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鳴きのメリット、デメリット

最近四麻を打っているとよく思います。
テンパイスピードが速いということはそんなに偉いことなのだろうかと。
今までがそのことを自分自身としては意識しすぎていたかもしれません。
麻雀界全体としての風潮もそうでした。
例えば、福地本、科学する麻雀、近代麻雀のコラム麒麟児の鉄鳴きなど。
そういったメディアを通して、とにかくテンパイスピードが速いことこそが正義である、みたいな風潮があったと思います。
また、それこそが最先端の麻雀戦術でもありました。
それが、書籍現麻やアサピン本の登場により見直され、修正されつつあります。
現麻はテンパイスピードに加え、打点や手役も含めた、包括的牌効率が学べる教則本です。
また、アサピン本は自分の手の都合ばかり考えず、他家からの目線を考慮した、精度の高い仕掛けを磨くことが大事である、というようなことが書かれています。
面前至上主義のような、古い価値観に回帰したということではまったくありませんが、やっぱりそれなりのバランスでテンパイスピードを考えましょうというところに落ち着いてきたのです。

僕自身はそういう風潮に感化されたというか、むしろ前々から抱いていた感覚に確信を得たというかんじでした。
きっかけは鳳凰卓の麻雀を体験したことです。
そのときに、テンパイスピードばかり追っていては勝てないと感じたのでした。
特に強く感じたのは、強者との対戦になるほど鳴きのメリットは小さくなり、デメリットは大きくなるということです。
ここで改めて、鳴きのメリット、デメリットについて考えてみたいと思います。
まず、メリットについて。

  1. テンパイスピードが上がる
  2. 和了率が上がる
  3. 放銃率が下がる
  4. 打点が上がる
  5. 愚形を解消できる
  6. 一発を消す
  7. ハイテイをずらす
  8. リーチ者のツモを消す
  9. 自分のツモ番を消せる
  10. けん制できる
  11. 安手をアピールできる
  12. 待ちを知らせることができる

まず、1について。
テンパイスピードが上がるのは、最大にして典型的な鳴きのメリットだと思います。
ですが、強者との対戦では牌を絞られたりするため、そのメリットは相対的に薄まっていると言えます。
テンパイスピードが上がっても、和了率が上がったことにはならないことにも注意です。
強者との対戦では、鳴き読みによっておおよその打点や当たり牌は読まれてしまいます。
そのため強者との対戦ほど当たり牌は止められて、和了率が下がってしまいます。
リーチに比べたら鳴きは他家の警戒度が薄れ、和了率が高くなるのが普通ですが。
そのメリットも薄れているということです。

3の放銃率が下がるというのは、攻撃は最大の防御理論で、先に自分が和了り切ってしまえば放銃することもなくなるという意味です。
ですが、これも強者との対戦では鳴き読みによって当たり牌を止められ、その上で手をつくってリーチや仕掛けをかぶせてくるので、和了り切ってしまう前に放銃してしまう機会も増えるでしょう。

4の打点が上がるというのは、染め手やトイトイなどで、面前手より高い手をつくることです。
仕掛けると面前より打点が下がってしまうのが普通ですが、仕掛け役によっては高い手をつくることも可能になります。
ですが、これも強者との対戦では牌を絞られて、高い手をつくるのが困難になります。
高い手の仕掛けというのは、テンパイからは遠いところから仕掛けることになりがちです。
レベルの高いメンツ相手では、高打点の仕掛けを成就させることは困難です。

5の愚形を解消できるというのは例えば

三萬五萬八萬八萬一筒二筒二筒六筒七筒二索赤五索六索七索

このような手であれば、4m8m2pは仕掛けないと、愚形テンパイ率が上がってしまいます。
これはメンツのレベルに関わりなくメリットがあります。
牌を絞られたとしても、ひとつでも愚形を解消できるなら充分でしょう。

6の一発消し、7のハイテイずらしもメンツのレベルに関わりのないメリットです。

8も詳細は割愛しますが、ポンの仕方によってはリーチ者のツモをひとつ減らすことができます。
9は流局テンパイ料狙いでケイテンを取りたいときに使える技です。
詳細はアサピン本に書いてあります。
これらも稀ながらメンツのレベルに関わりなくメリットがあります。

10のけん制に関しては、逆にメンツのレベルが上がるほどメリットが大きくなります。
メンツのレベルが上がるほど、良くも悪くも仕掛けを気にしてくれるからです。
バラバラの手からドラだけポンしたり、ホンイツ仕掛けに見せかけたりして脅す、と
いったようなことに効果が期待しやすくなります。
また、これは1のメリットのひとつになりますが、状況によっては、ひとつ仕掛けると、上家が鳴ける牌をあえて切ってアシストをしてくれることがあります。
これは上級者以外やってくれないので、状況によってはメンツのレベルが高くても、テンパイスピードが上がる効果の大きい仕掛けというのはあります。

11と12もレベルの高い卓ならではのメリットです。
オーラスでラス抜けしたいときなどに、あえて打点や待ちを他家に読ませれば、差し込みに期待できます。

まとめるとテンパイスピードが上がるメリット、和了率が上がるメリット、放銃率が下がるメリット、打点が上がるメリット。
これらのメリットが強者との対戦では軒並み下がることになります。
逆に、けん制のメリットだけは上がり、状況次第でアシストによるテンパイスピードアップの効果と、安手アピールや待ちを読ませることにより、差し込みに期待もできます。
続いて鳴きのデメリットについて考えてみます。

  1. テンパイスピードが下がる
  2. 打点が下がる
  3. 和了率が下がる
  4. 放銃率が上がる
  5. 愚形テンパイ率が上がる
  6. 他家のツモを増やしてしまう
  7. リーチ者にハイテイを回してしまう
  8. けん制できなくなる
  9. 打点が読まれる
  10. 待ちが読まれる

鳴けばテンパイスピードは上がるのが普通ですが、1は高打点狙いの仕掛けをしたときに発生するデメリットです。
無理チンイツ、無理ホンイツなど、メンツのレベルが上がるほど牌が絞られてテンパイが遅れ、デメリットは大きくなります。

2の打点が下がるというのは、鳴きの典型的デメリットのひとつです。
メンタンピンドラの満貫クラスの手を鳴いたら2000点になってしまいます。
あまりメンツに関わりのない項目ですが、レベルの高い卓ほど全体としての和了率が下がるため、相対的に安手になるデメリットは増していると言えるかもしれません。
和了率が低いなら、その分打点を上げないと勝てませんから。

3の和了率が下がるというのは、鳴きによって手牌が読まれ、当たり牌が止まることによるものです。
鳴けば和了率は上がるのが普通ですが、見え見えのホンイツ仕掛けなどは面前より和了率が下がることがあります。
これはメンツのレベルによって顕著に表れます。

4の放銃率が上がるというのは、手牌が短くなって守備力が下がるという意味です。
これも鳴きの典型的デメリットのひとつですが、レベルの高い卓ほどリーチに対して的確にオリてきて、なおかつ押しも少なくなるので、安牌が増えにくいです。
よって強者との対戦ほどデメリットが大きくなると言えます。
また、手牌が読まれて当たり牌が止まることで、和了り切る前に他家から反撃を喰らって放銃する機会も増えます。

5の愚形テンパイ率が上がるというのは、テンパイスピードを優先するあまりに良形ターツから捌くと、浮き牌がくっついて良形ターツに変化する前に捨てられてしまうため、かえって愚形テンパイ率が上がってしまうというような話です。
これはメンツのレベルに関係ないですが、仕掛け方によってはデメリットが大きくなってしまうので、なんでもかんでも鳴くのは考えものです。

67は流局間際に気をつけるべき点です。
メンツのレベルには関係ありません。

8のけん制できなくなるというのは、面前リーチを捨てるという意味です。
面前リーチによる強力なけん制効果を捨ててしまうデメリットは、メンツのレベルが上がるほど大きくなります。
メンツのレベルが高いほど、仕掛けよりもリーチを嫌がります。
仕掛けの待ちや打点は読めても、リーチの待ちと打点は読めないからです。

9と10はレベルの高い卓ならではのデメリットです。
打点が読まれると安手なら舐められて、高い手なら警戒されます。
舐められるのは特に問題ないですが、警戒されると当たり牌も鳴き牌も出なくなります。
待ちも読まれれば当たり牌は出にくくなります。

まとめると、レベルの高い卓では高打点狙いの仕掛けが成就しにくい。
和了そのものが数多く望めないので、安手の仕掛けより、面前の高い手をモノにしたい。
他家の受けを最大限に意識したいので手牌を短くしたくない。
できるだけ鳴かずにリーチによるけん制効果を生かしたい。
手牌を晒して待ちと打点を読ませたくない。
全体として鳴きに魅力が薄く感じられるようになって、デメリットが目立つように感じられます。

やはりこうして考えても、レベルの高い卓での鳴きの比重は相対的に低くなっているように思います。
鳴くにしても出来るだけ少ない副露数でテンパイするとか、そのへん工夫してやらないとなかなか和了れません。
逆にけん制による効果は突出して高くなり、アシスト差し込み期待など、高レベル卓ならではの効果のある鳴きというものもあって、そこはかなり研究の余地があります。

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