
全部三鳳のデータですから、三鳳を打っている人間がアナログ的に感じたこととさほど違いはないんですね。
とはいえ、何千戦と打って経験の中から長い年月をかけて導き出していく答えや感覚よりも、データを見る方が一目瞭然です。

私の場合は答え合わせに使いました。
今まで三鳳を打った経験の中で培った感覚や答えが合っているかどうかの確認のためです。
大きくズレはなかったように思います。
データを正しく読み取りさえすれば、実際に打って経験を積んで感じることと同じ答えが得られるのだなと思いました。
実際に打たなくてもある程度概要がつかめるという意味でこれは画期的な本です。

これを機に三鳳卓のレベルが上がってくるのか、あるいは三鳳の人口が増えて卓が立ちやすくなってくるのか。
なんだかんだ言っても最後にものを言うのは経験と本人の努力なので、後者の方かなと思います。
おそらく中級者の方は上達するにあたってものすごく助けになると思います。

僕は三麻を打ち慣れていますし、四麻もよく打つので違いはそれなりによく分かっています。
ただ四麻の強者の方でも三麻を打たないという人は本書を読めば新鮮なことばかりでしょうし、あっという間に対応して上達していくと思います。
これを機に三麻を始めてみると良いんじゃないでしょうか。

データには一部偏りがある

ただ唯一認識のズレがあったのがリーチ判断の項目です。
これは明確にデータの読み取り方が間違っているんじゃないかと思います。

私の場合は役あり愚形全般、子の平和のみテンパイはほぼダマにすることが多いのですが、本書においてはリーチせよと書かれています。
自分の判断に絶対の自信はないのですが、この本の結論には疑問が残ります。
というのは三鳳の役あり愚形リーチというのは打ち手が場況的に和了れる自信があって打っているのが大半なのであって、それをかき集めて局収支の平均を計算すれば局収支は思った以上に良いとなるのは当然のことだからです。
逆に良形平和の跳満リーチは和了れる自信がない場合が多いと思います。
ダマっていても場況的に出和了りが期待できないときです。
こういうリーチは局収支の期待値が低いです。
だからこういうリーチばかりを集めてデータを採ってみても、局収支は思った以上に低いものにしかならないわけです。
逆にダマにするのは決まって場況の良いときばかりですから、ダマが局収支有利なのは当然の結果とも言えます。
こういった偏りのあるデータを元にリーチすべき、ダマにすべきと結論づけることはできません。
正確なデータを得るなら、場況に関係なく全部ダマを選択するAI、全部リーチを選択するAIを、それぞれ平均的な三鳳民のようなまともな判断と雀力を持つAIと数多く対戦させてみてデータを採ってみるとか、そういうことをするしかないんじゃないでしょうか。

結局は場況次第となってくるのですが、三麻は割と良形平和の満貫、跳満はリーチ寄りです。
ツモ損だからダマにするという人も多いのですが、僕は損だと思っています。
四麻はダマ寄りですね。
理由は他家が三人居て、リーチを打つとオリられてしまい、和了率の低下の影響が大きいからです。
このあたりもデータによって根拠が示されると思っていたのですが、こればかりは採取するデータの内容が偏りすぎて当てにはなりませんでした。
このあたりはみーにんさんも自覚があるのか、データが正確ではない、偏りがあると述べています。
要は人間が打ってるので正確さには限界があるということです。
そのあたりを念頭に置いた上で本書のデータを活用すべきだと思います。 

リーチ判断以外の項目は概ね間違いがないです。
北何枚抜きに対する押し引きの局収支、テンパイに押す牌の危険度の差など。
このあたりは打ち手の思考がそこまで反映されておらず、単に事実として残っているだけで著しく偏りの生じるデータではないからです。

バランスと読みやすさに優れた良書

全体的に読みやすい本です。
前書きで福地さんが文章がつまらない、眠くなると書かれていますがそんなことはないです。
少なくとも現代麻雀よりははるかに読みやすいと思います。
表やグラフも牌図を見るよりは楽です。
ツモ損なしのMJルールなどにも対応していますが、これは天鳳の三鳳卓の牌譜解析を元に失点得点の期待値などをMJ向けに計算し直したもので、概ね納得できるもの。
abantes天鳳位のコメントも頭でっかち、机上の空論になりがちなデータ戦術論に、アナログな実戦感覚が反映されてバランスが取れています。

三麻みたいなマニアでニッチな層向けにはちょっともったいないくらいですね。
むしろ四麻と同じ戦術で通用することも多くあるので、三麻やらなくても読んだ方がいいです。

朝倉康心「麻雀の失敗学」~レビュー

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Mリーグにかける熱い思い

朝倉康心(ASAPIN)の「麻雀の失敗学」を読みました。
ASAPINの著書は全て読んでいますが今回は満点の出来です。
天鳳からプロへ活動のフィールドを移し、今はMリーガー。
麻雀プロとして、Mリーガーとして生きる覚悟を感じました。
今回はMリーグの対戦中に起きた失敗を振り返り、反省するという内容ですが、失敗の内容もこんなのが失敗のうちに入るのかと驚く内容もあれば、まぁミスかもなぁと僕から見ても思う内容もあり、凡ミスとしか言い様がないようなものもあり、人間らしさを感じるとともに、プロとして厳しいプレッシャーや自分に期待するハードルの大きさを感じるものでした。
朝倉が日々悩み、もがき、反省しながらプロとして、Mリーガーとして生き抜こうとする様子が描かれています。
Mリーグにかける熱い思い、それが伝わる内容です。
その熱こそが本書の最大の魅力であり、これから朝倉がどうなっていくのか、Mリーグはどうなっていくのか、そこに目を向けずにはいられなくなるでしょう。
戦術的な内容が理解できるかどうかに関係なく、もうその熱だけでも面白いです。

上級者に通用する戦術

ただ、戦術的にも参考になるものがありました。
内容的には上級者向けですが、Mリーグは赤入り麻雀ということもあり、天鳳などでも通用しそうな戦術も多く書かれてあります。
しかし朝倉は天鳳鳳凰卓でずっと打っていたからか、Mリーグにフィールドを移して麻雀の質の違いに戸惑うところが見受けられます。
具体的には鳳凰卓よりMリーグの方が守備的な打ち手が多く、絞りがきついようです。
鳳凰卓もたいがい守備的過ぎてうんざりしてくるんですが、あれよりきついというのは想像がつきませんね。
そのへんも興味深く読んでいました。

今回は内容的には要するに牌譜検討です。
意外と今まで朝倉が書いていなかった内容です。
私も今まで朝倉(ASAPIN)の牌譜はたくさん見ました。
しかしASAPINの打牌はけっこう独特なところもあり、天才的で凡人から見ると理解しにくいところがあります。
牌譜を見ていても何故こういう打牌になるのかさっぱりよくわからない、見当もつかないということはあります。
Mリーグも同様でしょう。
解説者が打ち手の気持ちを忖度して、打牌の理由を推測するのですが、それが正しい保障はまったくありません。
これはMリーグを見ていてもよくわからないことです。
だから本人自身がこういう著書の中で解説することに価値があるのです。

今回は少しだけ朝倉(ASAPIN)の思考の一端を覗くことが出来ました。
やはり凡人には考えも付かない、とんでもないことを考えているなと思いました。
例えば平和ドラドラ1巡ツモ切りリーチなど、もし牌譜やMリーグの対局を見ていて目撃したとしたらうっかりミスにしか見えないでしょう。
どんなに考えても、誰が見ても思考を推測するのは不可能だったと思います。

牌譜検討と言っても失敗だけに注目し、反省するという内容なのですが、その失敗にいたるまでのプロセスや思考が詳細に書かれています。
それがまた参考になる内容で極端な話、結果はどうでも良いのです。
結果こそ失敗に終わったとはいえ、ほんの少し場況や状況が変われば正解に変わっていた可能性もあります。
選択は間違いであったと結論付けていても、そこに至るまでのプロセス、思考は鋭く研ぎ澄まされたものがあり、場況を的確に捉えて打牌に反映させようとしています。
その過程を見るだけでも充分なのです。

Mリーグに興味を持たせる内容

全体的にレベルの高い卓でないと通用しない読みの戦術が多く、鳳凰卓においては参考になりそうなものも多いです。
ただMリーグ独特の人読みを使った戦術もあります。
これはMリーグの固定面子と戦う場合においてのみ通用するので参考にならないところもありますが、Mリーグに興味ある人は興味深く読むことが出来るでしょう。
鳳凰卓は人が多すぎて人読みしてる余裕はほとんどないですが、三鳳では僕も人読みを使うことがあるので、なんとなく理解は出来る話でした。
打ち手の性格や傾向を知ると麻雀が面白いものになってきます。
Mリーグの面子やチームメイトの石橋、コバゴーの紹介などもあって、打ち手の性格や傾向を本書から伺い知ることが出来ます。

全体的にMリーグに興味を持たせる内容になっていて、かつ上級者にとっても参考になる戦術が多いです。
この2つを両立していることが何よりポイントが高いですね。

超メンゼン主義麻雀~レビュー

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リツミサンと雀荘戦

リツミサンの「超メンゼン主義麻雀」を読みました。

個人的にリツミサンの麻雀は配信とか牌譜とかでよく見させてもらっていて、自分の麻雀にもすごく影響を受けています。
本書に興味を持ったのもそのためです。
昔は雀荘戦でもよく当たったし、当時から既に天鳳段位戦で結果を残しておられましたが、雀荘戦においても収支、順位、レート全てにおいてずば抜けているところがありました。
ちなみに本書のコラムで登場する真鱈さんや奈落の王さんも雀荘戦でよく対戦した面子です。
彼らは恐ろしく強く、鳳凰クラスの麻雀というものはどんなものかということを身を持って教えていただきました。
鳳凰卓を知らない僕にとってそれは衝撃的で、他の誰に感じたこともない、とてつもない威圧感を感じたのです。
その頃から人読みをする癖もつきました。
無数の得体の知れない相手と対戦する特上卓などと違って、雀荘戦の面子は固定的で自分の麻雀の幅を広げました。
この人は次にどんなことをしてくるだろうかと予想しながら打つことを覚えましたから。

リアリズムの面前派

なのでリツミサンがどういう麻雀を打つ人なのかもよく知っています。
まず、面前派と言っても異色だとか、変わった麻雀を打つ人だとかそういうことはありません。
たしかに天鳳では珍しい面前派なのですが、そもそも麻雀プロを見ると面前派はゴロゴロしていますし、従来から天鳳打ちの方が鳴きすぎで異常なところもあるんです。
その麻雀プロの面前派のようなイメージで見ると肩透かしを食らうかもしれません。
従来の面前派の麻雀プロといえば手役派ばかりで良く言えばロマンを追求している、悪く言えば夢見がちなところがあるでしょうか。
これはもちろん天鳳と違って短期決戦なので爆発力が必要とか、トップが偉いので打点が必要とか、その方が見栄えがするとかいろいろ理由があると思います。
リツミサンはもちろん麻雀プロではないんですが、そういった手役派とは一線を画したスタイルを確立していて、中~高打点、好形和了りを目指すタイプであり、押し引きに関しても押し過ぎず引き過ぎず、どちらかというとリアリズムを追求しているという印象です。
それでいて後手を引いたときの押し返しのセンスなどは凡庸とはとても言い難いものがあります。
決して打点が欲しいだけで面前に拘っているわけではないのです。
その方が柔軟な対応が出来るからというのが大きいと思います。
鳴けば鳴くほどテンパイに近づく反面、ターツ選択の自由がなくなったり、安牌が少ないために押し引きも押し寄りにならざるを得なかったりして、実は面前の方が選択肢は多いんです。

自分も昔は鳴き派だったんですが、成長するに従って面前寄りになってきました。
独自の鳴きで活路を開いている人も中にはいるでしょうが、一般的には鳴き派の方が麻雀は簡単です。
特に牌効率の怪しい初中級者相手にはスピードで圧倒してしまうのが簡単で手っ取り早いと言えます。
しかし上級者相手ではテンパイスピードだけでは太刀打ちできなくなってきます。
その対応の1つの答えが面前を追及することです。

だからこれは上級者向けの内容です。
特に場況とか他家の動向を読むことに重点が置かれているので、上級者相手にしか通用しないところもありますし、読むこと自体もハードルが高いです。
しかし必ずしも面前派である必要はないし、面前派になる必要もないと思います。
実際副露率2割台まで下げるとかなり苦しくなってきます。
4割鳴いてる人はもしかしたら鳴きすぎの可能性があるので、本書を参考にしてもう少しじっくりと腰を据えて麻雀を打ってみるのも良いのではないでしょうか。
実際僕も昔は4割ありました。
その頃からリツミサンの麻雀を見ていますが、あまり違和感はなく、ちょっと真似出来ないなとか、参考にならないなとか思ったことはないです。
言うなれば王道の麻雀と言ってもいいくらいで、他の打ち手に比べてお手本にしやすかったのです。
他の打ち手は鳴きが多すぎて、真似すると不用意に他家と接近しすぎてしまうことがありました。

見るのではなく観ること

難点は立体図が多すぎるということです。
我々は普段麻雀を打ちながら、時間の経過と共に少しずつ場況を把握し、刻一刻と変わる状況にその都度対応しているので、立体図を見ることには慣れていません。
しかも牌の色とか景色で感覚的になんとなく把握しているところがありますから、白黒の立体図はどうしても見難く読んでてしんどいです。
理解できないわけではないですが、理解するのに時間がかかるのは事実ですね。
ただ「場況を見る」ということが本書の最大のテーマのようでありますし、立体図を提示した説明が多くなるのは致し方ないところでしょうか。

全体的に答えがはっきりしていない問題が多く、むしろ答えもはっきりさせない記述が多いので難解な印象を与えるかもしれません。
ジョジョの空条承太郎曰く「見る」のではなく「観る」ことが大事。
つまりよく観察することが大事ってことです。
個人的には曖昧で脆弱な理屈や根拠を元に答えはこうですと言い切られるよりは好印象です。
そもそも答えが分かっていても意味がないのが麻雀です。
本で読んだのと同じ場面は二度とやってきませんから、思考する過程を鍛えないと、実戦で新しく遭遇した場面で答えを自分の力で導き出すことはできないのです。
ですから答えよりも過程に拘る姿勢はよく理解できます。

読む人を選ぶ本だと思います。
麻雀の読みについての記述ばかりですから。
極端な話、読みなんてまったく使わなくても牌効率とベタオリだけ徹底すれば鳳凰卓にはいけるでしょう。
本書はそれ以上のレベルアップを望む人向けです。
ただし実戦で限られた思考時間の中からよく観察し、推測して打牌に結びつけるのは困難を極めるでしょう。
マニアックな麻雀の推理要素が面白いと思える人にも向いています。
ただ必ずしも面前派ではなくてもいいし、面前派を目指さなくてもいいです。
上級者なら麻雀のスタイルは問わずおすすめできます。

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押し引きの教科書を読みました

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福地誠の「押し引きの教科書」を読み終わりました。
コンセプトが”押し引き”ということで、これは今までの麻雀戦術本になかったもので画期的です。
本の前書きにもあるとおり、麻雀のゲームの本質というのは、実は手づくりのゲームではなく、押し引きのゲームなんです。
なのに、巷の麻雀戦術本は手づくりに比重が置かれすぎていて、牌理は得意だけど押し引きはいまいちという、いわゆる量産型デジタル雀士を数多く生み出してきました。
現代麻雀技術論しかり、ウザク何切る本しかり・・・って全部福地さんの出した本なんですけどね(笑)。
これらの牌効率手引き書で麻雀の手づくりを学んでも、実戦の押し引きに正しく反映させないとまるで意味がないというのが麻雀の本質なんです。
そのことに気づかせてくれたというか、ずっと前から抱いていた何切る議論を見ていて感じた違和感のようなものが、この本を読んで払拭されたようなかんじがしますね。

僕も何切る問題をいくつも考えたり解いたりしてますが、いずれも東発のフラットな点棒状況で、捨て牌も無視した上でどうするかということを考えてるだけであって、実際の麻雀で同じ選択をすることなんてほとんどないんですよね。
実際の麻雀では手牌の並びだけではなく、点棒状況や捨て牌、他家の動向など、様々に置かれた状況に対応しながら打牌を選択してます。
いわば何切るは机上の空論みたいなものです。
手牌の組み合わせだけなら、実戦でも同じ組み合わせに遭遇することはそれなりにあるでしょうけど、場況というのは無数にあるので、毎回同じ選択になることはほとんどありません。
なので、必ずしもウザク何切る本の問題が解けなくてもいいし、不正解連発でもいいんです。
その場に応じた打牌選択が出来るなら、それでいいんですから。
実際、何切る問題が苦手で牌理音痴だけど、麻雀は強い人だっています。
それはその場に応じた打牌選択が出来てるから強いわけです。
牌理オタクでもその場に応じた打牌が出来ない人は弱いままです。
この差を分けるのがいわゆる押し引きというものです。

ただ、押し引きというものは、毎回無数に違った状況の中で選択するものであって、一般化、セオリー化するのが難しいんですよね。
麻雀戦術本が牌理偏重化しているのは、これが原因でしょう。
僕は天鳳を打つ前に、極力フラットな状況を想定して、こういう手が来たらこう打つというのを頭に入れておいてから、実戦の場況に応じて修正を加えるという方法を採っています。
いわゆるシミュレーションとか、実戦想定訓練みたいなものです。
なので、何切る問題を解くことや、戦術本を読むことは決して無駄ではありません。
しかしそうではなくて、フラットな軸そのものが存在せず、その場に応じた発想や閃きで柔軟に対応するという人は、このプロセスは必要ないし、対応力そのものが強みで重きを置いているということでしょうから、かえって固定観念を植え付けるということにもなりかねないかもしれません。

それは人それぞれ個性というものがあり、必要なものも違うということでしょう。
しかしそんな僕でも押し引きとか、実戦での対応力というのは、実戦でしか身に付けられません。
これは戦術本にも書いてないですから、実戦で失敗を数多く繰り返して、その都度学習して覚えるしかないのです。
これをある程度、一般化セオリー化して前もって覚えておけば実戦でも対応しやすくなってくるでしょうね。

この本は可能な限り実戦麻雀に近づいた、リアルな麻雀実戦シミュレーションをしてみようという試みです。
そういったコンセプト自体は共感するものがありました。
ただ実際は、こんなものは場況によるとしか思えない問題も多数あります。
実戦で実際に対応してみないとなんとも言えないというか。
やはり実戦でよくありそうな状況を大づかみに想定して考えてみるというのは、難しいと言わざるを得ません。
ウザク何切る本などと比べて全体的に荒削りな印象を受けます。
なんか、答えがどっちでもいいとか、どちらとも言えないとか多くて投げやり(笑)。
それだけ答えを出すのが難しいってことなんでしょうけどね。
ウザク何切る本と比べたら読んでてしんどくもなく、ノリが軽いです。
竹書房の小冊子と似たノリです。
絞りについて解説してくれたのは評価できます。
絞りについては重要な割にどこの戦術書でもほとんど解説されてないですから。
ただそれでもまだ文量が少ないし、役牌の絞りについても解説がないのが少し不満です。
逆に、あえて鳴かせるとか、アシストの戦術は豊富に解説されてます。
僕も何度か福地さんと鳳凰卓で対戦したことがあるんですが、アシストしてるのを何度か見たことあります。
特上卓でアシストなんてまずないし、鳳凰卓でも意外とする人は限られてるんですが、アシストは福地さんの得意技っていうイメージありますね。
今回は編集だけじゃなく著作も自らされてるということで、福地色が濃い内容です。
鳴いた手に対する押し引き戦術も貴重ですね。

いろいろ不満もあって、ダマテンへの対応とか、ケイテン取りの押し引きも書かれてないですし、どう見ても和了れそうに見えないクズ手から安牌抱えて配牌オリ気味に打ったり、そういうのも重要な押し引きのひとつなんですが、そこの記述も足りてないと思いますね。
これさえ読めば押し引きマスターになれるというかんじではないです。
ただ実戦的で役に立つことが書いてあるのもたしかなので、麻雀強くなりたいなら読んでおいた方がいいですね。
戦術書ばかり読んでいると牌理オタクに偏りがちな頭をリフレッシュさせる意味でもいいです。
初心者はまずは押し引きより基本的な手づくりからだと思うので、中級者向けです。
上級者でもけっこう知らない戦術があると思います。

進化するデジタル麻雀を読みました

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石橋伸洋の「進化するデジタル麻雀」を読みました。
内容は超上級者向け
おそらくASAPINの超精緻麻雀や新次元麻雀より上級者向けです。
帯のキャッチコピー通り、この世で最もレベルの高い麻雀戦術書と言えるでしょう。
それだけに役に立つかと言われるとかなり人によると思われます。
中級者程度には難解すぎて何が書かれているのかさっぱり。
上級者でも実戦に反映させるのはかなりハードルが高く、困難になってきます。
そもそも天鳳鳳凰卓上位レベルでも考えないような戦術がこの本には書かれています。
面子も上位レベルの相手を前提とした戦術が多く、天鳳鳳凰民や競技プロ向けの本です。
それと、実戦ではなく牌譜検討向けです。
この本の内容を実戦で実践的に使うのは無理がありすぎです。
まずはこの本の内容を参考にしながら、牌譜検討でじっくり時間をかけながら相手の手を読んでいくトレーニングをしていきます。
それを積み重ねていけばもしかしたら実戦で相手の手を読む余裕も出来てきて、具体的な打牌に反映させることも可能になってくるかもしれません。
間違ってもいきなり実戦で使おうなどとは考えないことです。
いきなり実戦で使おうとしたら、余計なことを考えすぎて成績が落ちる可能性もあります。

そのくらい難しい本ということで、中級者にはもっと他に読むべき本がある気がします。
麻雀のスキルは必ずしも基礎的なことから覚えなくてもいいと思うし、興味深く面白く読めるならこの本から読んだっていいと思いますが、読んでて目眩を覚えるようならこの本はおすすめはしません(笑)。
逆に上級者にはおすすめです。
特に巷の戦術本では内容が凡庸で物足りないとか、とにかくレベルの高い戦術を読みたいという人にはぜひ。

全体を通して麻雀の読みの戦術が中心となっていて、ここまで読みについて詳細に書かれている戦術書も珍しいです。
他家の手はこう読む、あるいは自分の手を相手にこう読ませるなど。
デジタルといいますが、石橋さんのどのへんがデジタルなのか僕にはよくわかりませんね。
従来、デジタルというのは読みを軽視してきたはずなので、デジタルというかんじはしないです。
ただ、デジタルというのはオカルトのアンチテーゼとして生まれた概念なので、従来の曖昧で無根拠なつかみどころのない経験則や主観に頼った読みではなくて、相手の牌理に沿った思考パターンを片っ端から全て列挙していき、可能性を全て考慮した上で残るものを採択していくという、これは極めてロジカルな麻雀、思考法と言えます。
そういう意味ではオカルトの対極にあるものと言えますが、従来の場況や読みといった概念を軽視してきたデジタルの麻雀とも一線を画すものです。
そのあたりが”進化したデジタル”というやつなのかもしれませんが、このデジタルという概念もそろそろどうなのかなという気がします。
これをデジタルと言ってしまうとデジタルの概念が際限なく広がってしまって、何をもってデジタルとするのかよくわからないですね。
いまさらオカルトを信じてる人もあまり居ないだろうし、別に必ずしもデジタルじゃなくていいというのが僕の考えです。
従来のデジタルというイメージを持っている人には、あまりにかけ離れた内容だということは言っておきます。

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この本は前作の「黒いデジタル麻雀」の続編となっています。
こちらもおすすめ。
進化するデジタル~は黒いデジタル~の内容の実戦編のような内容になっていて、黒いデジタル~で書かれている戦術を、具体的にどう実戦に反映していくかということが進化するデジタル~には書かれています。
黒いデジタル~を読んでいると、その流れには感動的なものすら覚えます。
なので出来れば両方読むのがおすすめで、順番的にも黒いデジタル~の方から読むのがおすすめです。

ASAPINのバカ勝ち本を読みました

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ASAPINの「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた」を読みました。
マイナビ本ですが、前作、前々作の2冊がかなり上級者向けだったので今回もそれを期待して買ったところがあります。
今作はそれよりもハードルが少し下がった印象です。
特に強豪の雀ゴロを招いてフリールールの考察も入れているのが大きいでしょう。
ASAPINさんはずっと鳳凰卓や競技ルールで打ってるためか、レベルの高いメンツを相手にすることしか想定してないんじゃないかと感じることが今までは多かったです。
鳳凰卓攻略という面で考えるとそれは都合が良かったんですけどね。
でも一般的にはみんな特上卓やフリー雀荘で打ってるわけで、そういったフィールドではあまり参考になりそうもないなというのが正直なところでした。
しかし今回はそういったフィールドでも通用しそうな戦術が多いです。
バカ勝ちできるっていうのは大げさですけど、充分成績向上にも期待できるんじゃないでしょうか。

この本はASAPINさんが訊き手にまわって、麻雀における一般的なセオリーや、デリケートな判断を要する問題を強豪雀士を招いて検証してみようというコンセプトです。
ASAPINさん自身が知らないことや、わからないことを訊いてみようというわけではなくて、大体このくらいが正解だと思ってるけど、本当のところはどうなんだろうかというのを確かめるために訊いてるわけですね。
その結果、ああやっぱり合ってたんだなと納得するか、ほんの少しズレてたから修正しようとなるか、ASAPINさんは大体どちらかの反応を示すことが多くて、自分の認識が違ってたなんて反応を示すことはなかったです。
しかしそれこそが狙いであって、答えを教えてもらうというよりは、答えの根拠を得るのが目的です。
それは最近流行りの統計データを使って確かめるというようなやり方ではなく、強豪の経験則や研ぎ澄まされたセンスをもって確かめようという、いたってシンプルかつオーソドックスなやり方です。
そもそも大体の正解が分かっていなければ突っ込んだ質問もできず、返ってきた答えの意味がわからないということにもなりかねないので、これはASAPINさんにしか出来ない役回りでしょう。

これは読者にも言えることで、強豪の考え方をもって答えを知るというより、答えを確かめるという読み方が良いでしょう。
自分はこう思ってるけど、強豪の考え方を訊いたら大体合ってたと。
それでも充分だし、違ってたら今一度考え直す機会にもなります。
今作ではASAPINさん含めて回答者4人の意見が割れるということはほとんどありませんでした。
みんな正しい答えが分かっているし、大きく外しては居ないということでしょうね。
これはすっきりしていて良かったと思います。
最近のというか昔からですが、麻雀の戦術本やコラムは複数回答者が違う意見を言い合って、正解を分からなくさせて読者に答えを丸投げしてるのが多いです。
これは書き手として無責任だと思います。
ちゃんと何が正しいか結論を出してから読者に提示するべきです。
そういう意味では、ASAPINさんが強豪に意見を訊いて、自分の考えと擦り合わせた結果、結論はこうだと言い切ってくれているので、そこは書き手として正しい姿勢だし、読むだけの価値があると言えます。

欲を言えばもう少し内容が濃ければ良かったです。
読みやすいのはいいのですが、あっという間に全部読み終えてしまって物足りない感はあります。
他にももっと解いて欲しい問題はありますね。
ダマテンはどこまでケアすればいいのかとか、孤立役牌と孤立19牌はどっちを優先するかとか、役なし良形でダマテンにするのはどんな場面かとか。
1つ1つの問題は良かったので、中級者から上級者までおすすめできるし、読んで損はないと思います。

G・ウザク本を読みました

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G・ウザク「麻雀 傑作「何切る」300選」を読み終わりました。

本書の論評に入る前にまずはいわゆる麻雀の何切るについて、自分なりの考えを述べておきたいと思います。
正直僕は、単発の何切る問題についてじっくり時間をかけて解くという、一般的な何切る的なあり方にさほど意味を感じていません。
意味を感じてないというと語弊があるんですが。
ツイッターのTLでもたまに盛り上がってることがあるんですが、そんな問題に限って回答候補の期待値が微差で、名立たる強者どうしですら意見が分かれることもあります。
一日中、場合によっては数日にわたって盛り上がりが続いていることもありますが、数多くの人が回答して、議論を交し合っても結局答えなんて出ないんです。
答えがわからないからもやもやしたまま終わってしまい、何を学んだのかもわからず、次第に忘れていきます。
それまでの回答を導くまでのプロセスに決して意味がないとは思わないですが、こういうのはほどほどに付き合うくらいでいいと思います。
簡単な問題なら確認程度でいいですし。
難しい問題もその場で答えが出ることはまれなので、ほどほどに切り上げましょう。
たった一問にそこまでしつこく時間をかけてやる必要があるのかな?と僕は思ってしまいます。
ましてや議論に熱くなって罵り合いとか不毛以外のなにものでもないです。

むしろこういう何切る問題はまとめてやるのがいいんですよね。
スポーツ新聞のコラムにせよ、ツイッターにせよ、麻雀ブログにせよ、何切る問題は単発でしか提示されません。
これは学習効率としてはよくないし、息抜き程度の娯楽にしかならないと思うんです。
人によって問題の合う合わないが出てくるし、(その人にとって)簡単な問題をしつこく検証しても意味がないので。
これをまとめて大量に解くことで自分の苦手な分野が発掘されていきます。
わからない問題は後から読み返して検証することもできます。
これは、埋もれてしまったTLや、大量に保存したSS画像から掘り返すよりずっと簡単で便利です。
紙媒体にこんな利便性があるとは最近まで気づきませんでした。
誰かがこういう何切るをまとめて本にしてくれるといいんですよね。

そこでこの本の出番です。
集めに集めたり300問。
普通は何切るって単発なんで、1日に1問程度しか解きません。
それを300問も解くっていうんですから正気の沙汰ではないです。
これは学習効率が良いだろうなと思って読んでみたんですが、やってみたらしんどいのなんのって(笑)。
僕は2日か3日で全部読み終わりましたが、一日30問程度に留めるのが無難でおすすめですね。
福地さんはこういう学習参考書っぽいつくりが得意ですね。
天鳳攻略本が出たときは、こんなの全然攻略本じゃない!って散々こきおろしたんですが。
これも読んでて楽じゃないですが、必ず役に立つはずです。

内容は難しいものの、回答も曖昧にはならない問題が多く、実戦的です。
ただ、これは現麻にも言えることですが、牌姿を詰め込みすぎて解説がシンプル、悪く言えば説明不足です。
そのため読んでてしんどいです。
こういうところが不満であれば、もうちょっと簡単で読みやすい親切設計な矢島本「これで勝てる麻雀攻めの常識100」をおすすめします。

コバゴーの「スーパーデジタル麻雀」を読みました

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小林剛「スーパーデジタル麻雀」読み終わりました。
僕は麻雀プロにあまり興味がないのですが、コバゴーは注目している麻雀プロの一人で、打ち筋を参考にしていました。
ニコニコの牌譜検討放送や、天鳳名人戦での戦いぶりを見てきた印象としては、なんかいつも迷彩がかかったいい待ちで張ってるなとか、字牌をよく抱えてるなとか、フリテンターツをよく残してるなとか、スーパーデジタルという割に機械に弱いなとか、そんな印象であります。
特に迷彩に関しては謎が多く、意識せず自然な手順でそうなっているのか、狙ってやっているのか疑問が多く、興味があり、そのあたりを本に出して解明してくれないかとずっと思ってました。
これは待望の1冊です。
実際本を読んでみたらイメージ通りというか、なんというかイメージ以上にコバゴーしてるなってかんじでした。
フリテンなんか何故か8つの章のうちのひとつに数えられてますからね。
どれほどフリテンに拘ってるのかが分かるというものです。

迷彩に関しても期待以上のものが得られました。
この本を読んでわかったのは、コバゴーはトイツフォローの先切りを多用するので、ソバテンにならず、自然と迷彩がかかったよくわからない良い待ちになることが多いということ。
場況をよく見ていて、他家が使えなさそうな待ちをつくりにいってるということ。
自分の捨て牌が他家にどう見えるか常に気を使っていて、狙ってひっかかりそうな待ちを意識してつくってるということ。
これら全ての意識が合わさって、いつもいい待ちになってる、迷彩がかかってるという見たものの印象に繋がってるんだと思います。

内容は基本的なことから高度なことまで幅広く、初心者から上級者まで楽しめるものとなっています。
非常に素晴らしい出来です。
特に高度なことでも読者に分かりやすく、興味を持たせる内容になっていて、このあたりには感心させられました。
途中に挟まれているコラムを読んでも、麻雀解説者として言葉に対する拘りが尋常ではなく、いかに曖昧にせず、聞き手にわかりやすく麻雀の面白さを伝えるかということを常に考えていて、プロ意識の高さを感じます。
この言葉に対する拘りが本の出来にも繋がっているのでしょう。
麻雀のみならず人間としても尊敬できると思いました。

僕が個人的にもっとも影響を受けたのがp36やp86です。
これは本を読んでからではなく、ずっと以前から見よう見まねでやってきました。
参考記事→トイツフォローの先切りコバゴースタイル

特に鳴き手でトイツフォローの先切りをするという発想はなかなか出てきません。
僕も最近はずっと役牌はほぼ1鳴きを貫いてます。
以前はバラバラの手からは鳴かないようにしてたんですよ。
でもそれだとあまりにも攻撃力が落ちるんですよね。
残り1枚の役牌に頼るような手になってしまうので。
そこでバラバラの手でも役牌だけはとりあえず鳴いて、そこからは必要以上に鳴かず、安牌も溜めながら手を進めるということにしたら攻守のバランスが取れてしっくりきたんです。
これはまぎれもなくコバゴーの影響であります。
ただこれは本で読んでも地味な印象を受けるので、あまりピンとこないかもしれません。
実際にやってみなければ効果のほどは実感できないと思います。
手なりで手を進めてるのに比べて格段に放銃率が下がって、意外と和了率も下がらないのが実感できると思います。
手なりで手を進めてるとソバテンになったりして、待ちがバレバレになりやすいからです。
これは上級者相手に特に有効です。

全体的にこの本の戦術は上級者相手に通用する戦術が多いです。
フリテンに関してもそうです。
上級者相手では出和了りがなかなか期待できないので、相対的にツモ専のフリテンの価値が上がります。
どうせ出ないのならフリテンだろうがそうでなかろうが関係ないというわけです。
迷彩も河をよく見てくる上級者相手だからこそ通用する戦術です。
上級者相手に通じる読みに関しても他の戦術本にはない充実ぶりとなっています。

したがって天鳳の鳳凰卓においても役に立つ内容だと言えます。
コバゴーは天鳳名人戦でも天鳳位相手に天鳳に準じたルールで戦って連覇を勝ち取っているわけで、これは必ずしも偶然とは思えません。
天鳳でも通用する引き出しを持っていると言えるでしょう。

天鳳公式完全攻略読本~感想

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いまさらながら、「天鳳公式完全攻略読本」通称天鳳本についての感想を書きたいと思います。
実はだいぶ前に読み終わっていたのですが、正直内容がいまいちだと思って書くつもりはなかったのです。
でも時間が経つにつれてどうにも書きたい衝動が抑えられなくなってきました。
率直に不満も含めて書きます。
不快に思われる方はあらかじめご了承ください。

まず、以前にASAPIN本を読んだときに、これは天鳳鳳凰卓向けの本だな、鳳凰卓攻略本といってもいい内容だなと感想を述べたのですが、そのときにいっそのこと裾野を特上卓や天鳳全体にも広げて、公式的に天鳳攻略本として売り出せばいいんじゃないかなんてこともうっすらと思ってました。
天鳳攻略本というコンセプトで売り出すというのは、いいところに目をつけられたなと思いますね。

僕もゲームの攻略本は大好きでした。
最近はめっきりやらなくなりましたが、昔はFF、ドラクエなどのロールプレイングゲームはよくやってました。
そのときに必ず攻略本をセットで買って、攻略本を片手にプレイするのが僕のスタイルでした。
ゲームソフト単体でプレイすることはありえません。
やるからには拾えるアイテムからイベントから全てかき集めてやりこまないと気がすまないので。
本にしおりを挟んでゲームプレイ中に何度も開いてマップを確認したり、知らないアイテムやモンスターに遭遇するたびに何度も開いてデータを確認したり。
このフロアのどこにアイテムが落ちてるのか、このモンスターの弱点はなんなんだ、この武器の特性はなんだとか、それをいちいち確認するわけですね。
ゲームをプレイする前にも攻略本を読み込んで、この後どういう展開になるのか、予習したりもしましたね。
そのくらい読み込んで、そのゲームがクリアし終わる頃には本はボロボロになってました。
正直、ゲームを攻略するために攻略本を読むんじゃなくて、ゲーム攻略本を楽しむためにゲームをプレイしてるんじゃないかと思えるほどです。
本末転倒ですね。

そんなゲーム攻略本マニアの僕から見て、この本は全然攻略本の内容じゃありません。
おそらく福地さんもネマタさんもゲーム攻略本を読む習慣がないんじゃないですかね?
どう見ても内容が学習参考書なんですよね。
ゲーム攻略本を読んでいるとき特有のワクワク感がないです。
途中で何度も問題集的なページが挟んでありますが、あれが良くないですね。
塾でお勉強させられてる気がしてしまう。
ゲームはお勉強から逃避するための存在であり、お勉強とゲームはまったく間逆のベクトルを向いた存在です。
攻略本と参考書も水と火くらい属性が間逆です。
また上卓攻略編、特上攻略編と銘打ってページが割かれていますが、内容は完全に牌効率育成メソッドでしかなくて、たしかに雀力向上には役に立つんだけど、天鳳というステージを攻略するためのノウハウみたいなものはありません。
なんていうんでしょうね。
攻略本でいうと、このステージのこのボスはこういう弱点を持っていて、こういう属性の武器を揃えれば勝てるとか、そういう具体的で効果的な攻略法が書かれてないんです。
書いてある内容は、ひたすら雑魚モンスターとエンカウント繰り返して、経験値ゴールド稼いで、レベル上げて装備を整えろってな内容です。
そりゃあレベル稼ぎをやればボスは倒せるし、ゲームはクリアできるでしょう。
でも、それって僕的なゲームの楽しみ方からすれば邪道なんです。
ギリギリのレベルでボスと対峙して、持てるスキルと装備を効果的に使いこなして倒すことがゲーマー的には一番楽しいわけなのです。

例えば特上卓の攻略法で言うと、特上卓は他家のテンパイスピードが速い場所で、平均打点はそんなに高くなくて、リーチのケアはしっかりしてきて、鳴きのケアは甘いという特徴があります。
よって、染め手などの高い打点の鳴きで他家の点棒を奪って、自分は逆に鳴きのケアをしっかりすることで他者との実力の差を埋められます。
このステージにおける敵の弱点は何か。
その弱点を突ける武器やスキルはどういったものか。
そこが一番攻略本を手に取った読者が知りたいところだと思うんです。

そんなわけでどうにもこの本の内容は好きになれません。
攻略本として見たときに、コレジャナイ感がハンパではないです。
ASAPIN本の方がよほど攻略本的な内容に思えますが、それはASAPINさんがコアなゲーマーだからでしょうね。
ゲーマー気質をよく分かってらっしゃると思います。

ただ、この本は後半から一変して面白い内容になってます。
鳳凰卓攻略編などはそのステージにおける具体的な攻略法、効果的なスキルについて天鳳位が語ってます。
4章の段位押し引き表も面白いです。
天鳳特有のpt配分に対応するための具体的な押し引き基準が書かれているのです。
これこそが攻略本的な内容です。
良いところもあるだけに不満も募ります。
前半の内容は現麻でやればいいと思います。
あれはもともと学習参考書なので。

神速の麻雀 堀内システム51~感想

Medium

「神速の麻雀 堀内システム51」通称堀内本、読み終わりました。
これは良い出来です。
近年の麻雀戦術本の中でも最高の出来ではないでしょうか。
アサピン本は2冊とも上級者、鳳凰民向けですし、現麻技術編は中級者向けだけど文章が読みづらく、現麻実戦編はレアケースの何切る問題集なので基礎は身に付かないし、科学する麻雀は内容が古くなっているし、というそれぞれに欠点がありました。
中級者や特上民向けにわかりやすく、基礎が学べる本がこれからの麻雀界に必要なのではないかとずっと思っていました。
その点でも最適な教材と言っていいと思います。
わかりやすく、読みやすく、実践的です。

第一章の手順編では特に重要なことが書かれています。
要約すると、字牌から切ってぶくぶくに構えろ、手役は狙うな手なりで打てみたいなことですが、これを徹底するだけでもかなり違うのではないでしょうか。
というのは最近、上卓や雀荘戦打っていて気付いたのですが、弱い人ほど無駄に字牌を抱えたり、無理な手役狙いが多いことがわかったのです。
弱い人の捨て牌は中張牌が序盤からバタバタ切られていくので、捨て牌を見れば大体その人の実力が分かってしまいます。
いつ見ても派手な捨て牌をつくっている人は間違いなく弱い人です。
鳳凰卓ではまずそんな人は見かけません。
序盤から派手な捨て牌をつくっている他家がいるときは、手が速いことが多いですね。
チートイ、チャンタ系の手役狙いもありますが、それはまれです。
初級者から中級レベルに上がるためのハードルがまずそこにあります。
無駄に字牌を抱えずに手なりで打つこと。
ここが大事だと気付けるかどうかですね。
特上民はさすがに気付いている人が大半だと思いますが、徹底は出来てない人が多いかもしれません。
どうしても字牌残して意外と必要な19牌を切ってしまったりするんじゃないでしょうか。
これは意外と今まで誰も言ってなかったことで、どこの戦術本にも書かれてないことでした。
もしみんながこのことに気付き出したら大変ですね。
カモが居なくなっちゃうかもしれません。
それくらい重要なことと言っても過言ではありません。

第二章のリーチ編ではどんなときにリーチをかけるか、他家のリーチ対してどこまで押せるかなどが統計データを使って詳細に書かれています。
これを読めば大まかにはあらゆる状況でのリーチの押し引きが掴める内容です。
中級者には大変参考になりますが、上級者にとっては大体ほとんど理解している内容というか、経験的に分かっていることがほとんどです。
終盤の地獄単騎はションパイ待ちより強いとかも、気付いてる人はちゃんと気付いてるでしょう。
それでもこのような形で統計データを使って根拠を示されると、説得力が違うというか、自分の判断に自信が持てますね。
ただ、役あり5200・8000(7700・12000)のリーチ判断については異論も残ります。
リーチの方が収支で勝るというのはわかりますが、和了率と放銃率が変わってくるので、多少打点の期待値を下げても天鳳の場合、ダマにした方がいいケースというのは多くなってくると思います。
僕はダマを推します。
確実に満貫クラスの手を和了っておけば、かなりラス回避は確実になりますし、追っかけリーチを警戒して、放銃率と放銃打点を下げておけばこれもラス回避に繋がります。
これは意見の分かれるところです。

第三章の鳴き編は堀内氏の著書である「麒麟児の一打」という本に書かれていた内容と重複するものがほとんどです。
僕はその本を読んでいるので、今更何も感じませんが、読んでない人にとってはこんな鳴きがあったのかと驚く内容でしょう。
何故か、この章だけハードルが上がっている印象です。
第一章や第二章は基礎レベルだったけど、第三章は上級者向けの内容ですね。
1つ言えることは、ここで書かれているようなシャンテンの変わらない鳴きというのは、ドラ3枚の手だったり、オーラスでスピード勝負の場面で有効になる鳴きなので、普段からこんな鳴きばっかりしてたらだめです。
命がいくらあっても足りません。
そのへんは勘違いが起きそうな心配があります。
逆に言えば鳳凰民でも役に立ちそうな内容ではあります。
普段から安牌を意識しすぎて、いざというときにこういう鳴きは躊躇してしまいますね。

第四章のオリ編では文字通り、ベタオリにスポットを当てた内容で、リーチからのベタオリ判断だけではなく、鳴きに対するオリ判断なども盛り込まれています。
豊富な統計データと確率論を基にして判断基準がつくられています。
これを読めばかなり精度の高い押し引き判断が身に付きそうです。
上級者でも統計データを基に精度を上げたり、自信をつけたりするのにいいのではないでしょうか。

全体的に中級者から上級者まで広範囲におすすめ出来る内容です。
特に中級者、特上民は絶対読んだ方がいいです。
とても良い出来だと思います。

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