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2019年7月

朝倉康心「麻雀の失敗学」~レビュー

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Mリーグにかける熱い思い

朝倉康心(ASAPIN)の「麻雀の失敗学」を読みました。
ASAPINの著書は全て読んでいますが今回は満点の出来です。
天鳳からプロへ活動のフィールドを移し、今はMリーガー。
麻雀プロとして、Mリーガーとして生きる覚悟を感じました。
今回はMリーグの対戦中に起きた失敗を振り返り、反省するという内容ですが、失敗の内容もこんなのが失敗のうちに入るのかと驚く内容もあれば、まぁミスかもなぁと僕から見ても思う内容もあり、凡ミスとしか言い様がないようなものもあり、人間らしさを感じるとともに、プロとして厳しいプレッシャーや自分に期待するハードルの大きさを感じるものでした。
朝倉が日々悩み、もがき、反省しながらプロとして、Mリーガーとして生き抜こうとする様子が描かれています。
Mリーグにかける熱い思い、それが伝わる内容です。
その熱こそが本書の最大の魅力であり、これから朝倉がどうなっていくのか、Mリーグはどうなっていくのか、そこに目を向けずにはいられなくなるでしょう。
戦術的な内容が理解できるかどうかに関係なく、もうその熱だけでも面白いです。

上級者に通用する戦術

ただ、戦術的にも参考になるものがありました。
内容的には上級者向けですが、Mリーグは赤入り麻雀ということもあり、天鳳などでも通用しそうな戦術も多く書かれてあります。
しかし朝倉は天鳳鳳凰卓でずっと打っていたからか、Mリーグにフィールドを移して麻雀の質の違いに戸惑うところが見受けられます。
具体的には鳳凰卓よりMリーグの方が守備的な打ち手が多く、絞りがきついようです。
鳳凰卓もたいがい守備的過ぎてうんざりしてくるんですが、あれよりきついというのは想像がつきませんね。
そのへんも興味深く読んでいました。

今回は内容的には要するに牌譜検討です。
意外と今まで朝倉が書いていなかった内容です。
私も今まで朝倉(ASAPIN)の牌譜はたくさん見ました。
しかしASAPINの打牌はけっこう独特なところもあり、天才的で凡人から見ると理解しにくいところがあります。
牌譜を見ていても何故こういう打牌になるのかさっぱりよくわからない、見当もつかないということはあります。
Mリーグも同様でしょう。
解説者が打ち手の気持ちを忖度して、打牌の理由を推測するのですが、それが正しい保障はまったくありません。
これはMリーグを見ていてもよくわからないことです。
だから本人自身がこういう著書の中で解説することに価値があるのです。

今回は少しだけ朝倉(ASAPIN)の思考の一端を覗くことが出来ました。
やはり凡人には考えも付かない、とんでもないことを考えているなと思いました。
例えば平和ドラドラ1巡ツモ切りリーチなど、もし牌譜やMリーグの対局を見ていて目撃したとしたらうっかりミスにしか見えないでしょう。
どんなに考えても、誰が見ても思考を推測するのは不可能だったと思います。

牌譜検討と言っても失敗だけに注目し、反省するという内容なのですが、その失敗にいたるまでのプロセスや思考が詳細に書かれています。
それがまた参考になる内容で極端な話、結果はどうでも良いのです。
結果こそ失敗に終わったとはいえ、ほんの少し場況や状況が変われば正解に変わっていた可能性もあります。
選択は間違いであったと結論付けていても、そこに至るまでのプロセス、思考は鋭く研ぎ澄まされたものがあり、場況を的確に捉えて打牌に反映させようとしています。
その過程を見るだけでも充分なのです。

Mリーグに興味を持たせる内容

全体的にレベルの高い卓でないと通用しない読みの戦術が多く、鳳凰卓においては参考になりそうなものも多いです。
ただMリーグ独特の人読みを使った戦術もあります。
これはMリーグの固定面子と戦う場合においてのみ通用するので参考にならないところもありますが、Mリーグに興味ある人は興味深く読むことが出来るでしょう。
鳳凰卓は人が多すぎて人読みしてる余裕はほとんどないですが、三鳳では僕も人読みを使うことがあるので、なんとなく理解は出来る話でした。
打ち手の性格や傾向を知ると麻雀が面白いものになってきます。
Mリーグの面子やチームメイトの石橋、コバゴーの紹介などもあって、打ち手の性格や傾向を本書から伺い知ることが出来ます。

全体的にMリーグに興味を持たせる内容になっていて、かつ上級者にとっても参考になる戦術が多いです。
この2つを両立していることが何よりポイントが高いですね。

超メンゼン主義麻雀~レビュー

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リツミサンと雀荘戦

リツミサンの「超メンゼン主義麻雀」を読みました。

個人的にリツミサンの麻雀は配信とか牌譜とかでよく見させてもらっていて、自分の麻雀にもすごく影響を受けています。
本書に興味を持ったのもそのためです。
昔は雀荘戦でもよく当たったし、当時から既に天鳳段位戦で結果を残しておられましたが、雀荘戦においても収支、順位、レート全てにおいてずば抜けているところがありました。
ちなみに本書のコラムで登場する真鱈さんや奈落の王さんも雀荘戦でよく対戦した面子です。
彼らは恐ろしく強く、鳳凰クラスの麻雀というものはどんなものかということを身を持って教えていただきました。
鳳凰卓を知らない僕にとってそれは衝撃的で、他の誰に感じたこともない、とてつもない威圧感を感じたのです。
その頃から人読みをする癖もつきました。
無数の得体の知れない相手と対戦する特上卓などと違って、雀荘戦の面子は固定的で自分の麻雀の幅を広げました。
この人は次にどんなことをしてくるだろうかと予想しながら打つことを覚えましたから。

リアリズムの面前派

なのでリツミサンがどういう麻雀を打つ人なのかもよく知っています。
まず、面前派と言っても異色だとか、変わった麻雀を打つ人だとかそういうことはありません。
たしかに天鳳では珍しい面前派なのですが、そもそも麻雀プロを見ると面前派はゴロゴロしていますし、従来から天鳳打ちの方が鳴きすぎで異常なところもあるんです。
その麻雀プロの面前派のようなイメージで見ると肩透かしを食らうかもしれません。
従来の面前派の麻雀プロといえば手役派ばかりで良く言えばロマンを追求している、悪く言えば夢見がちなところがあるでしょうか。
これはもちろん天鳳と違って短期決戦なので爆発力が必要とか、トップが偉いので打点が必要とか、その方が見栄えがするとかいろいろ理由があると思います。
リツミサンはもちろん麻雀プロではないんですが、そういった手役派とは一線を画したスタイルを確立していて、中~高打点、好形和了りを目指すタイプであり、押し引きに関しても押し過ぎず引き過ぎず、どちらかというとリアリズムを追求しているという印象です。
それでいて後手を引いたときの押し返しのセンスなどは凡庸とはとても言い難いものがあります。
決して打点が欲しいだけで面前に拘っているわけではないのです。
その方が柔軟な対応が出来るからというのが大きいと思います。
鳴けば鳴くほどテンパイに近づく反面、ターツ選択の自由がなくなったり、安牌が少ないために押し引きも押し寄りにならざるを得なかったりして、実は面前の方が選択肢は多いんです。

自分も昔は鳴き派だったんですが、成長するに従って面前寄りになってきました。
独自の鳴きで活路を開いている人も中にはいるでしょうが、一般的には鳴き派の方が麻雀は簡単です。
特に牌効率の怪しい初中級者相手にはスピードで圧倒してしまうのが簡単で手っ取り早いと言えます。
しかし上級者相手ではテンパイスピードだけでは太刀打ちできなくなってきます。
その対応の1つの答えが面前を追及することです。

だからこれは上級者向けの内容です。
特に場況とか他家の動向を読むことに重点が置かれているので、上級者相手にしか通用しないところもありますし、読むこと自体もハードルが高いです。
しかし必ずしも面前派である必要はないし、面前派になる必要もないと思います。
実際副露率2割台まで下げるとかなり苦しくなってきます。
4割鳴いてる人はもしかしたら鳴きすぎの可能性があるので、本書を参考にしてもう少しじっくりと腰を据えて麻雀を打ってみるのも良いのではないでしょうか。
実際僕も昔は4割ありました。
その頃からリツミサンの麻雀を見ていますが、あまり違和感はなく、ちょっと真似出来ないなとか、参考にならないなとか思ったことはないです。
言うなれば王道の麻雀と言ってもいいくらいで、他の打ち手に比べてお手本にしやすかったのです。
他の打ち手は鳴きが多すぎて、真似すると不用意に他家と接近しすぎてしまうことがありました。

見るのではなく観ること

難点は立体図が多すぎるということです。
我々は普段麻雀を打ちながら、時間の経過と共に少しずつ場況を把握し、刻一刻と変わる状況にその都度対応しているので、立体図を見ることには慣れていません。
しかも牌の色とか景色で感覚的になんとなく把握しているところがありますから、白黒の立体図はどうしても見難く読んでてしんどいです。
理解できないわけではないですが、理解するのに時間がかかるのは事実ですね。
ただ「場況を見る」ということが本書の最大のテーマのようでありますし、立体図を提示した説明が多くなるのは致し方ないところでしょうか。

全体的に答えがはっきりしていない問題が多く、むしろ答えもはっきりさせない記述が多いので難解な印象を与えるかもしれません。
ジョジョの空条承太郎曰く「見る」のではなく「観る」ことが大事。
つまりよく観察することが大事ってことです。
個人的には曖昧で脆弱な理屈や根拠を元に答えはこうですと言い切られるよりは好印象です。
そもそも答えが分かっていても意味がないのが麻雀です。
本で読んだのと同じ場面は二度とやってきませんから、思考する過程を鍛えないと、実戦で新しく遭遇した場面で答えを自分の力で導き出すことはできないのです。
ですから答えよりも過程に拘る姿勢はよく理解できます。

読む人を選ぶ本だと思います。
麻雀の読みについての記述ばかりですから。
極端な話、読みなんてまったく使わなくても牌効率とベタオリだけ徹底すれば鳳凰卓にはいけるでしょう。
本書はそれ以上のレベルアップを望む人向けです。
ただし実戦で限られた思考時間の中からよく観察し、推測して打牌に結びつけるのは困難を極めるでしょう。
マニアックな麻雀の推理要素が面白いと思える人にも向いています。
ただ必ずしも面前派ではなくてもいいし、面前派を目指さなくてもいいです。
上級者なら麻雀のスタイルは問わずおすすめできます。

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人読みの戦術

三麻九段になりました。
たくさんのいいねありがとうございました。
時期によって打ったり打たなかったりしていますが、長い年月三鳳を打ってきました。
サブアカで打つこともあります。
九段に昇段するのは今回が初めてです。
ずっと昔から三麻と四麻で九段になるのが目標だったのですが、実際なってみると頑張ればまだ上へ行けるんじゃないかという気がします。
最初のうちは頑張っても九段止まりだと思っていたし、そこから先は想像も付かなくて無理だろうなと思っていました。
これからは三麻の十段を目標にします。
ですがとりあえずは四麻で九段になろうと思います。
四麻の十段は今でも想像がつかないです。

最近の三鳳は攻撃的な打ち手が減ってきたと感じます。
面子も大半が入れ替わり、見慣れない名前も増えてきました。
最近は四鳳と三鳳ばかりですが、かつては雀荘戦を打っていたり、特上を打っていたり、いろいろなフィールドで打ってきた経験から、僕は人読みをする癖がついています。
おおまかに面子の性格や卓の傾向を把握するのは大事なことです。
特に面子の実力は必ず見ておく必要があります。
ある程度打てる人が相手でないと、アシストは期待できないし、迷彩も効果がなかったりするので、打ち方は必然的に変わってくるからです。
実力がある相手であっても、攻撃的な打ち手と守備的な打ち手、役牌を絞る打ち手とそうでない打ち手、よく鳴く打ち手と面前派では対応が変わってくると思います。
知らない名前の人が増えてきて大変ですが、1人1人の打ち手の傾向を根気よく探ることが必要になってきます。
事前情報がないなら対戦中に探ることも必要になってくるでしょう。


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神速さんとロジカルさんは三鳳界でもトップクラスに堅い打ち手です。
特に神速さんは現状6万点持ちのトップ目で、かなり堅くなっています。
チートイのような河で、安牌を多めに持ちながら手を進めているのが分かります。

ここでこの先の展開を予想するのですが、9p切ってスジの8p待ちでリーチはバレバレなので、絶対に振り込んでくれません。
詳しい解説は省きますが、9p切りのリーチだとソバテンの8pのシャンポン待ちの可能性が高いと読まれるのが当たり前なのです。
8p切りでペン7p待ちのリーチはスジ待ちですが、これもソバテンなので必ず警戒されます。
そこで一旦8pを切ってダマにする、何巡か後に何かソーズの牌をツモってきてカラ切りでリーチすることも考えました。
これなら7p待ちとはさすがに思われない。
多少警戒していても他に安全な牌がなければ切るしかないのでなかなか良い待ちです。
ですが、そもそも神速さんはぶっちぎりのトップ目で和了りに行く気があまりなさそうに見えます。
捨て牌もチートイっぽくて安牌を多く持ってそうです。
打ち手の性格的にもあまり攻撃的ではないです。
なので、迷彩ありの7p待ちでもおそらく出ることはないでしょう。
安全牌が足りていて、現物だけ切って逃げ切られるのではないでしょうか。
それどころか、ダマテンにしていても7pは止められる可能性があります。
もう中盤に差しかかってますし、実はその前の局でも2000点の平和テンパイをダマにしていましたから、リーチする気はなさそうです。
そうなるといくらスジの安全そうな7pとはいえ止められる可能性があります。

ダマにせよ、リーチにせよ、7p待ちにせよ、シャンポン待ちにせよ、迷彩つくってからリーチにせよ、どれも和了率に大差ないと感じたため、一番打点が高くなる待ちでリーチにしました。
これがもう少し攻めっ気が強い相手なら7p待ちでダマもありではないかと思います。


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所変わって特上で打つことになりました。
雑魚狩りではありません。
昇段戦で鳳凰でトップを取るとポイントが余るので、特上でポイントが足りる状況だったのです。
ここでもまた人読みがあります。

上家はドラポンしていて、捨て牌はホンイツに向かっているような河。
正直言って僕は特上を舐めていました。
鳳凰卓なら面子のレベルを考慮して、白を切っていたでしょう。
打点が足りているのに、役牌トイツ2組あって無理やり染めにいくことは考えにくいからです。
役牌トイツ2組あればもう少し手なりのような河になっているはずです。
しかし特上の面子は何をしてくるのか分からないという意識がありました。
効率を無視した手順を踏むかも分からず、白が鳴かれるかもしれないと反射的に思ってしまった。
ましてや昇段戦で、ほんの少しのリスクも取りたくないという意識が働いてしまった。


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一旦1pトイツ落とししてカン8sテンパイしますが、これを拒否し


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裏目の8sを引いて「しまった!」と思いました。
この「しまった!」と思ってしまったことがいけなかった。
フリテンでも3面張ならかなり勝負になります。
ここは絶対に白を切ってテンパイを取るべきだったのですが、動揺していたのでテンパイ取らずにオリてしまいました。
この後親もオリてしまい、上家に倍満をツモられてしまいます。

結局、特上に場所を変えて人読みに頼りすぎたことが仇となりました。
慣れない特上で戸惑いはありました。
普通に打てば和了れるはずのものを和了れなかった。
自分が和了らなくても親がなんとかするだろうと思っていました。
普通はドラポンされたら親も警戒するところなのに、実力を舐めていたから警戒などしないだろうと思っていた。
完全にナメプだし、最近打った中ではもっとも大きな失敗です。

特上では読みに頼りすぎたというかナメプして失敗しましたが、逆に三鳳ではそれだけ必死に相手の動きを読んでいたのだと思います。
それが良い結果に繋がったという実感もあります。
鳳凰卓はやはりすごい場所です。
みんな合理的な選択をしてくるし、だからこそ相手の動きを正確に読んで、打牌に結びつけていくことが勝つために必要なことなんだと思います。

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