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勝つための現代麻雀技術論~感想

51aw8zsn5l__ss500__4 現代麻雀技術論、通称現麻の書籍版、今やっと読み終わりました。
読み終わるのに一週間くらいはかかったでしょうか。
最近、月に数冊程度、読書をするようになったのですが、ジャンルを問わず、1冊読み終わるのは1日あれば十分です。
それが気付けばこの1冊読むのにこんなにかかってしまっていたんですね。
異常なペースです。

事前に想像していた内容と少し違いました。
最初福地さんが、現麻の書籍版をつくると言い出したときに、良いところに目をつけたなぁと思ったんですが、あのままの内容で書籍にしてもマニアックすぎるだろうと思いました。
おそらく、福地さんも内容を大衆向けにアレンジして出すつもりなんだなと思っていました。
ネマタさんがアイドルだとしたら、福地さんはプロデューサーみたいなもんでしょう。
そのへんに居る、かわいくて歌の巧い女の子を連れてきて、そのまま売り出しても売れないだろうと。
僕はアイドル好きではないので全然よくわかりませんが、大衆受けするためには、キャラ付けをしたり、その子に合った売り出し方をするなり、プロのノウハウが必要なんだろうと思います。
そうでなければ一部のマニアにしか受けない、ただのローカルアイドルで終わってしまいます。

なので、もっと大衆的な読みやすい本を期待していたのですが、中身を見てみると現麻のサイトそのままか、それ以上に難解でマニアックな内容だったので、こんな内容でいいのだろうかと、人事ながら不安を抱いてしまいました。

前評判が高く、かなり売れてはいるみたいですが、ユーザーの満足度はどうなんでしょうか。
難解で途中で読むのを投げ出したとか、そういう話も聞こえてきます。
もっと大衆受けする内容にアレンジして売り出すのだろうと思っていたんですが、おそらく福地さんもそのつもりだったにも関わらず、ネマタさん原稿のあまりの文量を見て、半ば投げ出したのだろうと思っています。
わざわざ前文に但し書きをつけて、「ガチになって読むと挫折します」とか書いてあるくらいですし、半ば開き直りに近いですね。
無理もないことです。
福地さんとネマタさんでは麻雀戦術に対するアプローチが違いすぎて、書き直すのが相当困難か、内容を詰め込みすぎていて、書き直すと内容が薄まってしまう可能性があったか、そのへんの問題があったのだと思われます。

ただ、それを考慮した上でも、もう少し読みやすくはなったのではないかと思う点がないでもありません。
例えば、本書では受け入れ枚数のことを「受け」と呼んでいるんですが、これは紛らわしいのでやめて欲しかったですね。
受けと言えばリーチに対して受ける(オリに回る)とか、手牌の受けを重視すると言えば、他家からいつリーチが来てもいいように、守備的な構えにするという意味にしか認識しないです。
シャンテンが進む受け入れ枚数のことを「受け」と略すのはややこしいです。
前後の文を読めば理解できなくはないですが、内容がダイレクトに頭に入ってきません。
読んでて眠くなっちゃいますね。

また、ターツを表すのに数字を使うのもやめて欲しかったですね。
ちゃんと牌図使って表現して欲しかったです。
単独ターツくらいならまだいいですが、両翼形と称する
23345667みたいな形を縦書きで書かれたら、もうわけがわかりませんね
僕は何切る問題を英数字で表すのが嫌いなので、ツイッターで投稿するときも天鳳牌理のURLを貼ってます。
横書きですらピンとこないのに、縦書きなんて分かりませんって。
そのへんの親切設計が足りてないところがあります。

他にも内容を詰め込みすぎて説明不足だったり、抽象的だったりして全体的に読み難い印象がありますね。
それは内容の濃さと比例するところもあるので、しょうがないところもありますが。
ただその代わりと言ってはなんですが、講座ごとに福地さんのコメントが挟まっています。
レバニラ定食がどうとか、くだらない内容もありますが、これが一種のオアシスになっています。
福地さんのコメントなしではこの本は堅すぎて読んでいられないでしょう。
くだらない内容が逆に中和の役目を果たしています。

後はこれを読者が受け入れるかどうかの問題ですね。
内容的には間違いなく実践的で役に立つものです。

最近、プロの麻雀本もいくつか読んだんですが、彼らの戦術論は説得力に欠けます。
曖昧で脆弱な、経験則や主観や信条といったものを拠り所として、持論を展開するプロがあまりにも多すぎますね。
その点では、ネマタさんの場合、統計データを参照したり、シミュレーションしたり、デメリット、メリット、客観的事実全てを洗い出して比較、考察を行っているのが分かるので信用が置けます。

例えば天鳳の鳳凰卓に上がるため、もしくは鳳凰卓勝ち組を目指すにあたっても、最適な指針となる一冊です。
全編通して読むのは大変ですが、押し引きに迷ったら押し引きの項目を紐解いてみるとか、何かしら疑問に思うたびに、辞書のように本書を紐解いていけば役に立つと思います。
体系的戦術本としては、魔神本(魔神の攻めと魔神の読み)と、現麻の三冊がおすすめです。
渋川さんは十段にもなられていますし、実績があるので信用も置けます。
現麻の方が内容は濃いですが、魔神本は分かりやすく重要なポイントが押さえられている良本です。
この三冊を基準に自分なりの戦術を構築していくと良いと思います。
ただそれには困ったことも少しあります。
基本的に渋川さんもネマタさんもデジタルで、そこは共通するのですが、ところどころ戦術や志向が違っています。

二萬二萬三萬三萬一筒一筒四筒四筒六筒一索一索五索五索西ドラ六筒

書籍現麻の30pから。
例えばチートイツテンパイの単騎待ち選択について、現麻では中張牌ドラ切りで、西単騎待ちが収支的に有利と書かれています。
ところが魔神本ではほぼ同じ牌姿で、字牌切り中張牌ドラ単騎にした方がいいと書かれています(魔神の攻めp18参照)。
収支戦想定の本でしたが、祝儀2000でもそうするということは、おそらく天鳳でも中張牌ドラ単騎に受けるのでしょう。

これは自分もどっちが正しいのかわかりません。
魔神本を読む前は自分も字牌単騎派でした。
それが魔神本を読んでからは、半信半疑で中張牌ドラ単騎でリーチをかけるようになったら割としっくり来たんです。
自分なりの考えをここで言うと、チートイツはツモで点数が上がりやすいので、出来れば出和了りよりもツモりたい役なんです。
ところがチートイツという役は、出和了りしやすいように出来ていて、単騎待ちでしか待てないから、自然とヤオチュー牌の出和了りしやすい待ちや、スジでひっかける待ちが多くなります。
構造的に相反する要素を抱えているんですが、唯一、ドラ単騎ならリーチすればほぼ出ないですし、ほとんどツモ専みたいなものです。
和了率は当然下がりますが、和了ればほぼ必ず跳満ですし、裏乗れば倍満まであります。
チートイのみの字牌単騎ではたったの3200で終わってしまいます。
字牌は誰も止めないので、ツモよりロンの方がずっと多いですから。

中張牌ドラ待ち先制リーチで、他家全員オリて流局テンパイ収入でも3000点浮くので、それとあまり変わらないんですよね。
ドラ単騎は打点効率がかなり高いと考えています。
ただ、現麻では字牌単騎の方が収支で勝ると書かれているのでどうなんでしょうね。
それもシミュレーションした結果なんでしょうし。

一萬一萬六萬八萬二筒三筒三筒六筒七筒二索四索七索八索九索ドラ六筒

書籍現麻のp76から。
もうひとつ気になるのは、ターツオーバー2シャンテンの捌き方です。
魔神はおそらくここから3pを切るはずだと思うんですが、ネマタさんは2s切り推し。
ネマタ打法は全体的に5ブロック寄りです。
そして場況はほぼ考慮に入っていません。
牌姿を平面的に捉え、純粋に弱いターツを見極めて切っていくのが基本のようです。
3pを切ればカン7mとカン3sの選択を先延ばしすることが出来て、後々場況に応じてどちらかのターツを選べるメリットがありますが、おそらく、ネマタさん的には3pを浮き牌として捉えているフシがあります。

一萬一萬六萬八萬二筒三筒三筒四筒六筒七筒七索八索九索

こんな形に変化したら強いってことじゃないでしょうか。
233pが223pの形だったら2pを切るのかもしれません。
3p切りにも2s切りにもそれぞれメリットがあり、正着の判別は付きません。
場況判断にあまり自信がない人はネマタ打法がいいんじゃないでしょうか。

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コメント

ネマタ本レビューありがとうございました。参考にさせていただきます。
書店によったらなかったので助かりました。私自身はほぼ秋刀魚しか打たないのですが、
この間の福地さんの配信で「牌効率的に細かいのでむしろ秋刀魚にこそ使える」的な発言がありましたのでぜひ購入してみようと思います。

確かにドラ単騎にもとれるチートイのリーチ判断はいつも迷いますね。
ドラが字牌なのか19牌なのかチュンチャンパイなのかで変わると思いますし。
さらにそのドラが1枚切れなのか生牌なのかでも判断微妙になると思うんですよね。
私自身は出上がりを重視しているので、よさそうに見える単騎でリーチしています。
特に秋刀魚だと北ドラがあるのでリーチさえすれば6400以上になることが多いのと、
やはり出やすさによる一発も大きいと思っているからです。

>ななしさん
三麻にも実際使えます。
ネマタさんは天鳳三麻の高段位者でもありますし、5ブロック寄りの手順も四麻より三麻の方が正着になりやすいと感じました。

中張牌のドラ単騎はいまだ自分の中でも消化仕切れませんね。
染め手や国士やってる他家が居てドラ待ちでダマにするときもありますし、親の捨て牌濃くて北2枚以上抜いてるとかなら字牌で待とうって思いますし、実際場況に左右されることが多すぎますね。
でも、三麻の高段位者で字牌より中張牌ドラ待ちにすると言ってた人も居たので、三麻でもどっちが有利になるのかわからないですね。
僕の中では北1枚抜きか、赤1枚持ち以上なら字牌待ちの方が有利というのが一応の結論です。

チートイドラ待ちか字牌かですが、リアルならドラ待ち、天鳳なら字牌待ちが多いです。
ラス回避か、トップ取り・素点も大きくしたいということで判断しています。

>こたさん
おひさしぶりです。
天鳳だと東場ならドラ単騎でリーチしたいですね。
一度大物手を和了ればラス回避は確実になります。
南場だったら字牌待ちにしますね。

>本書では受け入れ枚数のことを「受け」と呼んでいるんですが、これは紛らわしいのでやめて欲しかったですね。

「受け入れ枚数」というか「受け入れ」の事を「受け」と普通に使ってました。
4578sで「6sの受けが被ってる」とか、そんな用法で。
あまり一般的ではないのかな?

>とおる@三麻十字軍さん
ありますね。
受けがかぶるとか、二度受けとか。
それは一目見れば意味が分かるのでいいんです。
でも手牌の受けを重視すると言ったらそれは守備のことですよ。
そっちの意味の方が一般的です。
本書ではその手の言い回しが頻発するのでややこしいですよー。

>手牌の受けを重視する
確かにこれは解り難いですね、納得です。

>とおる@三麻十字軍さん
ですよねー。
福地さんが直してくれたらよかったんですが。

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