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統計学のマージャン戦術~レビュー

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統計データには嘘や間違いがない

みーにんの「統計学のマージャン戦術」を読みました。
同じくみーにんさんのデータで勝つ三人麻雀はとても素晴らしかったので、四人麻雀用のデータも欲しいと思い購入しました。
これも予想以上の出来というか、四人麻雀用のデータの方が実戦に活用しやすく、役に立ちそうだなという印象です。
やはり四人麻雀の方が統計データを利用するデジタル麻雀戦術との相性が良く、三人麻雀の方が実戦感覚の場況読みとかに頼っている傾向が強いのでしょう。
個人的にもこちらの方が得るものが多く、チートイの字牌単騎は地獄待ちが思ったより強いなとか、ダブ東のシャンポン待ちは出にくいと思っていたが意外とそうでもないとか、上級者でも知らないことが数多くあると思います。

統計データには嘘や間違いがありません。
鳳凰卓の膨大な量の牌譜から採取してきたデータは、現実に強者どうしが長期に渡ってガチで麻雀を打ち合い、残してきた結果であり事実なので、そこに異論を挟む余地などありません。
これはどんな麻雀の強者の言い分より信頼できます。
人間の経験や主観をもとに構築された思考や判断は曖昧で抽象的になりがちだからです。
現にトップ中のトップクラスの打ち手の間でも判断が分かれる麻雀の選択というのはいくらでもあります。
実際に打っているときは極めて正確に期待値の高い選択をしているかもしれませんが、言語化のプロセスで間違うことも考えられますし、強者の高度で精密な思考判断を言葉で伝えるのは難しいのです。

1人麻雀練習機とは

私も手組で迷ったときは一人麻雀練習機を使っていますが、これも統計データの1種で、人間ではなくAIが打ったものになりますが、正確に牌効率通りに打っているので、どの牌を選べば期待収入の高い選択になるのかが簡単に分かるようになっています。
詳しい仕組みはよくわからないのですが、おそらくまったく同じ牌姿からその後の何万通りものランダムツモを想定して、擬似的に何万と打った結果、どの選択が平均的にもっとも収入が高かったかを出力して表示されるようになっているのでしょう。
しかも微妙な期待値の差も正確に数値で表示されます。
1番手だけではなく2番手や3番手の選択はなんなのか、その差は微差なのか大差なのか、巡目によってはどう変化するのか、全て細かく正確に把握できます。
どんな強者でもここまで細かく、詳しく、正確に選択の良し悪しを言葉で伝えるのは不可能です。
私は手組みに関しては誰かに答えを聞くよりも、1人麻雀練習機に聞いた方が話が早いし効率的だと思っています。

しかし問題は押し引きやリーチ判断についてです。
これに関しては今までは強者に意見を募るしかなかったのですが、抽象的になりがちで、トップ中のトップクラスでも意見が分かれることがよくありました。
そこで統計データの出番というわけです。
AIではなく実戦で人間が打った膨大なデータを元に、実際に期待値の高い選択が何だったのかを拾い集めてみるという手法が使えます。

統計データの見方

もし統計データに嘘や間違いがあるとすれば、それは統計データそのものではなく、統計データの読み取り方に嘘や間違いが含まれるのでしょう。
統計データは言ってみれば結果論と同じであって、人間がよく言うような結果がこうだったからあれは正しかった、いや間違いだったと言うのと変わりません。
決定的に違うのは、膨大なデータを集めて平均値を採択しているという点です。
これがただの結果論を信頼に足るものへ押し上げていると言えます。
ただそこには結果だけがあって過程がありません。

1人麻雀練習機の出力結果にしてもそうです。
麻雀は4人で打つものなので、1人だけでツモって選択して得られる結果は実戦とは微妙に違ってきます。
場況判断がないからですね。
特別変わった場況がないときにはそのまま使えますが、そうでないときは場況次第で簡単に選択が覆ります。
そこで統計データの正しい読み取り方を身に付ける必要があります。

1人麻雀練習機によって出力される期待値の高い選択は絶対ではありませんが、もしも大差で期待値の高い選択が表示されるなら、それは場況次第で簡単に覆るようなものじゃありません。
そういう場合は、ほとんどどんな場況においても正しい選択、出力結果だと言えますし、逆に期待値が微差で1番手、2番手が表示されるなら場況次第で覆りやすいということです。
その場合は実戦の場況を重視して1番手か2番手かを判断してみましょう。
どの選択の期待値がもっとも高いかではなく、期待値の差は大差なのか微差なのかに注目することが大事です。

親リーに愚形ドラ1で押し返せるか

一応本書でも統計データを元に期待値の高い選択は何かという結論をその都度出しているのですが、概ね間違ってはいないと思われるものの、場況次第では覆りそうだなと思われるものもあります。
例えば親リーチに対して愚形ドラ1のテンパイは押し返せるか?という問題です。
リーチで押し返したときの局収支-1800点で、ベタオリしたときの局収支は-1700点。
どの道失点しますがオリた方がほんの少しましという結果です。

しかしこの統計データはおそらくですが、偏ったデータが集まっています。
実際に親リーチに対して愚形ドラ1で押し返したデータを掘り起こしているということは、それなりに勝算があるから追っかけているということなので、場況が良いから追っかけたとか、安牌がないから追っかけたとかで、愚形でも通常よりは放銃しにくく和了りやすかった可能性があります。
平均よりも少し期待値の高い手で押し返したと考えられるので、平均的な手で押し返したときの局収支の期待値は-1800点よりもさらに下になるのではないでしょうか。

ただしベタオリしたときの局収支にも偏りがあります。
これは本書にも書かれている通りですが、ベタオリが成功した場合の局収支で、失敗した場合は含まれていません。
安牌が少なく、ベタオリに失敗する可能性が高い場合は局収支は-1700点よりもだいぶ下になるでしょう。

となると押し返した場合もベタオリした場合も、額面より局収支は低そうなので、結局どっちもどっちなのですが、安牌さえ足りていればベタオリしたときの局収支は-1700点に極めて近くなります。
その一方で平均的な愚形ドラ1の手で押し返すと局収支は-1800点より下になると思われ、平均的な待ちでかつ安牌が足りている状況においてはベタオリした方がはっきり得になると思われます。
逆に安牌が足りてないときは腹をくくってリーチで押し返すのもありでしょう。
統計データの上では押し返しもベタオリも収支の差は小さいので、オリ打ちする可能性があるならリーチして和了り抽選を受けた方がましということは充分に考えられます。

統計データなくして麻雀戦術は語れない

このように統計データがこう言ってるからこういう結論になるというのではなく、統計データの特性を理解して応用すればこの本はめちゃくちゃ使えそうです。
難しい過程はすっ飛ばして結論だけ読むなら中級者でも使えますが、工夫すれば上級者向けにも応用が可能です。
牌効率に関しては1人麻雀練習機を参照し、押し引きやリーチ判断に関しては本書のような統計データを参照するという、これが現代における麻雀戦略、麻雀学習の最先端であり最強の手法です。
天鳳十段に到達した最強のAIも膨大な量の統計データを元につくられています。
これは統計データを活用した麻雀がいかに強いかを物語る最たる事例でしょう。
そのAIが打った牌譜から戦術を研究するというような試みも巷では行われており、もはや統計データなくして麻雀戦術は語れないというほどの状況になってきています。
こうした統計データの活用をベースに戦術や打法を構築し、そこに個人の経験からくる実戦感覚をプラスしていくのが巧い落としどころとなるでしょう。

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