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2019年8月

データで勝つ三人麻雀~レビュー

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三鳳卓を実際に打つのと同じ効果が得られる

「データで勝つ三人麻雀」を読みました。
本書に関わっているのはみーにん、福地誠、abantes三麻天鳳位の三人です。
データを採っているのはみーにんさん。
そのデータを元に三麻戦術を組み立てる構成になっています。
そのデータというのは全部天鳳の三麻鳳凰卓から採っているようです。
私が何千戦打った分も当然入ってるわけですよね。
三鳳は打ってる人数自体は少ないですからきっと入ってると思います。

本書は三鳳打ってる僕からすると割と当たり前のことが書かれています。
全部三鳳のデータですから、三鳳を打っている人間がアナログ的に感じたこととさほど違いはないんですね。
とはいえ、何千戦と打って経験の中から長い年月をかけて導き出していく答えや感覚よりも、データを見る方が一目瞭然です。

私の場合は答え合わせに使いました。
今まで三鳳を打った経験の中で培った感覚や答えが合っているかどうかの確認のためです。
大きくズレはなかったように思います。
データを正しく読み取りさえすれば、実際に打って経験を積んで感じることと同じ答えが得られるのだなと思いました。
実際に打たなくてもある程度概要がつかめるという意味でこれは画期的な本です。

これを機に三鳳卓のレベルが上がってくるのか、あるいは三鳳の人口が増えて卓が立ちやすくなってくるのか。
なんだかんだ言っても最後にものを言うのは経験と本人の努力なので、後者の方かなと思います。
おそらく中級者の方は上達するにあたってものすごく助けになると思います。

僕は三麻を打ち慣れていますし、四麻もよく打つので違いはそれなりによく分かっています。
ただ四麻の強者の方でも三麻を打たないという人は本書を読めば新鮮なことばかりでしょうし、あっという間に対応して上達していくと思います。
これを機に三麻を始めてみると良いんじゃないでしょうか。

データには一部偏りがある

ただ唯一認識のズレがあったのがリーチ判断の項目です。
これは明確にデータの読み取り方が間違っているんじゃないかと思います。

私の場合は役あり愚形全般、子の平和のみテンパイはほぼダマにすることが多いのですが、本書においてはリーチせよと書かれています。
自分の判断に絶対の自信はないのですが、この本の結論には疑問が残ります。
というのは三鳳の役あり愚形リーチというのは打ち手が場況的に和了れる自信があって打っているのが大半なのであって、それをかき集めて局収支の平均を計算すれば局収支は思った以上に良いとなるのは当然のことだからです。
逆に良形平和の跳満リーチは和了れる自信がない場合が多いと思います。
ダマっていても場況的に出和了りが期待できないときです。
こういうリーチは局収支の期待値が低いです。
だからこういうリーチばかりを集めてデータを採ってみても、局収支は思った以上に低いものにしかならないわけです。
逆にダマにするのは決まって場況の良いときばかりですから、ダマが局収支有利なのは当然の結果とも言えます。
こういった偏りのあるデータを元にリーチすべき、ダマにすべきと結論づけることはできません。
正確なデータを得るなら、場況に関係なく全部ダマを選択するAI、全部リーチを選択するAIを、それぞれ平均的な三鳳民のようなまともな判断と雀力を持つAIと数多く対戦させてみてデータを採ってみるとか、そういうことをするしかないんじゃないでしょうか。

結局は場況次第となってくるのですが、三麻は割と良形平和の満貫、跳満はリーチ寄りです。
ツモ損だからダマにするという人も多いのですが、僕は損だと思っています。
四麻はダマ寄りですね。
理由は他家が三人居て、リーチを打つとオリられてしまい、和了率の低下の影響が大きいからです。
このあたりもデータによって根拠が示されると思っていたのですが、こればかりは採取するデータの内容が偏りすぎて当てにはなりませんでした。
このあたりはみーにんさんも自覚があるのか、データが正確ではない、偏りがあると述べています。
要は人間が打ってるので正確さには限界があるということです。
そのあたりを念頭に置いた上で本書のデータを活用すべきだと思います。 

リーチ判断以外の項目は概ね間違いがないです。
北何枚抜きに対する押し引きの局収支、テンパイに押す牌の危険度の差など。
このあたりは打ち手の思考がそこまで反映されておらず、単に事実として残っているだけで著しく偏りの生じるデータではないからです。

バランスと読みやすさに優れた良書

全体的に読みやすい本です。
前書きで福地さんが文章がつまらない、眠くなると書かれていますがそんなことはないです。
少なくとも現代麻雀よりははるかに読みやすいと思います。
表やグラフも牌図を見るよりは楽です。
ツモ損なしのMJルールなどにも対応していますが、これは天鳳の三鳳卓の牌譜解析を元に失点得点の期待値などをMJ向けに計算し直したもので、概ね納得できるもの。
abantes天鳳位のコメントも頭でっかち、机上の空論になりがちなデータ戦術論に、アナログな実戦感覚が反映されてバランスが取れています。

三麻みたいなマニアでニッチな層向けにはちょっともったいないくらいですね。
むしろ四麻と同じ戦術で通用することも多くあるので、三麻やらなくても読んだ方がいいです。

内切りカンチャンの読み

東1局西家、ドラ西

九萬白一索發六筒八筒横白

※6p8p、宣言牌の白は手出し

こんな捨て牌の他家からリーチがかかりました。
このリーチの待ちを読んでみましょう。
1つ大事な前提があるのですが、今回は手出しを確認してないと読めるものも読めなくなってしまうということです。
過去に検証したリーチの待ち読みは、手出しは見なくても通用するものでした(宣言牌だけ手出しなのを確認すれば充分)。
今回は68pのカンチャンターツを手出しで切ったという確実な情報がなくてはなりません。
と言っても8pの手出しだけでも確認すればターツ落としなのはほぼ確定です。
宣言牌の白も手出しでなくてはなりません。

この捨て牌のポイントは68pのカンチャンターツを内側から切っていることです。
外側から切るのはよくありがちでそこまで強い情報ではないんですが、内側から切るのはどんなときでしょうか?
簡単に思いつくのは、手牌に良形ターツが揃っていて、愚形ターツが必要ないときでしょうかね。
愚形残りの場合は、2つのカンチャンターツのうちのどちらかを外すと思うんですが、

一萬二萬三萬四萬五萬一筒二筒三筒六筒八筒六索八索南南

例えばこんな形だとしたら、6pは切りません。
8pを切り、5p引きの良形変化を期待するでしょう。

三萬四萬五萬一筒二筒三筒六筒八筒三索四索六索七索南南

でも仮にこんな形だったらどうでしょう?
良形ターツは揃っていますが、ソーズ部分が二度受けです。
8pを切って5p引きの良形変化を期待するでしょう。
5p引きで二度受けが解消出来るのは大きいです。

三萬四萬赤五萬一筒二筒三筒六筒八筒三索四索七索八索南南

ではこのくらい充分形だったらどうでしょうか?
いやいや、それでも赤5p引きを期待して8pを切りますという人は多いのではないでしょうか。
ドラはもう1枚欲しいです。
それにまだ5巡目です。
このくらいだったら6pも8pも危険度にさほど差がないことも多いですし、他家を警戒するにしては早すぎます。
もっと大きく狙ってみても良いでしょう。

つまり良形ターツが揃っていてもそれだけではカンチャンを内側から切る理由にはならないのです。
もしあるとしたらドラが2枚以上ある充分形の中の充分形か

一萬二萬三萬四萬五萬六萬三筒四筒六筒八筒六索七索南南

こういう形。
これなら赤5pの受け入れもありますし、8pから切って5pを引いたとしても4連続形を残す意味がない。
内側から切る意味はこれの可能性が高いと思います。
ですから、2-5pの待ちは非常に危ないと言えますね。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬三筒三筒六筒八筒六索七索中中

他に考えられるのはこんな形から6pを先切りした場合。
中を鳴いてテンパイを取りたいので、5p引きの両面変化は要らない。
もし裏目の5p引きでも3pトイツのフォローになるので役に立ちますし、
6pを先に切っておけば面前でテンパイしたときにスジ待ちのシャンポンでリーチが打てます。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬一筒二筒六筒八筒六索七索南南

他にはこんなパターンもあります。
発想としてはさきほどのパターンと同じで、6pを先に切ってスジ待ちでリーチを打とうとしています。
5p引きの両面変化を捨てても、捨て牌が強くなるのでさほど痛くはないということです。
どちらも出現率はさほどでもないと思いますが、スジの3pはカンチャン待ちはほとんどないにしても、通常より危ないと考えられます。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬一筒三筒六筒八筒六索七索南南

他にはカン2pのターツを残して68pの6pを切った場合です。
カン7pよりカン2pの方が端にかかってる分強そうですし

裏目の5p引きでも

一筒三筒五筒

とリャンカン形が残るのでさほど痛くない。
テンパイして愚形待ちでも

九萬白一索發六筒八筒横五筒

このような強い捨て牌で、モロヒ待ちと言っても2pはかなり安全に見えるのではないでしょうか。
5pを引かなかった場合は最初の捨て牌でカン2p待ちになります。
しかし上の手牌からは素直に8pから切る人も多く、6p切りが優れているとしても出現率はさほど高くなさそうです。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬二筒三筒六筒八筒六索七索南南

ピンズの1-4p受けの両面ターツが残っている場合も6pが切られやすいです。
5pを引いても2度受けの両面が残るだけですから。
唯一の裏目と言える赤5pを引いたとしても

二筒三筒赤五筒

4pを引けば赤5pが使い切れます。
1-4pは少し危険な無スジと言えるでしょう。

一萬二萬三萬四萬赤五萬六萬赤五筒六筒六筒八筒六索七索南南

4-7pの可能性は、こういう手牌から6p、8pと切ったことになりますが、8pから先に切って6pのタテ受けを残すのが普通です。
ただ、赤5pの場合は赤が出て行ってしまいますし、6pを残すとソバテンになるのでそれを嫌って内側から6p、8pと切るのも自然と言えます。
放銃率は低そうですが、刺さったときは高確率で赤が絡むので安全とも危険とも言い難いですね。

9pのシャンポン待ちの可能性は

八筒九筒九筒中中白

ここから8p切って安全牌の白を抱えたことになるのでほとんどないです。

一萬二萬三萬四萬赤五萬一筒二筒三筒六筒八筒九筒九筒六索七索

こういう形だと6pを切って一時的に7p受けを残すということも考えられます。
ピンズでもう1面子構成できれば、マンズの連続形で頭をつくりにいくことで加速することも出来るので。
この場合も9pがヘッドになってはいますが、9pが待ちになることは考えにくいです。
ただこれはよくあるパターンなので、9pがヘッドになっていたり暗刻になっていたりする可能性は高いと思います。
山読みに生かすことも出来るかもしれません。

≪まとめ≫

2-5pが明確に危険と言えると思います。
字牌が宣言牌なこともありますが、愚形残りだとは考えにくく、良形待ちのリーチである可能性が非常に高い。
ただ愚形の中でもスジの3pだけは唯一ケアしなくてはならない待ちです。
1-4pも少し危険です。
4-7pは一見安全に見えるかもしれないですが、安全とは言えないので気をつけましょう。
手牌のバランス的に、ピンズの下を持っている可能性が高いので、そこが待ちになっていることが多いと考えられます。

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