押し引きの教科書を読みました

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福地誠の「押し引きの教科書」を読み終わりました。
コンセプトが”押し引き”ということで、これは今までの麻雀戦術本になかったもので画期的です。
本の前書きにもあるとおり、麻雀のゲームの本質というのは、実は手づくりのゲームではなく、押し引きのゲームなんです。
なのに、巷の麻雀戦術本は手づくりに比重が置かれすぎていて、牌理は得意だけど押し引きはいまいちという、いわゆる量産型デジタル雀士を数多く生み出してきました。
現代麻雀技術論しかり、ウザク何切る本しかり・・・って全部福地さんの出した本なんですけどね(笑)。
これらの牌効率手引き書で麻雀の手づくりを学んでも、実戦の押し引きに正しく反映させないとまるで意味がないというのが麻雀の本質なんです。
そのことに気づかせてくれたというか、ずっと前から抱いていた何切る議論を見ていて感じた違和感のようなものが、この本を読んで払拭されたようなかんじがしますね。

僕も何切る問題をいくつも考えたり解いたりしてますが、いずれも東発のフラットな点棒状況で、捨て牌も無視した上でどうするかということを考えてるだけであって、実際の麻雀で同じ選択をすることなんてほとんどないんですよね。
実際の麻雀では手牌の並びだけではなく、点棒状況や捨て牌、他家の動向など、様々に置かれた状況に対応しながら打牌を選択してます。
いわば何切るは机上の空論みたいなものです。
手牌の組み合わせだけなら、実戦でも同じ組み合わせに遭遇することはそれなりにあるでしょうけど、場況というのは無数にあるので、毎回同じ選択になることはほとんどありません。
なので、必ずしもウザク何切る本の問題が解けなくてもいいし、不正解連発でもいいんです。
その場に応じた打牌選択が出来るなら、それでいいんですから。
実際、何切る問題が苦手で牌理音痴だけど、麻雀は強い人だっています。
それはその場に応じた打牌選択が出来てるから強いわけです。
牌理オタクでもその場に応じた打牌が出来ない人は弱いままです。
この差を分けるのがいわゆる押し引きというものです。

ただ、押し引きというものは、毎回無数に違った状況の中で選択するものであって、一般化、セオリー化するのが難しいんですよね。
麻雀戦術本が牌理偏重化しているのは、これが原因でしょう。
僕は天鳳を打つ前に、極力フラットな状況を想定して、こういう手が来たらこう打つというのを頭に入れておいてから、実戦の場況に応じて修正を加えるという方法を採っています。
いわゆるシミュレーションとか、実戦想定訓練みたいなものです。
なので、何切る問題を解くことや、戦術本を読むことは決して無駄ではありません。
しかしそうではなくて、フラットな軸そのものが存在せず、その場に応じた発想や閃きで柔軟に対応するという人は、このプロセスは必要ないし、対応力そのものが強みで重きを置いているということでしょうから、かえって固定観念を植え付けるということにもなりかねないかもしれません。

それは人それぞれ個性というものがあり、必要なものも違うということでしょう。
しかしそんな僕でも押し引きとか、実戦での対応力というのは、実戦でしか身に付けられません。
これは戦術本にも書いてないですから、実戦で失敗を数多く繰り返して、その都度学習して覚えるしかないのです。
これをある程度、一般化セオリー化して前もって覚えておけば実戦でも対応しやすくなってくるでしょうね。

この本は可能な限り実戦麻雀に近づいた、リアルな麻雀実戦シミュレーションをしてみようという試みです。
そういったコンセプト自体は共感するものがありました。
ただ実際は、こんなものは場況によるとしか思えない問題も多数あります。
実戦で実際に対応してみないとなんとも言えないというか。
やはり実戦でよくありそうな状況を大づかみに想定して考えてみるというのは、難しいと言わざるを得ません。
ウザク何切る本などと比べて全体的に荒削りな印象を受けます。
なんか、答えがどっちでもいいとか、どちらとも言えないとか多くて投げやり(笑)。
それだけ答えを出すのが難しいってことなんでしょうけどね。
ウザク何切る本と比べたら読んでてしんどくもなく、ノリが軽いです。
竹書房の小冊子と似たノリです。
絞りについて解説してくれたのは評価できます。
絞りについては重要な割にどこの戦術書でもほとんど解説されてないですから。
ただそれでもまだ文量が少ないし、役牌の絞りについても解説がないのが少し不満です。
逆に、あえて鳴かせるとか、アシストの戦術は豊富に解説されてます。
僕も何度か福地さんと鳳凰卓で対戦したことがあるんですが、アシストしてるのを何度か見たことあります。
特上卓でアシストなんてまずないし、鳳凰卓でも意外とする人は限られてるんですが、アシストは福地さんの得意技っていうイメージありますね。
今回は編集だけじゃなく著作も自らされてるということで、福地色が濃い内容です。
鳴いた手に対する押し引き戦術も貴重ですね。

いろいろ不満もあって、ダマテンへの対応とか、ケイテン取りの押し引きも書かれてないですし、どう見ても和了れそうに見えないクズ手から安牌抱えて配牌オリ気味に打ったり、そういうのも重要な押し引きのひとつなんですが、そこの記述も足りてないと思いますね。
これさえ読めば押し引きマスターになれるというかんじではないです。
ただ実戦的で役に立つことが書いてあるのもたしかなので、麻雀強くなりたいなら読んでおいた方がいいですね。
戦術書ばかり読んでいると牌理オタクに偏りがちな頭をリフレッシュさせる意味でもいいです。
初心者はまずは押し引きより基本的な手づくりからだと思うので、中級者向けです。
上級者でもけっこう知らない戦術があると思います。

進化するデジタル麻雀を読みました

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石橋伸洋の「進化するデジタル麻雀」を読みました。
内容は超上級者向け
おそらくASAPINの超精緻麻雀や新次元麻雀より上級者向けです。
帯のキャッチコピー通り、この世で最もレベルの高い麻雀戦術書と言えるでしょう。
それだけに役に立つかと言われるとかなり人によると思われます。
中級者程度には難解すぎて何が書かれているのかさっぱり。
上級者でも実戦に反映させるのはかなりハードルが高く、困難になってきます。
そもそも天鳳鳳凰卓上位レベルでも考えないような戦術がこの本には書かれています。
面子も上位レベルの相手を前提とした戦術が多く、天鳳鳳凰民や競技プロ向けの本です。
それと、実戦ではなく牌譜検討向けです。
この本の内容を実戦で実践的に使うのは無理がありすぎです。
まずはこの本の内容を参考にしながら、牌譜検討でじっくり時間をかけながら相手の手を読んでいくトレーニングをしていきます。
それを積み重ねていけばもしかしたら実戦で相手の手を読む余裕も出来てきて、具体的な打牌に反映させることも可能になってくるかもしれません。
間違ってもいきなり実戦で使おうなどとは考えないことです。
いきなり実戦で使おうとしたら、余計なことを考えすぎて成績が落ちる可能性もあります。

そのくらい難しい本ということで、中級者にはもっと他に読むべき本がある気がします。
麻雀のスキルは必ずしも基礎的なことから覚えなくてもいいと思うし、興味深く面白く読めるならこの本から読んだっていいと思いますが、読んでて目眩を覚えるようならこの本はおすすめはしません(笑)。
逆に上級者にはおすすめです。
特に巷の戦術本では内容が凡庸で物足りないとか、とにかくレベルの高い戦術を読みたいという人にはぜひ。

全体を通して麻雀の読みの戦術が中心となっていて、ここまで読みについて詳細に書かれている戦術書も珍しいです。
他家の手はこう読む、あるいは自分の手を相手にこう読ませるなど。
デジタルといいますが、石橋さんのどのへんがデジタルなのか僕にはよくわかりませんね。
従来、デジタルというのは読みを軽視してきたはずなので、デジタルというかんじはしないです。
ただ、デジタルというのはオカルトのアンチテーゼとして生まれた概念なので、従来の曖昧で無根拠なつかみどころのない経験則や主観に頼った読みではなくて、相手の牌理に沿った思考パターンを片っ端から全て列挙していき、可能性を全て考慮した上で残るものを採択していくという、これは極めてロジカルな麻雀、思考法と言えます。
そういう意味ではオカルトの対極にあるものと言えますが、従来の場況や読みといった概念を軽視してきたデジタルの麻雀とも一線を画すものです。
そのあたりが”進化したデジタル”というやつなのかもしれませんが、このデジタルという概念もそろそろどうなのかなという気がします。
これをデジタルと言ってしまうとデジタルの概念が際限なく広がってしまって、何をもってデジタルとするのかよくわからないですね。
いまさらオカルトを信じてる人もあまり居ないだろうし、別に必ずしもデジタルじゃなくていいというのが僕の考えです。
従来のデジタルというイメージを持っている人には、あまりにかけ離れた内容だということは言っておきます。

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この本は前作の「黒いデジタル麻雀」の続編となっています。
こちらもおすすめ。
進化するデジタル~は黒いデジタル~の内容の実戦編のような内容になっていて、黒いデジタル~で書かれている戦術を、具体的にどう実戦に反映していくかということが進化するデジタル~には書かれています。
黒いデジタル~を読んでいると、その流れには感動的なものすら覚えます。
なので出来れば両方読むのがおすすめで、順番的にも黒いデジタル~の方から読むのがおすすめです。

ASAPINのバカ勝ち本を読みました

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ASAPINの「天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた」を読みました。
マイナビ本ですが、前作、前々作の2冊がかなり上級者向けだったので今回もそれを期待して買ったところがあります。
今作はそれよりもハードルが少し下がった印象です。
特に強豪の雀ゴロを招いてフリールールの考察も入れているのが大きいでしょう。
ASAPINさんはずっと鳳凰卓や競技ルールで打ってるためか、レベルの高いメンツを相手にすることしか想定してないんじゃないかと感じることが今までは多かったです。
鳳凰卓攻略という面で考えるとそれは都合が良かったんですけどね。
でも一般的にはみんな特上卓やフリー雀荘で打ってるわけで、そういったフィールドではあまり参考になりそうもないなというのが正直なところでした。
しかし今回はそういったフィールドでも通用しそうな戦術が多いです。
バカ勝ちできるっていうのは大げさですけど、充分成績向上にも期待できるんじゃないでしょうか。

この本はASAPINさんが訊き手にまわって、麻雀における一般的なセオリーや、デリケートな判断を要する問題を強豪雀士を招いて検証してみようというコンセプトです。
ASAPINさん自身が知らないことや、わからないことを訊いてみようというわけではなくて、大体このくらいが正解だと思ってるけど、本当のところはどうなんだろうかというのを確かめるために訊いてるわけですね。
その結果、ああやっぱり合ってたんだなと納得するか、ほんの少しズレてたから修正しようとなるか、ASAPINさんは大体どちらかの反応を示すことが多くて、自分の認識が違ってたなんて反応を示すことはなかったです。
しかしそれこそが狙いであって、答えを教えてもらうというよりは、答えの根拠を得るのが目的です。
それは最近流行りの統計データを使って確かめるというようなやり方ではなく、強豪の経験則や研ぎ澄まされたセンスをもって確かめようという、いたってシンプルかつオーソドックスなやり方です。
そもそも大体の正解が分かっていなければ突っ込んだ質問もできず、返ってきた答えの意味がわからないということにもなりかねないので、これはASAPINさんにしか出来ない役回りでしょう。

これは読者にも言えることで、強豪の考え方をもって答えを知るというより、答えを確かめるという読み方が良いでしょう。
自分はこう思ってるけど、強豪の考え方を訊いたら大体合ってたと。
それでも充分だし、違ってたら今一度考え直す機会にもなります。
今作ではASAPINさん含めて回答者4人の意見が割れるということはほとんどありませんでした。
みんな正しい答えが分かっているし、大きく外しては居ないということでしょうね。
これはすっきりしていて良かったと思います。
最近のというか昔からですが、麻雀の戦術本やコラムは複数回答者が違う意見を言い合って、正解を分からなくさせて読者に答えを丸投げしてるのが多いです。
これは書き手として無責任だと思います。
ちゃんと何が正しいか結論を出してから読者に提示するべきです。
そういう意味では、ASAPINさんが強豪に意見を訊いて、自分の考えと擦り合わせた結果、結論はこうだと言い切ってくれているので、そこは書き手として正しい姿勢だし、読むだけの価値があると言えます。

欲を言えばもう少し内容が濃ければ良かったです。
読みやすいのはいいのですが、あっという間に全部読み終えてしまって物足りない感はあります。
他にももっと解いて欲しい問題はありますね。
ダマテンはどこまでケアすればいいのかとか、孤立役牌と孤立19牌はどっちを優先するかとか、役なし良形でダマテンにするのはどんな場面かとか。
1つ1つの問題は良かったので、中級者から上級者までおすすめできるし、読んで損はないと思います。

G・ウザク本を読みました

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G・ウザク「麻雀 傑作「何切る」300選」を読み終わりました。

本書の論評に入る前にまずはいわゆる麻雀の何切るについて、自分なりの考えを述べておきたいと思います。
正直僕は、単発の何切る問題についてじっくり時間をかけて解くという、一般的な何切る的なあり方にさほど意味を感じていません。
意味を感じてないというと語弊があるんですが。
ツイッターのTLでもたまに盛り上がってることがあるんですが、そんな問題に限って回答候補の期待値が微差で、名立たる強者どうしですら意見が分かれることもあります。
一日中、場合によっては数日にわたって盛り上がりが続いていることもありますが、数多くの人が回答して、議論を交し合っても結局答えなんて出ないんです。
答えがわからないからもやもやしたまま終わってしまい、何を学んだのかもわからず、次第に忘れていきます。
それまでの回答を導くまでのプロセスに決して意味がないとは思わないですが、こういうのはほどほどに付き合うくらいでいいと思います。
簡単な問題なら確認程度でいいですし。
難しい問題もその場で答えが出ることはまれなので、ほどほどに切り上げましょう。
たった一問にそこまでしつこく時間をかけてやる必要があるのかな?と僕は思ってしまいます。
ましてや議論に熱くなって罵り合いとか不毛以外のなにものでもないです。

むしろこういう何切る問題はまとめてやるのがいいんですよね。
スポーツ新聞のコラムにせよ、ツイッターにせよ、麻雀ブログにせよ、何切る問題は単発でしか提示されません。
これは学習効率としてはよくないし、息抜き程度の娯楽にしかならないと思うんです。
人によって問題の合う合わないが出てくるし、(その人にとって)簡単な問題をしつこく検証しても意味がないので。
これをまとめて大量に解くことで自分の苦手な分野が発掘されていきます。
わからない問題は後から読み返して検証することもできます。
これは、埋もれてしまったTLや、大量に保存したSS画像から掘り返すよりずっと簡単で便利です。
紙媒体にこんな利便性があるとは最近まで気づきませんでした。
誰かがこういう何切るをまとめて本にしてくれるといいんですよね。

そこでこの本の出番です。
集めに集めたり300問。
普通は何切るって単発なんで、1日に1問程度しか解きません。
それを300問も解くっていうんですから正気の沙汰ではないです。
これは学習効率が良いだろうなと思って読んでみたんですが、やってみたらしんどいのなんのって(笑)。
僕は2日か3日で全部読み終わりましたが、一日30問程度に留めるのが無難でおすすめですね。
福地さんはこういう学習参考書っぽいつくりが得意ですね。
天鳳攻略本が出たときは、こんなの全然攻略本じゃない!って散々こきおろしたんですが。
これも読んでて楽じゃないですが、必ず役に立つはずです。

内容は難しいものの、回答も曖昧にはならない問題が多く、実戦的です。
ただ、これは現麻にも言えることですが、牌姿を詰め込みすぎて解説がシンプル、悪く言えば説明不足です。
そのため読んでてしんどいです。
こういうところが不満であれば、もうちょっと簡単で読みやすい親切設計な矢島本「これで勝てる麻雀攻めの常識100」をおすすめします。

コバゴーの「スーパーデジタル麻雀」を読みました

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小林剛「スーパーデジタル麻雀」読み終わりました。
僕は麻雀プロにあまり興味がないのですが、コバゴーは注目している麻雀プロの一人で、打ち筋を参考にしていました。
ニコニコの牌譜検討放送や、天鳳名人戦での戦いぶりを見てきた印象としては、なんかいつも迷彩がかかったいい待ちで張ってるなとか、字牌をよく抱えてるなとか、フリテンターツをよく残してるなとか、スーパーデジタルという割に機械に弱いなとか、そんな印象であります。
特に迷彩に関しては謎が多く、意識せず自然な手順でそうなっているのか、狙ってやっているのか疑問が多く、興味があり、そのあたりを本に出して解明してくれないかとずっと思ってました。
これは待望の1冊です。
実際本を読んでみたらイメージ通りというか、なんというかイメージ以上にコバゴーしてるなってかんじでした。
フリテンなんか何故か8つの章のうちのひとつに数えられてますからね。
どれほどフリテンに拘ってるのかが分かるというものです。

迷彩に関しても期待以上のものが得られました。
この本を読んでわかったのは、コバゴーはトイツフォローの先切りを多用するので、ソバテンにならず、自然と迷彩がかかったよくわからない良い待ちになることが多いということ。
場況をよく見ていて、他家が使えなさそうな待ちをつくりにいってるということ。
自分の捨て牌が他家にどう見えるか常に気を使っていて、狙ってひっかかりそうな待ちを意識してつくってるということ。
これら全ての意識が合わさって、いつもいい待ちになってる、迷彩がかかってるという見たものの印象に繋がってるんだと思います。

内容は基本的なことから高度なことまで幅広く、初心者から上級者まで楽しめるものとなっています。
非常に素晴らしい出来です。
特に高度なことでも読者に分かりやすく、興味を持たせる内容になっていて、このあたりには感心させられました。
途中に挟まれているコラムを読んでも、麻雀解説者として言葉に対する拘りが尋常ではなく、いかに曖昧にせず、聞き手にわかりやすく麻雀の面白さを伝えるかということを常に考えていて、プロ意識の高さを感じます。
この言葉に対する拘りが本の出来にも繋がっているのでしょう。
麻雀のみならず人間としても尊敬できると思いました。

僕が個人的にもっとも影響を受けたのがp36やp86です。
これは本を読んでからではなく、ずっと以前から見よう見まねでやってきました。
参考記事→トイツフォローの先切りコバゴースタイル

特に鳴き手でトイツフォローの先切りをするという発想はなかなか出てきません。
僕も最近はずっと役牌はほぼ1鳴きを貫いてます。
以前はバラバラの手からは鳴かないようにしてたんですよ。
でもそれだとあまりにも攻撃力が落ちるんですよね。
残り1枚の役牌に頼るような手になってしまうので。
そこでバラバラの手でも役牌だけはとりあえず鳴いて、そこからは必要以上に鳴かず、安牌も溜めながら手を進めるということにしたら攻守のバランスが取れてしっくりきたんです。
これはまぎれもなくコバゴーの影響であります。
ただこれは本で読んでも地味な印象を受けるので、あまりピンとこないかもしれません。
実際にやってみなければ効果のほどは実感できないと思います。
手なりで手を進めてるのに比べて格段に放銃率が下がって、意外と和了率も下がらないのが実感できると思います。
手なりで手を進めてるとソバテンになったりして、待ちがバレバレになりやすいからです。
これは上級者相手に特に有効です。

全体的にこの本の戦術は上級者相手に通用する戦術が多いです。
フリテンに関してもそうです。
上級者相手では出和了りがなかなか期待できないので、相対的にツモ専のフリテンの価値が上がります。
どうせ出ないのならフリテンだろうがそうでなかろうが関係ないというわけです。
迷彩も河をよく見てくる上級者相手だからこそ通用する戦術です。
上級者相手に通じる読みに関しても他の戦術本にはない充実ぶりとなっています。

したがって天鳳の鳳凰卓においても役に立つ内容だと言えます。
コバゴーは天鳳名人戦でも天鳳位相手に天鳳に準じたルールで戦って連覇を勝ち取っているわけで、これは必ずしも偶然とは思えません。
天鳳でも通用する引き出しを持っていると言えるでしょう。

天鳳公式完全攻略読本~感想

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いまさらながら、「天鳳公式完全攻略読本」通称天鳳本についての感想を書きたいと思います。
実はだいぶ前に読み終わっていたのですが、正直内容がいまいちだと思って書くつもりはなかったのです。
でも時間が経つにつれてどうにも書きたい衝動が抑えられなくなってきました。
率直に不満も含めて書きます。
不快に思われる方はあらかじめご了承ください。

まず、以前にASAPIN本を読んだときに、これは天鳳鳳凰卓向けの本だな、鳳凰卓攻略本といってもいい内容だなと感想を述べたのですが、そのときにいっそのこと裾野を特上卓や天鳳全体にも広げて、公式的に天鳳攻略本として売り出せばいいんじゃないかなんてこともうっすらと思ってました。
天鳳攻略本というコンセプトで売り出すというのは、いいところに目をつけられたなと思いますね。

僕もゲームの攻略本は大好きでした。
最近はめっきりやらなくなりましたが、昔はFF、ドラクエなどのロールプレイングゲームはよくやってました。
そのときに必ず攻略本をセットで買って、攻略本を片手にプレイするのが僕のスタイルでした。
ゲームソフト単体でプレイすることはありえません。
やるからには拾えるアイテムからイベントから全てかき集めてやりこまないと気がすまないので。
本にしおりを挟んでゲームプレイ中に何度も開いてマップを確認したり、知らないアイテムやモンスターに遭遇するたびに何度も開いてデータを確認したり。
このフロアのどこにアイテムが落ちてるのか、このモンスターの弱点はなんなんだ、この武器の特性はなんだとか、それをいちいち確認するわけですね。
ゲームをプレイする前にも攻略本を読み込んで、この後どういう展開になるのか、予習したりもしましたね。
そのくらい読み込んで、そのゲームがクリアし終わる頃には本はボロボロになってました。
正直、ゲームを攻略するために攻略本を読むんじゃなくて、ゲーム攻略本を楽しむためにゲームをプレイしてるんじゃないかと思えるほどです。
本末転倒ですね。

そんなゲーム攻略本マニアの僕から見て、この本は全然攻略本の内容じゃありません。
おそらく福地さんもネマタさんもゲーム攻略本を読む習慣がないんじゃないですかね?
どう見ても内容が学習参考書なんですよね。
ゲーム攻略本を読んでいるとき特有のワクワク感がないです。
途中で何度も問題集的なページが挟んでありますが、あれが良くないですね。
塾でお勉強させられてる気がしてしまう。
ゲームはお勉強から逃避するための存在であり、お勉強とゲームはまったく間逆のベクトルを向いた存在です。
攻略本と参考書も水と火くらい属性が間逆です。
また上卓攻略編、特上攻略編と銘打ってページが割かれていますが、内容は完全に牌効率育成メソッドでしかなくて、たしかに雀力向上には役に立つんだけど、天鳳というステージを攻略するためのノウハウみたいなものはありません。
なんていうんでしょうね。
攻略本でいうと、このステージのこのボスはこういう弱点を持っていて、こういう属性の武器を揃えれば勝てるとか、そういう具体的で効果的な攻略法が書かれてないんです。
書いてある内容は、ひたすら雑魚モンスターとエンカウント繰り返して、経験値ゴールド稼いで、レベル上げて装備を整えろってな内容です。
そりゃあレベル稼ぎをやればボスは倒せるし、ゲームはクリアできるでしょう。
でも、それって僕的なゲームの楽しみ方からすれば邪道なんです。
ギリギリのレベルでボスと対峙して、持てるスキルと装備を効果的に使いこなして倒すことがゲーマー的には一番楽しいわけなのです。

例えば特上卓の攻略法で言うと、特上卓は他家のテンパイスピードが速い場所で、平均打点はそんなに高くなくて、リーチのケアはしっかりしてきて、鳴きのケアは甘いという特徴があります。
よって、染め手などの高い打点の鳴きで他家の点棒を奪って、自分は逆に鳴きのケアをしっかりすることで他者との実力の差を埋められます。
このステージにおける敵の弱点は何か。
その弱点を突ける武器やスキルはどういったものか。
そこが一番攻略本を手に取った読者が知りたいところだと思うんです。

そんなわけでどうにもこの本の内容は好きになれません。
攻略本として見たときに、コレジャナイ感がハンパではないです。
ASAPIN本の方がよほど攻略本的な内容に思えますが、それはASAPINさんがコアなゲーマーだからでしょうね。
ゲーマー気質をよく分かってらっしゃると思います。

ただ、この本は後半から一変して面白い内容になってます。
鳳凰卓攻略編などはそのステージにおける具体的な攻略法、効果的なスキルについて天鳳位が語ってます。
4章の段位押し引き表も面白いです。
天鳳特有のpt配分に対応するための具体的な押し引き基準が書かれているのです。
これこそが攻略本的な内容です。
良いところもあるだけに不満も募ります。
前半の内容は現麻でやればいいと思います。
あれはもともと学習参考書なので。

神速の麻雀 堀内システム51~感想

Medium

「神速の麻雀 堀内システム51」通称堀内本、読み終わりました。
これは良い出来です。
近年の麻雀戦術本の中でも最高の出来ではないでしょうか。
アサピン本は2冊とも上級者、鳳凰民向けですし、現麻技術編は中級者向けだけど文章が読みづらく、現麻実戦編はレアケースの何切る問題集なので基礎は身に付かないし、科学する麻雀は内容が古くなっているし、というそれぞれに欠点がありました。
中級者や特上民向けにわかりやすく、基礎が学べる本がこれからの麻雀界に必要なのではないかとずっと思っていました。
その点でも最適な教材と言っていいと思います。
わかりやすく、読みやすく、実践的です。

第一章の手順編では特に重要なことが書かれています。
要約すると、字牌から切ってぶくぶくに構えろ、手役は狙うな手なりで打てみたいなことですが、これを徹底するだけでもかなり違うのではないでしょうか。
というのは最近、上卓や雀荘戦打っていて気付いたのですが、弱い人ほど無駄に字牌を抱えたり、無理な手役狙いが多いことがわかったのです。
弱い人の捨て牌は中張牌が序盤からバタバタ切られていくので、捨て牌を見れば大体その人の実力が分かってしまいます。
いつ見ても派手な捨て牌をつくっている人は間違いなく弱い人です。
鳳凰卓ではまずそんな人は見かけません。
序盤から派手な捨て牌をつくっている他家がいるときは、手が速いことが多いですね。
チートイ、チャンタ系の手役狙いもありますが、それはまれです。
初級者から中級レベルに上がるためのハードルがまずそこにあります。
無駄に字牌を抱えずに手なりで打つこと。
ここが大事だと気付けるかどうかですね。
特上民はさすがに気付いている人が大半だと思いますが、徹底は出来てない人が多いかもしれません。
どうしても字牌残して意外と必要な19牌を切ってしまったりするんじゃないでしょうか。
これは意外と今まで誰も言ってなかったことで、どこの戦術本にも書かれてないことでした。
もしみんながこのことに気付き出したら大変ですね。
カモが居なくなっちゃうかもしれません。
それくらい重要なことと言っても過言ではありません。

第二章のリーチ編ではどんなときにリーチをかけるか、他家のリーチ対してどこまで押せるかなどが統計データを使って詳細に書かれています。
これを読めば大まかにはあらゆる状況でのリーチの押し引きが掴める内容です。
中級者には大変参考になりますが、上級者にとっては大体ほとんど理解している内容というか、経験的に分かっていることがほとんどです。
終盤の地獄単騎はションパイ待ちより強いとかも、気付いてる人はちゃんと気付いてるでしょう。
それでもこのような形で統計データを使って根拠を示されると、説得力が違うというか、自分の判断に自信が持てますね。
ただ、役あり5200・8000(7700・12000)のリーチ判断については異論も残ります。
リーチの方が収支で勝るというのはわかりますが、和了率と放銃率が変わってくるので、多少打点の期待値を下げても天鳳の場合、ダマにした方がいいケースというのは多くなってくると思います。
僕はダマを推します。
確実に満貫クラスの手を和了っておけば、かなりラス回避は確実になりますし、追っかけリーチを警戒して、放銃率と放銃打点を下げておけばこれもラス回避に繋がります。
これは意見の分かれるところです。

第三章の鳴き編は堀内氏の著書である「麒麟児の一打」という本に書かれていた内容と重複するものがほとんどです。
僕はその本を読んでいるので、今更何も感じませんが、読んでない人にとってはこんな鳴きがあったのかと驚く内容でしょう。
何故か、この章だけハードルが上がっている印象です。
第一章や第二章は基礎レベルだったけど、第三章は上級者向けの内容ですね。
1つ言えることは、ここで書かれているようなシャンテンの変わらない鳴きというのは、ドラ3枚の手だったり、オーラスでスピード勝負の場面で有効になる鳴きなので、普段からこんな鳴きばっかりしてたらだめです。
命がいくらあっても足りません。
そのへんは勘違いが起きそうな心配があります。
逆に言えば鳳凰民でも役に立ちそうな内容ではあります。
普段から安牌を意識しすぎて、いざというときにこういう鳴きは躊躇してしまいますね。

第四章のオリ編では文字通り、ベタオリにスポットを当てた内容で、リーチからのベタオリ判断だけではなく、鳴きに対するオリ判断なども盛り込まれています。
豊富な統計データと確率論を基にして判断基準がつくられています。
これを読めばかなり精度の高い押し引き判断が身に付きそうです。
上級者でも統計データを基に精度を上げたり、自信をつけたりするのにいいのではないでしょうか。

全体的に中級者から上級者まで広範囲におすすめ出来る内容です。
特に中級者、特上民は絶対読んだ方がいいです。
とても良い出来だと思います。

新次元麻雀~感想

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「新次元麻雀」通称アサピン本、さっそく読ませてもらいました。
内容は、前作と同様に天鳳の鳳凰民向けの内容。
上級者向けで初中級者や特上民には向きません。
この本の内容が理解できるようならとっくに鳳凰民になっているのでは・・・。
また、戦術的にも天鳳の鳳凰卓にアジャストした内容で、ラス回避に特化したものとなっています。
鳳凰卓攻略本といってもいいでしょう。
フリールール向きではないです。

何故特上民向けでないかというと、相手がある程度打てることを想定して、この点棒状況ならこう動く、こういう仕掛けをしたらこう対応する、などメンツのレベルが高いことが前提とした戦術になっているからです。
ランダムかつ意味不明な対応をしてくる相手を想定していません。
例えばp26。
他家の捨て牌から相対速度を測れとありますが、メンツのレベルによってはまったく当てになりません。
切るべきでないタイミングでドラを切ったりも普通にあるし、特に速いわけでもないのに適当にトイツ落としすることだってあります。
せめて仕掛けが1つ2つは入らないことには、何も判断材料を得たことにはならないと思います。
しかし相手が鳳凰民となると話は別で、それなりに信用はできます。

そもそも特上レベルで何の動きもない他家を警戒する必要はないとも言えます。
そんなことに気を使っている余裕があるなら、手牌に集中して、正しい牌理手順を踏むことに全力を注いだ方がいいです。
レベル的に複数の事象に同時対応することは難しいからです。
処理能力が低いなら、重要度の高い事象を確実に処理していく方がいいです。

そういう意味で、正しい牌理手順を踏むことはむしろ当然のこととして、その前提に立った上でさらにどうすればいいかという内容になっています。
本書の戦術は他家との距離感を測った上で、あえて正しい牌理手順を踏み外している内容が多いです。
でも、それは正規の道が分かった上で踏み外さないと、ただ路頭に迷うだけで意味がありません。
そういう意味で、この本の内容を理解する、ましてや実践するというのは相当に難しいんじゃないでしょうか。

しかし、鳳凰卓で上を目指す人にとっては、まさにこの上ない内容といってもいいんじゃないでしょうか。
難解で上級者向きとはいえ、実践的な内容ではあります(鳳凰民に限られますが)。
90ページほどがケイテン戦術に割かれていますが、この拘りもわかる気がします。
鳳凰卓でケイテン取り技術ほど戦績に影響するものはないと思われるからです。
一見マニアックな印象を受けますが、実際は実践的です。
まず、鳳凰卓では特上卓より流局率が2%前後高くてしょっちゅう流局しますし、和了率も高くは望めないので、僅差の勝負が多くなり、テンパイ料で順位に差が付くことも多くなると思われるからです。
流局率が15%前後ということは7局打って1回流局するということで、1半荘打てば1~2局は流局するということになります。
オーラスの1局だけでも相当大事なのに、1~2局における立ち回りというのは相当影響が大きいんじゃないかと思います。

また、ケイテン取りの技術というのは、鳳凰卓でも周りのメンツとの実力差をつけやすい分野だと思います。
正しい牌理手順が踏めること。
正しいオリ手順が踏めること。
精度の高い押し引きが出来ること。
そんなのは出来て当たり前みたいな世界ですから。
最近は仕掛けの精度も、巡目やスピード、打点、点棒状況もろもろの条件におけるベストなバランスが研究され、差がつけにくくなってきました。
もっとも難解なケイテン取りの技術にこそ活路が見出せるんじゃないか。
そんな気もします。

総合的には鳳凰民には漏れなくおすすめできる内容です。
特上民以下にはやはりおすすめできないでしょうか。
ケイテンなど考えずに、素直にベタオリ手順を磨いた方がいいのではという気しかしないです。
ベタオリもままならないのに、確実に放銃しないのを前提としながら、他家の動きを見極め、切るべき牌を見極め、鳴くべき牌を見極め、点棒状況、巡目なども考慮しながら、手をつくり回し打っていくというのは、相当にハードルが高いと思われます。

また、実戦編に関しても、他家との距離感をつかむことや、リスク管理の徹底に重点を置かれていて難しい内容です。
文章が難解というわけではないですが、実践するのはかなり難しいと思われます。
まずは正しい牌理手順と、得られるリターンの想定がなってないと、リスクは減ったがリターンも同時に減ったみたいなことになりそうです。
放銃率は減ったけど、和了率も減ったとか。
リスクを意識しすぎて、変に縮こまった麻雀になるのは心配です。
天鳳とはいえ、特上卓ならラス回避などあまり意識せずに、もっと伸び伸びとした麻雀を打って欲しい気がします。
それでも充分勝っていけるはずですから。

超精緻麻雀~感想

51op51rivl__ss400__2ASAPINさんの「超精緻麻雀」読み終わりました。
これは良本ですね。
天鳳攻略本と言ってもいい内容。
麻雀の中でもとりわけ、天鳳にターゲットを絞った戦術本ということで、これは画期的です。
ただ、内容は上級者向けといっても良く、天鳳民の中でも特に鳳凰民向けの内容です。
もしくは鳳凰タッチ経験のある特上民。
九段以上になると既に知っていたり、割と当たり前の内容が多いのかもしれませんが。
鳳凰卓で生き残りを目指すのにちょうどいい内容です。
六~八段エレベーター勢はストライクゾーンど真ん中ですね。
鳳凰タッチしてない特上民にはちょっと向いていません。
というのは、待ちが透ける鳴きはやめようとか、こういう鳴きをすると上家に絞られてつらいとか、そんなことは特上民にとって重要ではなく、意味のない話だからです。
特上卓では、とにかく手の進む牌はなんでも鳴いていいですし、待ちが透けて当たり牌が止まる心配も、牌を絞られる心配も、特に必要ありません。

これは自分が鳳凰タッチの経験があるからこそ分かる話でした。
とにかく鳳凰卓では、鳴けば待ちが透ける気がする。
切り順に気をつけないと待ちがばれる気がしてしょうがない。
安手で仕掛けると打点が読まれて舐められてしまう。
遠いところから仕掛けると、上家に牌をびっちり絞られて和了れなくなる。
見え見えのホンイツには誰も振り込まない。
じゃあどうすればいいんだってことがこの本に書かれています。
自分も鳳凰タッチの経験がなければ、この本の内容はピンと来なかったと思います。
一度でも鳳凰を打った経験がないとこれは分からない話です。

もし鳳凰を打った経験がないなら、ああこういう世界もあるんだなと、鳳凰卓ってこういう世界なんだなと思って読んでいただければいいんじゃないでしょうか。
あまり参考にはならないと思いますが。
プロの本でも競技麻雀の戦術ばかり語って、まったく参考にならない本もありますし、そういうのでも楽しめるのなら問題はないと思います。
もしくは長い目で見て、いつかこの戦術をものにしてやろうというかんじで読むといいと思います。
僕も今はお休み中ですが、四麻で鳳凰卓をもう一度目指す時には参考にしようと思います。

基本的に基礎雀力を強化するための本じゃありません。
枝葉の部分を強化するための本です。
ただ、今まで誰も踏み込まなかったからこそ、そこに価値があります。
ある意味、図ったのかと思うくらい、ネマタ本とは対照的な内容ですね。
アンチネマタ本のようにも取れる記述がありますが、麻雀には無数の場況があり、その都度判断の微調整を迫られます。
データやセオリーを妄信して、思考停止してはならないというのがこの本の趣旨なんじゃないでしょうか。
ただ、それには土台もしっかりしていなければなりません。
セオリー的にはこうだけど、この場況から考えて・・・とか。
まず軸足を正しい位置に置いたところから、どこに、どの程度ずらすかですよね。
ですから軸足を固めるためには、まずはネマタ本とか魔神本を読むことをおすすめします。
基礎雀力を強化するならそちらの方が最適です。

勝つための現代麻雀技術論~感想

51aw8zsn5l__ss500__4 現代麻雀技術論、通称現麻の書籍版、今やっと読み終わりました。
読み終わるのに一週間くらいはかかったでしょうか。
最近、月に数冊程度、読書をするようになったのですが、ジャンルを問わず、1冊読み終わるのは1日あれば十分です。
それが気付けばこの1冊読むのにこんなにかかってしまっていたんですね。
異常なペースです。

事前に想像していた内容と少し違いました。
最初福地さんが、現麻の書籍版をつくると言い出したときに、良いところに目をつけたなぁと思ったんですが、あのままの内容で書籍にしてもマニアックすぎるだろうと思いました。
おそらく、福地さんも内容を大衆向けにアレンジして出すつもりなんだなと思っていました。
ネマタさんがアイドルだとしたら、福地さんはプロデューサーみたいなもんでしょう。
そのへんに居る、かわいくて歌の巧い女の子を連れてきて、そのまま売り出しても売れないだろうと。
僕はアイドル好きではないので全然よくわかりませんが、大衆受けするためには、キャラ付けをしたり、その子に合った売り出し方をするなり、プロのノウハウが必要なんだろうと思います。
そうでなければ一部のマニアにしか受けない、ただのローカルアイドルで終わってしまいます。

なので、もっと大衆的な読みやすい本を期待していたのですが、中身を見てみると現麻のサイトそのままか、それ以上に難解でマニアックな内容だったので、こんな内容でいいのだろうかと、人事ながら不安を抱いてしまいました。

前評判が高く、かなり売れてはいるみたいですが、ユーザーの満足度はどうなんでしょうか。
難解で途中で読むのを投げ出したとか、そういう話も聞こえてきます。
もっと大衆受けする内容にアレンジして売り出すのだろうと思っていたんですが、おそらく福地さんもそのつもりだったにも関わらず、ネマタさん原稿のあまりの文量を見て、半ば投げ出したのだろうと思っています。
わざわざ前文に但し書きをつけて、「ガチになって読むと挫折します」とか書いてあるくらいですし、半ば開き直りに近いですね。
無理もないことです。
福地さんとネマタさんでは麻雀戦術に対するアプローチが違いすぎて、書き直すのが相当困難か、内容を詰め込みすぎていて、書き直すと内容が薄まってしまう可能性があったか、そのへんの問題があったのだと思われます。

ただ、それを考慮した上でも、もう少し読みやすくはなったのではないかと思う点がないでもありません。
例えば、本書では受け入れ枚数のことを「受け」と呼んでいるんですが、これは紛らわしいのでやめて欲しかったですね。
受けと言えばリーチに対して受ける(オリに回る)とか、手牌の受けを重視すると言えば、他家からいつリーチが来てもいいように、守備的な構えにするという意味にしか認識しないです。
シャンテンが進む受け入れ枚数のことを「受け」と略すのはややこしいです。
前後の文を読めば理解できなくはないですが、内容がダイレクトに頭に入ってきません。
読んでて眠くなっちゃいますね。

また、ターツを表すのに数字を使うのもやめて欲しかったですね。
ちゃんと牌図使って表現して欲しかったです。
単独ターツくらいならまだいいですが、両翼形と称する
23345667みたいな形を縦書きで書かれたら、もうわけがわかりませんね
僕は何切る問題を英数字で表すのが嫌いなので、ツイッターで投稿するときも天鳳牌理のURLを貼ってます。
横書きですらピンとこないのに、縦書きなんて分かりませんって。
そのへんの親切設計が足りてないところがあります。

他にも内容を詰め込みすぎて説明不足だったり、抽象的だったりして全体的に読み難い印象がありますね。
それは内容の濃さと比例するところもあるので、しょうがないところもありますが。
ただその代わりと言ってはなんですが、講座ごとに福地さんのコメントが挟まっています。
レバニラ定食がどうとか、くだらない内容もありますが、これが一種のオアシスになっています。
福地さんのコメントなしではこの本は堅すぎて読んでいられないでしょう。
くだらない内容が逆に中和の役目を果たしています。

後はこれを読者が受け入れるかどうかの問題ですね。
内容的には間違いなく実践的で役に立つものです。

最近、プロの麻雀本もいくつか読んだんですが、彼らの戦術論は説得力に欠けます。
曖昧で脆弱な、経験則や主観や信条といったものを拠り所として、持論を展開するプロがあまりにも多すぎますね。
その点では、ネマタさんの場合、統計データを参照したり、シミュレーションしたり、デメリット、メリット、客観的事実全てを洗い出して比較、考察を行っているのが分かるので信用が置けます。

例えば天鳳の鳳凰卓に上がるため、もしくは鳳凰卓勝ち組を目指すにあたっても、最適な指針となる一冊です。
全編通して読むのは大変ですが、押し引きに迷ったら押し引きの項目を紐解いてみるとか、何かしら疑問に思うたびに、辞書のように本書を紐解いていけば役に立つと思います。
体系的戦術本としては、魔神本(魔神の攻めと魔神の読み)と、現麻の三冊がおすすめです。
渋川さんは十段にもなられていますし、実績があるので信用も置けます。
現麻の方が内容は濃いですが、魔神本は分かりやすく重要なポイントが押さえられている良本です。
この三冊を基準に自分なりの戦術を構築していくと良いと思います。
ただそれには困ったことも少しあります。
基本的に渋川さんもネマタさんもデジタルで、そこは共通するのですが、ところどころ戦術や志向が違っています。

二萬二萬三萬三萬一筒一筒四筒四筒六筒一索一索五索五索西ドラ六筒

書籍現麻の30pから。
例えばチートイツテンパイの単騎待ち選択について、現麻では中張牌ドラ切りで、西単騎待ちが収支的に有利と書かれています。
ところが魔神本ではほぼ同じ牌姿で、字牌切り中張牌ドラ単騎にした方がいいと書かれています(魔神の攻めp18参照)。
収支戦想定の本でしたが、祝儀2000でもそうするということは、おそらく天鳳でも中張牌ドラ単騎に受けるのでしょう。

これは自分もどっちが正しいのかわかりません。
魔神本を読む前は自分も字牌単騎派でした。
それが魔神本を読んでからは、半信半疑で中張牌ドラ単騎でリーチをかけるようになったら割としっくり来たんです。
自分なりの考えをここで言うと、チートイツはツモで点数が上がりやすいので、出来れば出和了りよりもツモりたい役なんです。
ところがチートイツという役は、出和了りしやすいように出来ていて、単騎待ちでしか待てないから、自然とヤオチュー牌の出和了りしやすい待ちや、スジでひっかける待ちが多くなります。
構造的に相反する要素を抱えているんですが、唯一、ドラ単騎ならリーチすればほぼ出ないですし、ほとんどツモ専みたいなものです。
和了率は当然下がりますが、和了ればほぼ必ず跳満ですし、裏乗れば倍満まであります。
チートイのみの字牌単騎ではたったの3200で終わってしまいます。
字牌は誰も止めないので、ツモよりロンの方がずっと多いですから。

中張牌ドラ待ち先制リーチで、他家全員オリて流局テンパイ収入でも3000点浮くので、それとあまり変わらないんですよね。
ドラ単騎は打点効率がかなり高いと考えています。
ただ、現麻では字牌単騎の方が収支で勝ると書かれているのでどうなんでしょうね。
それもシミュレーションした結果なんでしょうし。

一萬一萬六萬八萬二筒三筒三筒六筒七筒二索四索七索八索九索ドラ六筒

書籍現麻のp76から。
もうひとつ気になるのは、ターツオーバー2シャンテンの捌き方です。
魔神はおそらくここから3pを切るはずだと思うんですが、ネマタさんは2s切り推し。
ネマタ打法は全体的に5ブロック寄りです。
そして場況はほぼ考慮に入っていません。
牌姿を平面的に捉え、純粋に弱いターツを見極めて切っていくのが基本のようです。
3pを切ればカン7mとカン3sの選択を先延ばしすることが出来て、後々場況に応じてどちらかのターツを選べるメリットがありますが、おそらく、ネマタさん的には3pを浮き牌として捉えているフシがあります。

一萬一萬六萬八萬二筒三筒三筒四筒六筒七筒七索八索九索

こんな形に変化したら強いってことじゃないでしょうか。
233pが223pの形だったら2pを切るのかもしれません。
3p切りにも2s切りにもそれぞれメリットがあり、正着の判別は付きません。
場況判断にあまり自信がない人はネマタ打法がいいんじゃないでしょうか。

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