データで勝つ三人麻雀~レビュー

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三鳳卓を実際に打つのと同じ効果が得られる

「データで勝つ三人麻雀」を読みました。
本書に関わっているのはみーにん、福地誠、abantes三麻天鳳位の三人です。
データを採っているのはみーにんさん。
そのデータを元に三麻戦術を組み立てる構成になっています。
そのデータというのは全部天鳳の三麻鳳凰卓から採っているようです。
私が何千戦打った分も当然入ってるわけですよね。
三鳳は打ってる人数自体は少ないですからきっと入ってると思います。

本書は三鳳打ってる僕からすると割と当たり前のことが書かれています。
全部三鳳のデータですから、三鳳を打っている人間がアナログ的に感じたこととさほど違いはないんですね。
とはいえ、何千戦と打って経験の中から長い年月をかけて導き出していく答えや感覚よりも、データを見る方が一目瞭然です。

私の場合は答え合わせに使いました。
今まで三鳳を打った経験の中で培った感覚や答えが合っているかどうかの確認のためです。
大きくズレはなかったように思います。
データを正しく読み取りさえすれば、実際に打って経験を積んで感じることと同じ答えが得られるのだなと思いました。
実際に打たなくてもある程度概要がつかめるという意味でこれは画期的な本です。

これを機に三鳳卓のレベルが上がってくるのか、あるいは三鳳の人口が増えて卓が立ちやすくなってくるのか。
なんだかんだ言っても最後にものを言うのは経験と本人の努力なので、後者の方かなと思います。
おそらく中級者の方は上達するにあたってものすごく助けになると思います。

僕は三麻を打ち慣れていますし、四麻もよく打つので違いはそれなりによく分かっています。
ただ四麻の強者の方でも三麻を打たないという人は本書を読めば新鮮なことばかりでしょうし、あっという間に対応して上達していくと思います。
これを機に三麻を始めてみると良いんじゃないでしょうか。

データには一部偏りがある

ただ唯一認識のズレがあったのがリーチ判断の項目です。
これは明確にデータの読み取り方が間違っているんじゃないかと思います。

私の場合は役あり愚形全般、子の平和のみテンパイはほぼダマにすることが多いのですが、本書においてはリーチせよと書かれています。
自分の判断に絶対の自信はないのですが、この本の結論には疑問が残ります。
というのは三鳳の役あり愚形リーチというのは打ち手が場況的に和了れる自信があって打っているのが大半なのであって、それをかき集めて局収支の平均を計算すれば局収支は思った以上に良いとなるのは当然のことだからです。
逆に良形平和の跳満リーチは和了れる自信がない場合が多いと思います。
ダマっていても場況的に出和了りが期待できないときです。
こういうリーチは局収支の期待値が低いです。
だからこういうリーチばかりを集めてデータを採ってみても、局収支は思った以上に低いものにしかならないわけです。
逆にダマにするのは決まって場況の良いときばかりですから、ダマが局収支有利なのは当然の結果とも言えます。
こういった偏りのあるデータを元にリーチすべき、ダマにすべきと結論づけることはできません。
正確なデータを得るなら、場況に関係なく全部ダマを選択するAI、全部リーチを選択するAIを、それぞれ平均的な三鳳民のようなまともな判断と雀力を持つAIと数多く対戦させてみてデータを採ってみるとか、そういうことをするしかないんじゃないでしょうか。

結局は場況次第となってくるのですが、三麻は割と良形平和の満貫、跳満はリーチ寄りです。
ツモ損だからダマにするという人も多いのですが、僕は損だと思っています。
四麻はダマ寄りですね。
理由は他家が三人居て、リーチを打つとオリられてしまい、和了率の低下の影響が大きいからです。
このあたりもデータによって根拠が示されると思っていたのですが、こればかりは採取するデータの内容が偏りすぎて当てにはなりませんでした。
このあたりはみーにんさんも自覚があるのか、データが正確ではない、偏りがあると述べています。
要は人間が打ってるので正確さには限界があるということです。
そのあたりを念頭に置いた上で本書のデータを活用すべきだと思います。 

リーチ判断以外の項目は概ね間違いがないです。
北何枚抜きに対する押し引きの局収支、テンパイに押す牌の危険度の差など。
このあたりは打ち手の思考がそこまで反映されておらず、単に事実として残っているだけで著しく偏りの生じるデータではないからです。

バランスと読みやすさに優れた良書

全体的に読みやすい本です。
前書きで福地さんが文章がつまらない、眠くなると書かれていますがそんなことはないです。
少なくとも現代麻雀よりははるかに読みやすいと思います。
表やグラフも牌図を見るよりは楽です。
ツモ損なしのMJルールなどにも対応していますが、これは天鳳の三鳳卓の牌譜解析を元に失点得点の期待値などをMJ向けに計算し直したもので、概ね納得できるもの。
abantes天鳳位のコメントも頭でっかち、机上の空論になりがちなデータ戦術論に、アナログな実戦感覚が反映されてバランスが取れています。

三麻みたいなマニアでニッチな層向けにはちょっともったいないくらいですね。
むしろ四麻と同じ戦術で通用することも多くあるので、三麻やらなくても読んだ方がいいです。

内切りカンチャンの読み

東1局西家、ドラ西

九萬白一索發六筒八筒横白

※6p8p、宣言牌の白は手出し

こんな捨て牌の他家からリーチがかかりました。
このリーチの待ちを読んでみましょう。
1つ大事な前提があるのですが、今回は手出しを確認してないと読めるものも読めなくなってしまうということです。
過去に検証したリーチの待ち読みは、手出しは見なくても通用するものでした(宣言牌だけ手出しなのを確認すれば充分)。
今回は68pのカンチャンターツを手出しで切ったという確実な情報がなくてはなりません。
と言っても8pの手出しだけでも確認すればターツ落としなのはほぼ確定です。
宣言牌の白も手出しでなくてはなりません。

この捨て牌のポイントは68pのカンチャンターツを内側から切っていることです。
外側から切るのはよくありがちでそこまで強い情報ではないんですが、内側から切るのはどんなときでしょうか?
簡単に思いつくのは、手牌に良形ターツが揃っていて、愚形ターツが必要ないときでしょうかね。
愚形残りの場合は、2つのカンチャンターツのうちのどちらかを外すと思うんですが、

一萬二萬三萬四萬五萬一筒二筒三筒六筒八筒六索八索南南

例えばこんな形だとしたら、6pは切りません。
8pを切り、5p引きの良形変化を期待するでしょう。

三萬四萬五萬一筒二筒三筒六筒八筒三索四索六索七索南南

でも仮にこんな形だったらどうでしょう?
良形ターツは揃っていますが、ソーズ部分が二度受けです。
8pを切って5p引きの良形変化を期待するでしょう。
5p引きで二度受けが解消出来るのは大きいです。

三萬四萬赤五萬一筒二筒三筒六筒八筒三索四索七索八索南南

ではこのくらい充分形だったらどうでしょうか?
いやいや、それでも赤5p引きを期待して8pを切りますという人は多いのではないでしょうか。
ドラはもう1枚欲しいです。
それにまだ5巡目です。
このくらいだったら6pも8pも危険度にさほど差がないことも多いですし、他家を警戒するにしては早すぎます。
もっと大きく狙ってみても良いでしょう。

つまり良形ターツが揃っていてもそれだけではカンチャンを内側から切る理由にはならないのです。
もしあるとしたらドラが2枚以上ある充分形の中の充分形か

一萬二萬三萬四萬五萬六萬三筒四筒六筒八筒六索七索南南

こういう形。
これなら赤5pの受け入れもありますし、8pから切って5pを引いたとしても4連続形を残す意味がない。
内側から切る意味はこれの可能性が高いと思います。
ですから、2-5pの待ちは非常に危ないと言えますね。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬三筒三筒六筒八筒六索七索中中

他に考えられるのはこんな形から6pを先切りした場合。
中を鳴いてテンパイを取りたいので、5p引きの両面変化は要らない。
もし裏目の5p引きでも3pトイツのフォローになるので役に立ちますし、
6pを先に切っておけば面前でテンパイしたときにスジ待ちのシャンポンでリーチが打てます。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬一筒二筒六筒八筒六索七索南南

他にはこんなパターンもあります。
発想としてはさきほどのパターンと同じで、6pを先に切ってスジ待ちでリーチを打とうとしています。
5p引きの両面変化を捨てても、捨て牌が強くなるのでさほど痛くはないということです。
どちらも出現率はさほどでもないと思いますが、スジの3pはカンチャン待ちはほとんどないにしても、通常より危ないと考えられます。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬一筒三筒六筒八筒六索七索南南

他にはカン2pのターツを残して68pの6pを切った場合です。
カン7pよりカン2pの方が端にかかってる分強そうですし

裏目の5p引きでも

一筒三筒五筒

とリャンカン形が残るのでさほど痛くない。
テンパイして愚形待ちでも

九萬白一索發六筒八筒横五筒

このような強い捨て牌で、モロヒ待ちと言っても2pはかなり安全に見えるのではないでしょうか。
5pを引かなかった場合は最初の捨て牌でカン2p待ちになります。
しかし上の手牌からは素直に8pから切る人も多く、6p切りが優れているとしても出現率はさほど高くなさそうです。

一萬二萬三萬四萬五萬六萬二筒三筒六筒八筒六索七索南南

ピンズの1-4p受けの両面ターツが残っている場合も6pが切られやすいです。
5pを引いても2度受けの両面が残るだけですから。
唯一の裏目と言える赤5pを引いたとしても

二筒三筒赤五筒

4pを引けば赤5pが使い切れます。
1-4pは少し危険な無スジと言えるでしょう。

一萬二萬三萬四萬赤五萬六萬赤五筒六筒六筒八筒六索七索南南

4-7pの可能性は、こういう手牌から6p、8pと切ったことになりますが、8pから先に切って6pのタテ受けを残すのが普通です。
ただ、赤5pの場合は赤が出て行ってしまいますし、6pを残すとソバテンになるのでそれを嫌って内側から6p、8pと切るのも自然と言えます。
放銃率は低そうですが、刺さったときは高確率で赤が絡むので安全とも危険とも言い難いですね。

9pのシャンポン待ちの可能性は

八筒九筒九筒中中白

ここから8p切って安全牌の白を抱えたことになるのでほとんどないです。

一萬二萬三萬四萬赤五萬一筒二筒三筒六筒八筒九筒九筒六索七索

こういう形だと6pを切って一時的に7p受けを残すということも考えられます。
ピンズでもう1面子構成できれば、マンズの連続形で頭をつくりにいくことで加速することも出来るので。
この場合も9pがヘッドになってはいますが、9pが待ちになることは考えにくいです。
ただこれはよくあるパターンなので、9pがヘッドになっていたり暗刻になっていたりする可能性は高いと思います。
山読みに生かすことも出来るかもしれません。

≪まとめ≫

2-5pが明確に危険と言えると思います。
字牌が宣言牌なこともありますが、愚形残りだとは考えにくく、良形待ちのリーチである可能性が非常に高い。
ただ愚形の中でもスジの3pだけは唯一ケアしなくてはならない待ちです。
1-4pも少し危険です。
4-7pは一見安全に見えるかもしれないですが、安全とは言えないので気をつけましょう。
手牌のバランス的に、ピンズの下を持っている可能性が高いので、そこが待ちになっていることが多いと考えられます。

朝倉康心「麻雀の失敗学」~レビュー

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Mリーグにかける熱い思い

朝倉康心(ASAPIN)の「麻雀の失敗学」を読みました。
ASAPINの著書は全て読んでいますが今回は満点の出来です。
天鳳からプロへ活動のフィールドを移し、今はMリーガー。
麻雀プロとして、Mリーガーとして生きる覚悟を感じました。
今回はMリーグの対戦中に起きた失敗を振り返り、反省するという内容ですが、失敗の内容もこんなのが失敗のうちに入るのかと驚く内容もあれば、まぁミスかもなぁと僕から見ても思う内容もあり、凡ミスとしか言い様がないようなものもあり、人間らしさを感じるとともに、プロとして厳しいプレッシャーや自分に期待するハードルの大きさを感じるものでした。
朝倉が日々悩み、もがき、反省しながらプロとして、Mリーガーとして生き抜こうとする様子が描かれています。
Mリーグにかける熱い思い、それが伝わる内容です。
その熱こそが本書の最大の魅力であり、これから朝倉がどうなっていくのか、Mリーグはどうなっていくのか、そこに目を向けずにはいられなくなるでしょう。
戦術的な内容が理解できるかどうかに関係なく、もうその熱だけでも面白いです。

上級者に通用する戦術

ただ、戦術的にも参考になるものがありました。
内容的には上級者向けですが、Mリーグは赤入り麻雀ということもあり、天鳳などでも通用しそうな戦術も多く書かれてあります。
しかし朝倉は天鳳鳳凰卓でずっと打っていたからか、Mリーグにフィールドを移して麻雀の質の違いに戸惑うところが見受けられます。
具体的には鳳凰卓よりMリーグの方が守備的な打ち手が多く、絞りがきついようです。
鳳凰卓もたいがい守備的過ぎてうんざりしてくるんですが、あれよりきついというのは想像がつきませんね。
そのへんも興味深く読んでいました。

今回は内容的には要するに牌譜検討です。
意外と今まで朝倉が書いていなかった内容です。
私も今まで朝倉(ASAPIN)の牌譜はたくさん見ました。
しかしASAPINの打牌はけっこう独特なところもあり、天才的で凡人から見ると理解しにくいところがあります。
牌譜を見ていても何故こういう打牌になるのかさっぱりよくわからない、見当もつかないということはあります。
Mリーグも同様でしょう。
解説者が打ち手の気持ちを忖度して、打牌の理由を推測するのですが、それが正しい保障はまったくありません。
これはMリーグを見ていてもよくわからないことです。
だから本人自身がこういう著書の中で解説することに価値があるのです。

今回は少しだけ朝倉(ASAPIN)の思考の一端を覗くことが出来ました。
やはり凡人には考えも付かない、とんでもないことを考えているなと思いました。
例えば平和ドラドラ1巡ツモ切りリーチなど、もし牌譜やMリーグの対局を見ていて目撃したとしたらうっかりミスにしか見えないでしょう。
どんなに考えても、誰が見ても思考を推測するのは不可能だったと思います。

牌譜検討と言っても失敗だけに注目し、反省するという内容なのですが、その失敗にいたるまでのプロセスや思考が詳細に書かれています。
それがまた参考になる内容で極端な話、結果はどうでも良いのです。
結果こそ失敗に終わったとはいえ、ほんの少し場況や状況が変われば正解に変わっていた可能性もあります。
選択は間違いであったと結論付けていても、そこに至るまでのプロセス、思考は鋭く研ぎ澄まされたものがあり、場況を的確に捉えて打牌に反映させようとしています。
その過程を見るだけでも充分なのです。

Mリーグに興味を持たせる内容

全体的にレベルの高い卓でないと通用しない読みの戦術が多く、鳳凰卓においては参考になりそうなものも多いです。
ただMリーグ独特の人読みを使った戦術もあります。
これはMリーグの固定面子と戦う場合においてのみ通用するので参考にならないところもありますが、Mリーグに興味ある人は興味深く読むことが出来るでしょう。
鳳凰卓は人が多すぎて人読みしてる余裕はほとんどないですが、三鳳では僕も人読みを使うことがあるので、なんとなく理解は出来る話でした。
打ち手の性格や傾向を知ると麻雀が面白いものになってきます。
Mリーグの面子やチームメイトの石橋、コバゴーの紹介などもあって、打ち手の性格や傾向を本書から伺い知ることが出来ます。

全体的にMリーグに興味を持たせる内容になっていて、かつ上級者にとっても参考になる戦術が多いです。
この2つを両立していることが何よりポイントが高いですね。

超メンゼン主義麻雀~レビュー

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リツミサンと雀荘戦

リツミサンの「超メンゼン主義麻雀」を読みました。

個人的にリツミサンの麻雀は配信とか牌譜とかでよく見させてもらっていて、自分の麻雀にもすごく影響を受けています。
本書に興味を持ったのもそのためです。
昔は雀荘戦でもよく当たったし、当時から既に天鳳段位戦で結果を残しておられましたが、雀荘戦においても収支、順位、レート全てにおいてずば抜けているところがありました。
ちなみに本書のコラムで登場する真鱈さんや奈落の王さんも雀荘戦でよく対戦した面子です。
彼らは恐ろしく強く、鳳凰クラスの麻雀というものはどんなものかということを身を持って教えていただきました。
鳳凰卓を知らない僕にとってそれは衝撃的で、他の誰に感じたこともない、とてつもない威圧感を感じたのです。
その頃から人読みをする癖もつきました。
無数の得体の知れない相手と対戦する特上卓などと違って、雀荘戦の面子は固定的で自分の麻雀の幅を広げました。
この人は次にどんなことをしてくるだろうかと予想しながら打つことを覚えましたから。

リアリズムの面前派

なのでリツミサンがどういう麻雀を打つ人なのかもよく知っています。
まず、面前派と言っても異色だとか、変わった麻雀を打つ人だとかそういうことはありません。
たしかに天鳳では珍しい面前派なのですが、そもそも麻雀プロを見ると面前派はゴロゴロしていますし、従来から天鳳打ちの方が鳴きすぎで異常なところもあるんです。
その麻雀プロの面前派のようなイメージで見ると肩透かしを食らうかもしれません。
従来の面前派の麻雀プロといえば手役派ばかりで良く言えばロマンを追求している、悪く言えば夢見がちなところがあるでしょうか。
これはもちろん天鳳と違って短期決戦なので爆発力が必要とか、トップが偉いので打点が必要とか、その方が見栄えがするとかいろいろ理由があると思います。
リツミサンはもちろん麻雀プロではないんですが、そういった手役派とは一線を画したスタイルを確立していて、中~高打点、好形和了りを目指すタイプであり、押し引きに関しても押し過ぎず引き過ぎず、どちらかというとリアリズムを追求しているという印象です。
それでいて後手を引いたときの押し返しのセンスなどは凡庸とはとても言い難いものがあります。
決して打点が欲しいだけで面前に拘っているわけではないのです。
その方が柔軟な対応が出来るからというのが大きいと思います。
鳴けば鳴くほどテンパイに近づく反面、ターツ選択の自由がなくなったり、安牌が少ないために押し引きも押し寄りにならざるを得なかったりして、実は面前の方が選択肢は多いんです。

自分も昔は鳴き派だったんですが、成長するに従って面前寄りになってきました。
独自の鳴きで活路を開いている人も中にはいるでしょうが、一般的には鳴き派の方が麻雀は簡単です。
特に牌効率の怪しい初中級者相手にはスピードで圧倒してしまうのが簡単で手っ取り早いと言えます。
しかし上級者相手ではテンパイスピードだけでは太刀打ちできなくなってきます。
その対応の1つの答えが面前を追及することです。

だからこれは上級者向けの内容です。
特に場況とか他家の動向を読むことに重点が置かれているので、上級者相手にしか通用しないところもありますし、読むこと自体もハードルが高いです。
しかし必ずしも面前派である必要はないし、面前派になる必要もないと思います。
実際副露率2割台まで下げるとかなり苦しくなってきます。
4割鳴いてる人はもしかしたら鳴きすぎの可能性があるので、本書を参考にしてもう少しじっくりと腰を据えて麻雀を打ってみるのも良いのではないでしょうか。
実際僕も昔は4割ありました。
その頃からリツミサンの麻雀を見ていますが、あまり違和感はなく、ちょっと真似出来ないなとか、参考にならないなとか思ったことはないです。
言うなれば王道の麻雀と言ってもいいくらいで、他の打ち手に比べてお手本にしやすかったのです。
他の打ち手は鳴きが多すぎて、真似すると不用意に他家と接近しすぎてしまうことがありました。

見るのではなく観ること

難点は立体図が多すぎるということです。
我々は普段麻雀を打ちながら、時間の経過と共に少しずつ場況を把握し、刻一刻と変わる状況にその都度対応しているので、立体図を見ることには慣れていません。
しかも牌の色とか景色で感覚的になんとなく把握しているところがありますから、白黒の立体図はどうしても見難く読んでてしんどいです。
理解できないわけではないですが、理解するのに時間がかかるのは事実ですね。
ただ「場況を見る」ということが本書の最大のテーマのようでありますし、立体図を提示した説明が多くなるのは致し方ないところでしょうか。

全体的に答えがはっきりしていない問題が多く、むしろ答えもはっきりさせない記述が多いので難解な印象を与えるかもしれません。
ジョジョの空条承太郎曰く「見る」のではなく「観る」ことが大事。
つまりよく観察することが大事ってことです。
個人的には曖昧で脆弱な理屈や根拠を元に答えはこうですと言い切られるよりは好印象です。
そもそも答えが分かっていても意味がないのが麻雀です。
本で読んだのと同じ場面は二度とやってきませんから、思考する過程を鍛えないと、実戦で新しく遭遇した場面で答えを自分の力で導き出すことはできないのです。
ですから答えよりも過程に拘る姿勢はよく理解できます。

読む人を選ぶ本だと思います。
麻雀の読みについての記述ばかりですから。
極端な話、読みなんてまったく使わなくても牌効率とベタオリだけ徹底すれば鳳凰卓にはいけるでしょう。
本書はそれ以上のレベルアップを望む人向けです。
ただし実戦で限られた思考時間の中からよく観察し、推測して打牌に結びつけるのは困難を極めるでしょう。
マニアックな麻雀の推理要素が面白いと思える人にも向いています。
ただ必ずしも面前派ではなくてもいいし、面前派を目指さなくてもいいです。
上級者なら麻雀のスタイルは問わずおすすめできます。

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人読みの戦術

三麻九段になりました。
たくさんのいいねありがとうございました。
時期によって打ったり打たなかったりしていますが、長い年月三鳳を打ってきました。
サブアカで打つこともあります。
九段に昇段するのは今回が初めてです。
ずっと昔から三麻と四麻で九段になるのが目標だったのですが、実際なってみると頑張ればまだ上へ行けるんじゃないかという気がします。
最初のうちは頑張っても九段止まりだと思っていたし、そこから先は想像も付かなくて無理だろうなと思っていました。
これからは三麻の十段を目標にします。
ですがとりあえずは四麻で九段になろうと思います。
四麻の十段は今でも想像がつかないです。

最近の三鳳は攻撃的な打ち手が減ってきたと感じます。
面子も大半が入れ替わり、見慣れない名前も増えてきました。
最近は四鳳と三鳳ばかりですが、かつては雀荘戦を打っていたり、特上を打っていたり、いろいろなフィールドで打ってきた経験から、僕は人読みをする癖がついています。
おおまかに面子の性格や卓の傾向を把握するのは大事なことです。
特に面子の実力は必ず見ておく必要があります。
ある程度打てる人が相手でないと、アシストは期待できないし、迷彩も効果がなかったりするので、打ち方は必然的に変わってくるからです。
実力がある相手であっても、攻撃的な打ち手と守備的な打ち手、役牌を絞る打ち手とそうでない打ち手、よく鳴く打ち手と面前派では対応が変わってくると思います。
知らない名前の人が増えてきて大変ですが、1人1人の打ち手の傾向を根気よく探ることが必要になってきます。
事前情報がないなら対戦中に探ることも必要になってくるでしょう。


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神速さんとロジカルさんは三鳳界でもトップクラスに堅い打ち手です。
特に神速さんは現状6万点持ちのトップ目で、かなり堅くなっています。
チートイのような河で、安牌を多めに持ちながら手を進めているのが分かります。

ここでこの先の展開を予想するのですが、9p切ってスジの8p待ちでリーチはバレバレなので、絶対に振り込んでくれません。
詳しい解説は省きますが、9p切りのリーチだとソバテンの8pのシャンポン待ちの可能性が高いと読まれるのが当たり前なのです。
8p切りでペン7p待ちのリーチはスジ待ちですが、これもソバテンなので必ず警戒されます。
そこで一旦8pを切ってダマにする、何巡か後に何かソーズの牌をツモってきてカラ切りでリーチすることも考えました。
これなら7p待ちとはさすがに思われない。
多少警戒していても他に安全な牌がなければ切るしかないのでなかなか良い待ちです。
ですが、そもそも神速さんはぶっちぎりのトップ目で和了りに行く気があまりなさそうに見えます。
捨て牌もチートイっぽくて安牌を多く持ってそうです。
打ち手の性格的にもあまり攻撃的ではないです。
なので、迷彩ありの7p待ちでもおそらく出ることはないでしょう。
安全牌が足りていて、現物だけ切って逃げ切られるのではないでしょうか。
それどころか、ダマテンにしていても7pは止められる可能性があります。
もう中盤に差しかかってますし、実はその前の局でも2000点の平和テンパイをダマにしていましたから、リーチする気はなさそうです。
そうなるといくらスジの安全そうな7pとはいえ止められる可能性があります。

ダマにせよ、リーチにせよ、7p待ちにせよ、シャンポン待ちにせよ、迷彩つくってからリーチにせよ、どれも和了率に大差ないと感じたため、一番打点が高くなる待ちでリーチにしました。
これがもう少し攻めっ気が強い相手なら7p待ちでダマもありではないかと思います。


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所変わって特上で打つことになりました。
雑魚狩りではありません。
昇段戦で鳳凰でトップを取るとポイントが余るので、特上でポイントが足りる状況だったのです。
ここでもまた人読みがあります。

上家はドラポンしていて、捨て牌はホンイツに向かっているような河。
正直言って僕は特上を舐めていました。
鳳凰卓なら面子のレベルを考慮して、白を切っていたでしょう。
打点が足りているのに、役牌トイツ2組あって無理やり染めにいくことは考えにくいからです。
役牌トイツ2組あればもう少し手なりのような河になっているはずです。
しかし特上の面子は何をしてくるのか分からないという意識がありました。
効率を無視した手順を踏むかも分からず、白が鳴かれるかもしれないと反射的に思ってしまった。
ましてや昇段戦で、ほんの少しのリスクも取りたくないという意識が働いてしまった。


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一旦1pトイツ落とししてカン8sテンパイしますが、これを拒否し


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裏目の8sを引いて「しまった!」と思いました。
この「しまった!」と思ってしまったことがいけなかった。
フリテンでも3面張ならかなり勝負になります。
ここは絶対に白を切ってテンパイを取るべきだったのですが、動揺していたのでテンパイ取らずにオリてしまいました。
この後親もオリてしまい、上家に倍満をツモられてしまいます。

結局、特上に場所を変えて人読みに頼りすぎたことが仇となりました。
慣れない特上で戸惑いはありました。
普通に打てば和了れるはずのものを和了れなかった。
自分が和了らなくても親がなんとかするだろうと思っていました。
普通はドラポンされたら親も警戒するところなのに、実力を舐めていたから警戒などしないだろうと思っていた。
完全にナメプだし、最近打った中ではもっとも大きな失敗です。

特上では読みに頼りすぎたというかナメプして失敗しましたが、逆に三鳳ではそれだけ必死に相手の動きを読んでいたのだと思います。
それが良い結果に繋がったという実感もあります。
鳳凰卓はやはりすごい場所です。
みんな合理的な選択をしてくるし、だからこそ相手の動きを正確に読んで、打牌に結びつけていくことが勝つために必要なことなんだと思います。

リーチゼロ麻雀

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リーチゼロ縛りで天鳳をプレイするアカウントをつくりました。
このアカウントで天鳳打つときは一切リーチを打ってはいけません。

何故このようなアカウントをつくったのかというと、いろいろ理由があるのですが、1つは自分がリーチを打っちゃいけない場面での手づくりに苦手意識があったからです。
例えば南場で自分がトップ目に立ち点棒を充分に持っている場合とか。
南場で満貫振り込むと順位が2つ以上は下がってしまうような場合とか。

そういうときはリーチを打たない方が賢明です。
なのにどうしても手なりで打ってしまうんですよね。
いつもの癖で手なりで手を進め役ありでテンパイしてしまい、渋々ながらリーチを打つハメになる場面が多かったのです。
そもそも役ありでテンパイしないように手づくりすれば良いのですが、そういう手づくりのノウハウがいまいち分かってなかったし、いつまで経っても身に付かないので、いっそのこと全局リーチ打てない縛りにすれば嫌でも分かるようになるだろうと考えました。

この思惑は予想以上に成果を上げました。
とにかく1戦打つごとに、今まで自分がいかに手なりの麻雀しか頭になかったかということが明らかになってきたのです。
正直最近マンネリでしたし、鳳凰卓ですら打ってて得るものがなくなってきてました。
これ以上打ち続けても実力的に伸びシロがないのかなと少し思っていたところです。
ここはこうした方が良かったんだなとか、こういうやり方もあるんだなという発見の連続です。

2つ目はリーチの効能を知ることです。
今まで自分はリーチに頼りすぎてはいなかったか。
リーチをなくすことで自分がどこまで不利になるのかということが知りたかったんです。
これも打ってるうちに大体わかってきました。

リーチが打てないととにかく平均打点ががっつり下がります。
あまりにも貧弱な麻雀で、トップを取りこぼすことが多くなりすぎるということがはっきりと分かりました。
逆に言うとリーチがなくても和了率はそんなに下がらないので、放銃を避けたい場面では無理はしなくていい、リーチを打たない手づくりを心掛けることが大事ということも分かってきました。

リーチを打つと守備力が著しく下がるということもはっきりしてきました。
リーチを打たないことで放銃率がかなり下がってきてます。
思った以上にリーチがリスクの高い行為だということが分かりました。
これはリーチのみ愚形やリーチドラ1愚形のテンパイの価値を疑うきっかけにもなりますね。
こんなにも放銃率を下げられるんだったら、手なりで面前より、強引に鳴きを駆使して安い手を和了りにいった方が得策かもしれませんね。

3つ目は鳴きの強化。
今まで思いつかなかった考えもしなかったような有効な鳴きが発見できるんじゃないかと考えました。
リーチがなければ必然的に鳴きを駆使することになります。
実際に鳴き率はかなり上がりました。
普段なら面前リーチを目指すような手でも強引に鳴きに持っていくしかないですから、それはもう必死に毎局のようにどこか鳴けるような牌はないか探してました。

やはりこれも予想以上というか、意外というか、自分が鳴きに対して甘いところがあったことが自覚できました。
この手は意外と三色で仕掛けることができるんだなとか。
孤立の役牌をどこまで引っ張ればいいのかとか。
そういうのは普通に打ってると気付かないことばかりでした。

ふとした思い付きで始めてみましたが、新たな発見があったし、得るものがたくさんありました。
これはおすすめのトレーニングです。
鳴きの強化にもなりますし、リーチを打たない手順を知ることで守備力の強化にもなります。


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普通にボケーっと打ってると9sを切ってしまいますが、これは5s切りが正しいです。
9sを切ってしまうと7sをツモったときに役なしテンパイになってしまいます。
また4sをツモっても役なしテンパイになるだけでリーチが打てないので、あまり意味がありません。


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6pを切るのが正しいです(切れなかったですけど)。
これも思いがけない発想です。
2pをツモっても打点的にはカン8pに受ける選択しかないですし、5pをツモっても愚形の役なしテンパイになるだけ。
6pは役にならない、役に立たない牌なんですよね。
安全度的に南を持った方がいいと思います。


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少し苦手意識のある役牌バックの仕掛けです。
これは5s切りで456の三色と役牌バックを天秤にかけるのがいいでしょう。
面前で張ってもしょうがないので、いつもより速めに仕掛けていますが、慣れない仕掛けをやっているせいか三色にもなりそうってことには気付きませんでした。

ハイテイツモ消しの鳴き

ハイテイずらしの鳴きはさほど難しいことではないと思います。
目的は他家のハイテイの1ハンを消して失点を減らすことです。
正しくハイテイを数えられていればまず問題はないです。

ハイテイの数え方は以前記事にも書いたので参考にしてください。

四麻のハイテイの数え方
http://renrakujan.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-febc.html

今回はハイテイの1ハンと同時に他家のツモを1つ消す鳴きについて書きます。
これは単にハイテイずらす鳴きと違い、格段に高度な判断力や状況把握能力が試されます。
ねっとりじっくりと検証していきましょう。


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3位で迎えたオーラス2本場です。
ラス目からリーチがかかり、自分はひとまず現物の6pを切り、トップ目の下家も現物の5pを切ってきます。
これは鳴くのもありかな、どうかなというところだと思います。
和了りに向かう鳴きではありません。
むしろ鳴くと和了りから遠くなるのですが、鳴くとリーチ者の一発が消せる、流局まで持ち込めばリーチ者のハイテイと同時にツモが1つ消せるので3つのメリットがありますね。
ただし、ラス目と自分の点差が8300点差であり、供託を加算すればぴったりちょうど平和ドラ1ツモでまくられるんですね。
場を見るとドラも赤5pの1枚しか見えておらず、さすがに平和ドラ1かリーチドラドラか、どちらかは条件を満たしてることの方が多いでしょう。
ということはハイテイも一発も消す価値はあまりないですね。
これがもし字牌がドラだったり、100点だけ自分の方が点数持ってたりすると一発やハイテイを消す価値も上がるので鳴いてもいいかなと思います。

自分の手は和了りに向かえる手ではなく、まだ巡目が浅いですが、このまま流局に持ち込むのが現実的なラス回避策だと思います。
巧くいけばチートイツでテンパれるかもですが、どうせすぐオリることになるので、あまり期待はできないですね。
これがもし東が役牌だったりすると話が全然違うんですけどね・・・。

和了りは捨ててもいい。
ただ、まだチャンスはあります。
この席の並びだと東家、北家、どちらからポンしても南家のツモを1つ減らすことができます。
5pは枯れましたがトイツが3つ残ってるので、もう一度鳴けるチャンスがあるでしょう。
ということで、ここはスルーです。


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ここで問題視すべき事案が発生。
トイツをほぐすのは良くないですね。
5pを切りたかったんですが、親が4sを押してるのがどうしても気になっちゃったんです。
満貫刺さればラス落ちのリスクを犯してまで危険な牌を押すのはなかなか考えられないことです。
それがどれほどリスキーなことなのか、理解していない人は1人としてこの卓にはいないでしょう。
かなりの覚悟を持って4sを切ったのは間違いないです。
現物待ちで張ってるかも、なんて思っちゃったんですね。
実際は安牌が足りなかっただけだったようなのですが。
現物待ちもなくはないのですが、この場面でリーチ者のツモを1つ消すことはけっこう大きな価値があります。
5pを切ってもいいのですが、どうしても切りたくないのなら東にするべきでした。
他家の視点から見ると、万が一刺さる可能性のある1枚切れの字牌より、現物の2pの方が打ってくる可能性は高いので。


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ここでまたまた!またまた問題しすべき事案が発生!
トイツをほぐしてはいけないとあれほど!

親がダマで張ってるかもしれないという意識でだいぶ混乱してますね。
冷静に考え直してみれば、親にダマで振ってもそれはそれでいいことなのです。
ラス目にツモられて自分がラスになるよりましなのですから。
親に振らなかったせいでその後ツモられてラスになることだってあります。
ダマの可能性は無視するべきでした。
9sを切ってしまったのはけっこう痛いですね。


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ここで念願の下家からポン。
無事任務完了となりました。
下家はベタオリしているので現物以外に安牌がなかったのでしょう。
現物が足りていたらどうなっていたことでしょうか。
9sや2pのトイツを残していればもっと余裕で鳴けていました。


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ハイテイは東家となり、南家のツモは1つ消えて流局しました。
ここで南家の手を見てください。
3面張で張っていますね。
3面張ということは3種の待ち。
麻雀牌は全部で34種類ですから1ツモあたり34分の3の確率。
つまりおよそ8.8%ということです。
実際はリーチ前に8sが2枚切れてたり、自分で5s1枚使っていることを考慮に入れるともう少し下がりますが、それでも12回に1回はツモられるということを考えると、1ツモ減らすことの価値がよく分かるのではないでしょうか。

それに予想通り平和ドラ1の手だったので、条件は裏なしで満たしていました。
ということはハイテイや一発を消すことはやはり意味がなかったということです。
もちろんこれは結果論になりますが、そうなってることの方が多いと思います。
いずれにせよ、この場面では南家のツモを1回消すことが何よりも重要で大事だということです。
今回は安牌に困らない手でしたが、無スジを押しても8%くらいは刺さるものなので、少々安牌に困ったとしてもリーチ者のツモを消した方が得策ですね。

和了れないからといって単にベタオリするのではなく、他にやれることがあるならきっちりやっておきましょう。

ちなみにですが、この前天鳳のゆっくり実況動画を投稿しました。
内容はブログに比べるとゆるいかんじで実戦的な思考を解説しています。
ハイテイツモ消しについても少し解説しています。
2回くらい考えたのですが、成功はしませんでした。
半荘を通した実戦の全体的な流れを見てみると、ハイテイを消す必要性も分かってくるのではないでしょうか。

私もこの鳴きの必要性は感じていますが、実際のところはまだ慣れていません。
だから今回もバタバタしております。
今回のようにツモられたら終わりという場面ではかなり無理して狙う必要があります。
でもそうではない場合は、あまり無理は禁物です。
ポンすると安全牌が足りなくなることが多く、かなりリスクが大きく諸刃の剣なので、使いどころが難しいですね。

牌譜
http://tenhou.net/0/?log=2018080818gm-00a9-0000-8d20df30&tw=1

執念を利用する鳴き

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今回もテンパイからの鳴きです。
オーラストップ目。
打点は必要なく、3900を満貫にする意味はないように思えます。
待ちはスジひっかけになっていて、場況も良さそうに思えるカン2m。
単騎待ちに変えてもこれ以上良い待ちになるとは思えません。

これは待ちを良くしたり、相手に誤った読みをさせるのを目的とするのではなく、あえて自分の手の内を晒す鳴き
満貫あるということを親に見せるための鳴きです。

親はラスとの点差が4800点。
3900までなら打ってもよしと考えるはずです。
現状では自分の鳴きは3900までだろうと高をくくられていることでしょう。
そこでドラポンを見せて満貫ある鳴きだということを親に示すのです。

これで親はかなり押し返しにくくなったのではないでしょうか。
実際ドラポンしただけではなかなか他家はオリてはくれませんが、この状況ならば話は別です。
もう後がないこの状況では打てば確実に自分が死ぬと分かっているのですから。
トップを取るには跳満ツモるか、連荘が必要と考えれば、両面テンパイでも押し返すのは困難ではないでしょうか。

もっとも親以外にはオリて欲しくないのですが、少なくともラス目の西家は後がないので押すしかありません。
ラス目と親のラス回避にかける執念。
どちらも利用したかっこうになりますね。

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”相手の油断を利用するのは俺の得意だが、この執念とかいうやつはなかなかやっかいだぜ。油断の反対語みてーなものだからな”

ジョジョの名言です。

雪山のロッジで休息をとっていたジョジョとシュトロハイムの一行は、エイジャの赤石を狙う柱の男カーズの襲撃を受けます。
その時にジョジョが発した一言です。

今までに出逢った敵はどこか慢心していたり、相手を舐めていたり、自分の力を過信していたり、戦いを愉しんでいたりする敵が多く、そこに生まれる油断や心の隙を突いてジョジョは数々の苦難や危機を乗り越えてきました。
しかしこの時のカーズだけは他のどんな敵とも違っていました。

柱の男カーズは不死身であり、肉体をバラバラに切り裂かれても元通り再生してしまう生物で、自分が傷つくことに対する恐怖を感じることなくジョジョたちに迫ってきます。
だがそれ以上に1万年以上連れ添った仲間のエシディシが命を犠牲にしてまで赤石を自分に送り届けようとしてくれたことで、なんとかその想いに報いようとカーズは赤石の奪還に執念を燃やしていました。

リサリサから再度赤石を奪った直後や、究極生命体となった後のカーズにはどこか慢心や油断があったような気もしますが、この時のカーズは執念の塊。
いつもなら余裕の闘争心を崩さないジョジョが、この時ばかりはカーズのただならぬ気迫と執念にたじろいでいたのです。

”これは本音だがまったく逃げ出したいぜ”

ジョセフがここまで弱気になるのは珍しいです。
あの究極カーズにさえ強気の姿勢を崩しませんでしたから。
戦略的撤退は何度もありましたが、本気で逃げ出したいと本音を漏らしたのはこのときと、ディオのスタンド(ザ・ワールド)を初めて目の当たりにしたときくらいじゃないでしょうか。

どんな強大な敵よりも何よりも執念というものは強く恐ろしい
ジョジョの世界において、一貫して描かれているテーマのような気がします。
思えばディオも肝心なところで油断や慢心してやられはしたものの、首だけの姿になってもジョナサンの体を乗っ取り生き延びようとした執念はすさまじいものがありました。
その執念がジョナサンを死に追いやったとも言えます。
吉良吉影もとてつもない生への執念を持った難敵でした。
空条承太郎の「てめーは俺を怒らせた」も執念と言えるかもしれません。

天鳳の鳳凰卓も執念を持った人の集まりです。
和了りに懸ける執念、ベタオリに懸ける執念、ラス回避に懸ける執念、生き延びようとする執念。
それでいて油断や慢心することはほとんどないですから付け入る隙がないように思えてしまいます。

Jojo1911_2

そんな執念を持った敵と相対したジョジョは閃きます。
崖下に転落しながら回避行動がとれない絶体絶命のピンチに陥ったジョジョに、ジョジョを殺して赤石を奪おうとするカーズが斬り掛かったその瞬間、ジョジョはとっさに赤石を盾にして自分の身を守ったのです。
カーズの目的はジョジョを殺すことではなく、赤石を手に入れること。
その赤石に対する執念を逆手に取ったのですね。

ジョージ・ジョースターの有名な名言「逆に考えるんだ」にも通じるところがありますが、このシーンもジョジョの名シーンのひとつだと僕は思います。
赤石を盾にするシーンだけ切り取るとなんてことないようにも思えるのですが、エシディシ戦からの話の流れや伏線の張り方が実に秀逸です。

”き・・・切れるわけないよなあ、おまえのラス回避に対する執念を利用させていただく防御策というところか”

天鳳においてもこれは大事な考え方です。

牌譜
http://tenhou.net/0/?log=2018070511gm-00a9-0000-db68be27&tw=2

面子スライドの鳴き


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今回はテンパイからの鳴きについてです。
既にタンヤオドラ1の4-7s待ちでテンパイしています。
普通ならこれ以上やることは何もなく、和了り牌が出るのを待つだけとなるところなんですが、ここから8pをチーして2pを打ちます。

何も面子構成は変わっていないし、一見すると何の意味もない鳴きに見えます。
しかしこれを他家目線から見ると二筒四筒五筒六筒七筒のカン3p待ちから八筒をチーして四筒五筒が残ったように見えるんですね。
残ったのは3-6p待ちです。

詳しい解説は省きますが、これはある程度打てる人なら普通に使う読みです。
以前にこういう食い延ばしの鳴きをしたときに、他家の方に一発で待ちがバレてたことがあります(対局後に確認しました)。
実際打ってるときはあまり実感しないものですが、他家には待ちがバレています。
ちなみに僕も他家の立場ならさすがに気付きます。

しかし実際は食い延ばしではなく、面子をスライドして入れ替えただけです。
さすがに稀すぎてそこまで予想できる人はあまり居ないでしょう。

とすると結局どういう効果があるのかというと、他家に3-6p待ちと誤読させることができます。
その結果、現実の4-7s待ちは警戒感が薄れます。
テンパイのまま何もしないより和了りやすくなっているかもしれませんね。

ただし他家がどう対応するかは実際のところよくわからないところもあります。
2副露入れてしまった結果、テンパイと読まれて待ち読み関係なくベタオリに回られることもあるのです。
1副露までならまだノーテンと読んで押していたかもしれないのですから。

食い延ばしの読みも絶対とは限りません。
今回のように面子スライドの場合もあるし、2pを余剰牌として抱えていただけの場合もあります。
クイタンの3-6p待ちと読ませているということは、逆に考えれば役牌のションパイなども通されやすくなるということです。

鳳凰卓には食い延ばしの読みを知らない人も居ますから、そういう人に対してはほとんど効果がありません。
特上卓だと知ってる人はほとんど居ないです。
副露を増やしたことでテンパイを警戒させるだけになってしまいます。

とすると和了りやすくなっているかどうかは微妙なところで、僅かに和了りやすくなるとしてもツモ1回分を消費するだけの価値があるのかどうか正直わからないですね。

ですが実は本当の狙いは別のところにあります。


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鳴いた後の形を見るとここからならドラの6pを引いても3p切りスライドで面子に組み込むことができます。
鳴く前の形ならドラを引いてもツモ切ることしか出来ませんから。
ドラの受け入れをつくること”それが本当の狙いです。
食い延ばしに見せかけるのはついでのことに過ぎないのです。

これならば迷わず鳴いても良いのではないでしょうか。

ドラの受け入れがないなら変にうまぶろうとせずにやめた方が無難です。
特に子の安い仕掛けはガン無視されるので、別の待ちに見せかけてもかまわず打ってきたりします。
子の高い仕掛け、親の仕掛けでどうしても和了りたいときは、待ち牌の警戒度が下がるのでやってみる価値があるかもしれませんね。
終盤はツモ1回分の価値が貴重になるのでやめておきましょう。


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その他の注意点としては、空切りすることで面子スライドに見せかけることができることもあるので、その場合はやっておきましょう。 

ここは二索を引いてきたので二索を空切りして、二索三索四索から五索を引いてきたように見せかけます。
あたかもソーズで面子が1つ完成しているように見せかけて、ピンズで張っているように思わせるためです。
 

ただし六索の空切りは少し不自然です。
四索五索六索から三索を引いて六索切りというのはしないことの方が多いので。
 

五索の空切りも同様にやりません。 

ピンズの空切りもピンズに面子があると思わせると逆効果なのでやめておきましょう。

空切りも鳴きのときと考え方は同じです。
手牌構成を実際と違うものに見せかけるということですね。

ただ鳴きの場合の手出しは必ずチェックされるのに対して、空切りの場合は他家がうっかり見逃してたりすることが多いので、実際のところはあまり効果がありません。
それでもやって損することは特にないと思うので、少しでも得になるかもしれないことは全部やっておきましょう。

≪まとめ≫

  1. 面子のレベルによってはまったく効果がないどころか逆効果(やめよう) 
  2. ドラの受け入れがつくれるなら迷わず鳴いてみよう 
  3. 子の安い仕掛けでテンパイしてるときはやらない
  4. 終盤はやめよう(ハイテイが自分に回るなら鳴いてもいい)
  5. 空切りで面子スライドに見せかけることも忘れずにやっておく

牌譜
http://tenhou.net/0/?log=2018062800gm-00a9-0000-89883ffc&tw=0

赤先切りリーチの読み

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今回は実戦譜からリーチの待ち読みを検証してみます。
リーチ者が赤を先切りしているときに使える読みです。

赤を先切りすること自体、特別珍しいというほどのことでもないのですが、宣言牌が字牌となると話は別です。
これは特別な何かがある河と考えて間違いないと思います。

宣言牌が字牌ということは、テンパイまで安牌らしき余剰牌を抱える余裕があったということなので、それならば字牌の代わりに赤の孤立牌を持っていてもよさそうに思えます。
それを拒否したということは、手役もしくはドラを他に持っていて打点充分だから手放したとしか考えられません。

ドラも手役もない手から赤ドラをさっさと切って余剰牌を持ったりはしませんから。
受け入れが減るので仕方なくっていうことはあると思いますが、その場合はめいっぱいに構えているので宣言牌がターツのフォロー牌(数牌)になります。

良形確定のイーシャンテンなら両面ターツのフォロー牌を切って安牌を持つこともありますが、平和のみや役なしドラなしの両面とかなら打点が欲しいので赤は持っとくと思います。

そう考えると少なくとも平和のみやリーチのみってことは考えられないですし、リーチドラ1っていうのも考えにくいです。
ドラ1枚だけじゃ不満ですから。
ドラ2枚以上持っていると考えるのが自然じゃないでしょうか。

しかも良形の可能性も高いと思われます。
愚形残りだったら5の孤立牌を残して両面変化の可能性も残したいですから。

ということは押し返すのは相当分が悪いですね。
打点も高い上に良形の可能性も高いとなると、リスキーかつ勝てる見込みも薄いです。
具体的には平和のみやカンチャンドラ1程度では追っかけリーチを打たないとか、あまり粘ろうとせずにさっさとベタオリするとか、そういう対応が適切だと思います。

良形の可能性が高いということはスジとかも切れますし、オリるのも比較的容易なので。

ただしドラではなく手役を狙っている場合もあります。
三色やイッツーを狙っていて打点は充分なので赤を手放したとか。
その場合は愚形の可能性もありますね。

この河の場合だと例えば123の三色を狙っていてペン3mとかで刺さるかもしれないですよね。
赤先切りによるひっかけを狙ったとか。
可能性がそんなに高いとは思えないですが、頭の片隅に入れておいた方が良さそうだと思います。

いくら手役があっても135のリャンカンから赤5を先切りとかはしないと思うのでカン2mとかはなさそうですが。

ちなみにチートイツの可能性はあまりないと思われます。
単純に赤を絡めた方が手が高くなりますし、捨て牌が派手になることを嫌って赤を先切りはしないと思われるからです。
リーチの良い待ち牌を残すにしてもイーシャンテンなら孤立牌を3枚は持てるので、赤1枚くらい抱える余裕はあります。

例外はメンホンチートイツを狙っていた場合です。
一色手なら赤を嫌った方が打点が高くなるので。

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実際のところはこうだったのですが、字牌のシャンポンというのもそれなりに可能性があります。
字牌のシャンポン受けならフォロー牌が要らないので余剰牌が持ちやすいですし、待ちもそれなりなので良形変化も拒否してしまってかまわないということになりやすいからです。

≪まとめ≫

  1. 押し返すのはかなり分が悪い 
  2. あまり粘らずにさっさとベタオリしよう 
  3. チートイツ含む単騎待ちの可能性はなさそう 
  4. 手役の可能性もあるが平均的にはスジが通りやすい

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