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超メンゼン主義麻雀~レビュー

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リツミサンと雀荘戦

リツミサンの「超メンゼン主義麻雀」を読みました。

個人的にリツミサンの麻雀は配信とか牌譜とかでよく見させてもらっていて、自分の麻雀にもすごく影響を受けています。
本書に興味を持ったのもそのためです。
昔は雀荘戦でもよく当たったし、当時から既に天鳳段位戦で結果を残しておられましたが、雀荘戦においても収支、順位、レート全てにおいてずば抜けているところがありました。
ちなみに本書のコラムで登場する真鱈さんや奈落の王さんも雀荘戦でよく対戦した面子です。
彼らは恐ろしく強く、鳳凰クラスの麻雀というものはどんなものかということを身を持って教えていただきました。
鳳凰卓を知らない僕にとってそれは衝撃的で、他の誰に感じたこともない、とてつもない威圧感を感じたのです。
その頃から人読みをする癖もつきました。
無数の得体の知れない相手と対戦する特上卓などと違って、雀荘戦の面子は固定的で自分の麻雀の幅を広げました。
この人は次にどんなことをしてくるだろうかと予想しながら打つことを覚えましたから。

リアリズムの面前派

なのでリツミサンがどういう麻雀を打つ人なのかもよく知っています。
まず、面前派と言っても異色だとか、変わった麻雀を打つ人だとかそういうことはありません。
たしかに天鳳では珍しい面前派なのですが、そもそも麻雀プロを見ると面前派はゴロゴロしていますし、従来から天鳳打ちの方が鳴きすぎで異常なところもあるんです。
その麻雀プロの面前派のようなイメージで見ると肩透かしを食らうかもしれません。
従来の面前派の麻雀プロといえば手役派ばかりで良く言えばロマンを追求している、悪く言えば夢見がちなところがあるでしょうか。
これはもちろん天鳳と違って短期決戦なので爆発力が必要とか、トップが偉いので打点が必要とか、その方が見栄えがするとかいろいろ理由があると思います。
リツミサンはもちろん麻雀プロではないんですが、そういった手役派とは一線を画したスタイルを確立していて、中~高打点、好形和了りを目指すタイプであり、押し引きに関しても押し過ぎず引き過ぎず、どちらかというとリアリズムを追求しているという印象です。
それでいて後手を引いたときの押し返しのセンスなどは凡庸とはとても言い難いものがあります。
決して打点が欲しいだけで面前に拘っているわけではないのです。
その方が柔軟な対応が出来るからというのが大きいと思います。
鳴けば鳴くほどテンパイに近づく反面、ターツ選択の自由がなくなったり、安牌が少ないために押し引きも押し寄りにならざるを得なかったりして、実は面前の方が選択肢は多いんです。

自分も昔は鳴き派だったんですが、成長するに従って面前寄りになってきました。
独自の鳴きで活路を開いている人も中にはいるでしょうが、一般的には鳴き派の方が麻雀は簡単です。
特に牌効率の怪しい初中級者相手にはスピードで圧倒してしまうのが簡単で手っ取り早いと言えます。
しかし上級者相手ではテンパイスピードだけでは太刀打ちできなくなってきます。
その対応の1つの答えが面前を追及することです。

だからこれは上級者向けの内容です。
特に場況とか他家の動向を読むことに重点が置かれているので、上級者相手にしか通用しないところもありますし、読むこと自体もハードルが高いです。
しかし必ずしも面前派である必要はないし、面前派になる必要もないと思います。
実際副露率2割台まで下げるとかなり苦しくなってきます。
4割鳴いてる人はもしかしたら鳴きすぎの可能性があるので、本書を参考にしてもう少しじっくりと腰を据えて麻雀を打ってみるのも良いのではないでしょうか。
実際僕も昔は4割ありました。
その頃からリツミサンの麻雀を見ていますが、あまり違和感はなく、ちょっと真似出来ないなとか、参考にならないなとか思ったことはないです。
言うなれば王道の麻雀と言ってもいいくらいで、他の打ち手に比べてお手本にしやすかったのです。
他の打ち手は鳴きが多すぎて、真似すると不用意に他家と接近しすぎてしまうことがありました。

見るのではなく観ること

難点は立体図が多すぎるということです。
我々は普段麻雀を打ちながら、時間の経過と共に少しずつ場況を把握し、刻一刻と変わる状況にその都度対応しているので、立体図を見ることには慣れていません。
しかも牌の色とか景色で感覚的になんとなく把握しているところがありますから、白黒の立体図はどうしても見難く読んでてしんどいです。
理解できないわけではないですが、理解するのに時間がかかるのは事実ですね。
ただ「場況を見る」ということが本書の最大のテーマのようでありますし、立体図を提示した説明が多くなるのは致し方ないところでしょうか。

全体的に答えがはっきりしていない問題が多く、むしろ答えもはっきりさせない記述が多いので難解な印象を与えるかもしれません。
ジョジョの空条承太郎曰く「見る」のではなく「観る」ことが大事。
つまりよく観察することが大事ってことです。
個人的には曖昧で脆弱な理屈や根拠を元に答えはこうですと言い切られるよりは好印象です。
そもそも答えが分かっていても意味がないのが麻雀です。
本で読んだのと同じ場面は二度とやってきませんから、思考する過程を鍛えないと、実戦で新しく遭遇した場面で答えを自分の力で導き出すことはできないのです。
ですから答えよりも過程に拘る姿勢はよく理解できます。

読む人を選ぶ本だと思います。
麻雀の読みについての記述ばかりですから。
極端な話、読みなんてまったく使わなくても牌効率とベタオリだけ徹底すれば鳳凰卓にはいけるでしょう。
本書はそれ以上のレベルアップを望む人向けです。
ただし実戦で限られた思考時間の中からよく観察し、推測して打牌に結びつけるのは困難を極めるでしょう。
マニアックな麻雀の推理要素が面白いと思える人にも向いています。
ただ必ずしも面前派ではなくてもいいし、面前派を目指さなくてもいいです。
上級者なら麻雀のスタイルは問わずおすすめできます。

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