« 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その1 | トップページ | 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その3 »

最強AI「ⓝSuphx」の鳴き

前回までの牌譜検討↓
最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その1

Suphx(スーパーフェニックス)の副露率は.319で、典型的な面前型と言えます。
私の麻雀も実は面前派だと思っているので、Suphxの鳴き判断は見ていてあまり違和感がありません。
Suphxの鳴き判断はシンプルで、ひとことで言えば「安くて遠い鳴きはしない」という麻雀の必勝セオリーに従ったものです。
鳴きで和了りやすくなったり、遠くても期待打点の高い鳴きをしたり、打点が充分見えているところからスピードを加速したり、面前進行から期待値を上げる鳴きの精度が極めて高いと言えます。
無駄に手牌を短くするようなことは皆無といってもよく、仕掛けの途中で他家から攻撃を受け安牌が尽きて手詰まりすることもなかなかありません。

その反面、天鳳民がよくやるような、バラバラの手から強引にタンヤオに寄せて仕掛けたり、三色、イッツー、チャンタなどあらゆる仕掛け役を駆使して和了りきろうとするようなテクニカルな鳴きは苦手です。
こういった仕掛けは場況にも左右されやすいですし、安全度を見極めてから仕掛けないと容易に他家からの攻撃を受けてしまいます。
そういった場況判断は苦手ということなのでしょう。
役なしから形式テンパイ狙いで仕掛けるということも、よほどの終盤でない限りほとんどありません。
しかし明確に面前進行より期待値が上がっていると感じられる鳴きが多く、逆に期待値の下がる無駄な鳴きもなく、その精度は極めて高いと感じさせられます。
今回はSuphxの鳴きを見てみましょう。

① 東1局東家~その1

2019070800gm00290000eef2f24atw0ts0

これは手牌の方針がまだ定まっていないので、ここから和了りに向かって発進するのは、私には抵抗があります。
東だけは鳴きますが、それ以外は少なくともドラの6p周りでターツが出来てからじゃないと鳴きたくないというかんじですね。
何故鳴いたのか、最初のうちはよくわかりませんでしたが、これはトイトイ狙いだと考えられます。
一見するとダブ東バックの2900の仕掛けに見えるのですが、トイトイを絡めれば満貫になります。
まだ1面子もない和了りに遠いところからの仕掛けですが、期待収入の高い仕掛けというわけですね。
1mは既に2枚切られており、この1mをスルーするとトイトイの和了りはもはや絶望的になります。
鳴かずにドラのくっつきを待つなどと悠長なことを言っている場合ではなかったです。

② 東1局東家~その2

2019070800gm00290000eef2f24atw0ts0_2

2sを鳴けばダブ東バックのテンパイに取れるというところですが、Suphxはこれをスルー。
当然の判断だと思います。
ハナからダブ東のみの2900で終わらせるつもりなどなかったはず。
トイトイだけではなくドラのくっつきによる打点上昇もありますし。
東が出れば鳴いてテンパイを取りますが、ギリギリまで高打点の和了りを追いたいところです。

③ 東1局東家~その3

2019070800gm00290000eef2f24atw0ts0_4

その後6pを重ね、結果的にはダブ東トイトイドラドラの18000を和了ることが出来ました。
最初の1mのポンがなければこの和了りには結びつかなかったでしょう。
分かりやすい結果となりましたが、こういった未来も想像した上で仕掛けていると思われます。
AIに想像力という表現はおかしいかもしれないですが、人間には想像も出来ない未来をAIは想定しているのですよね。
鳴いた後の未来と鳴かなかった場合の未来と、無数の未来がある中で、どちらにバラ色の未来が待っているのかを想像する力がこのAIにはあるのです。

④ ハイテイ消しの鳴き

2019070721gm00290000da5347e8tw0ts2

別の牌譜からも見てみましょう。
現状のハイテイは北家で、このままだとリーチ者にハイテイが回ります。
そこでハイテイ寸前に打たれた6pをポンとし、リーチ者にハイテイが回らないようにした上にツモまで消してしまいました。
Suphxはハイテイ操作の鳴きをするという決定的瞬間です。
もちろん鳴いた方が得なのは疑いようもない事実なのですが、こういったこともAIには出来るんですね。

⑤ 一発消しの鳴き

2019070720gm002900002992d7eatw1ts0

終盤に差し掛かり、親からのリーチを受けて宣言牌の4pをチー、打北としました。
最初に見たときはケイテン狙いかなと思ったのですが、よく考えてみるとケイテンが取りやすい形にはなっていません。
鳴けば8mツモ、8mチーか、5pツモでテンパイしますが、鳴かなければ8mツモかチー、5pポンかツモ、北ポンかツモでテンパイします。
47pツモだけは危険牌の5p切りとなってしまうので要らないですが、それ以外は安全牌の9p切りでテンパイがとれるので問題ありません。
鳴けばテンパイ効率が下がるのは明白です。
となると狙いは一発消し以外に考えられません。
現状の手は急所の8m引きでも危険牌の5pが押すのに見合わないため、ドラ1のみの愚形テンパイがマックスで、親リーチに押し返せるような手ではありません。
親リーチを受けた時点で自分の手は既に死んでいる状態です。
となると出来ることは一発消しかケイテン狙いしかありません。
宣言牌のチーをスルーしたとして、ケイテンが取れるかどうかは確率が上がったとしても確実ではないので、それならば確実に目の前の一発だけでも消しておいた方が得策ということなのでしょう。
もともと一発消しは損得に見合わないケースが多いのですが、この場のように自分の手が既に死んでいて、ケイテンくらいしか希望が見出せないときは有効になります。
これもAIの損得勘定は正しい可能性が高いです。
不確実なテンパイ料と、確実な一発消しとを天秤にかけて計算した上でこの判断ということですから。
計算能力は人間よりAIの方が上であり精密ですからね。

AIは小技も駆使する

このようにSuphxは面前進行と副露進行の期待値計算が正確で、どちらが計算上で上回るかを精密にジャッジした上で鳴き判断を決めています。
そのためにはハイテイ操作や一発消しのような小技をも駆使してくるので、スキがないと言えますね。

« 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その1 | トップページ | 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その3 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その1 | トップページ | 最強AI「ⓝSuphx」の牌譜検討~その3 »

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

twitter

歌ってみた

リンク

無料ブログはココログ